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二 結婚しない男

 そこから古葉君が男性陣に一目置かれ、女性陣に「いいかも」と思われるのに、長くはかからなかった。

 最初のきっかけになったのは事務所全体の飲み会だった。

 飲み会の一角で、女子全員に嫌がられている運営部のセクハラ部長が、営業部宣伝課の若い女性の隣に座った。部長が顔を近づけて話しかけてくるのを、女子職員は体をさりげなく遠ざけて全力で嫌がっていた。その様子をちらりと見ると、古葉君はビールを手にごく自然に部長のところへ行って、ニコッと控えめな笑顔で「教材二課は普段、あまり皆さんとしゃべれないんで」と言うと、空いていた側の部長の隣(というより若干空いてしまっていたお座敷の隙間)に座ってまずはお酌をした。部長の重心は女性の側から古葉君の方に移り、みんなが一様にホッとした。私と輪を形成していた女子数名も、それを見て小声で「上手い」「スマートだ」と感嘆していた。

 それから「三人で」盛り上がった彼らの話の輪は全体に広がり、部長が他の人と話している時に女子職員は自然な流れで席を移ることに成功した。古葉君はほどなく「皆さんにも挨拶回ってきます」とまた席を移った。

 古葉君が移った先は、我らが上司・小上課長の隣。「課長、どうぞ」とお酌をしたあと、

「小上さん、もっといろいろ教えて、任せてください。居残りは極力しない主義ですが、必要なことはいつでも、ちゃんとやりますよ」

 と笑顔で言った。職場で正面から言ったら批判になりかねないところだが、彼はきっとこういう機会を窺っていたのだろう。私は「飲み会って、こういうふうに使うんだな~」と感心した。彼は課長と楽しく世間話をした後、同世代の男性の輪に移っていった。

 一方の私はというと、主に仕事で一番関わることの多い教材一課と教務課(授業の運営をする部署)の同世代の女子としゃべっていた。ついつい仲良し組でつるんでいるのを急に自覚して反省したものの、各所に愛嬌を振りまくほどの度胸はなく、課長のところに行った。なんたって“相思相愛”だし。

「このごろ、花房さん定時で帰っちゃうから、淋しいよ~」

 課長は眉を八の字にして嘆いた。うーん、わかってる~。でもダメ~。

「えー、小上さんも帰りましょうよ。インフルエンザの後、実はわりと、帰れば帰れるってわかったじゃないですか」

「だって俺、帰っても一人で、つまんないしな~」

 それでむやみに会社にいるわけだ。やっぱり古葉君が正しかったね。

「でも、私の残業代がゼロになれば、会社もそれだけ助かりますよね?」

「それは正論だけど、なんかドライでビジネスライクで、嫌だな~」

「ビジネスだから、それでいいんです。早く帰っても、小上さんのこと、嫌いになったとかじゃないですから」

 自分で笑いそうになった。そう、こんな調子で仲良しをしすぎていた。良好な関係はそのままで、でも仕事はドライにビジネスライクにしなくっちゃね。

 小上さんがトイレに立った数秒後、古葉君は私の隣にストッと座った。小上さんは私の向かって右にいたが、左隣の席のほうに。

「さー、これで、政治は終わり。疲れた!」

 古葉君はそう言ってニコッと笑い、私に向かってグラスを出した。

「お酌して、花房さん。くつろぎたい」

 なんだと。私のこと、憩いの存在みたいに言うなよ、ドッキリしたぞ。この男、あなどれない。それも政治でしょ。計算でしょ。素直にお酌はしてあげるけど。

「はい、お疲れ様。あと、かわいそうな女子を助けてくれてありがとう。今日のヒーロー賞は古葉君だね」

 古葉君はそれを聞くでも聞かないでもなく、おいしそうにビールを飲んだ。

 計算高い男。絶対警戒しよう。騙されないぞ。

「男子たちとは、何話してきたの?」

 彼の政治力を見極めたくて、聞いてみた。

「え、男の子らしく、女子の品定め」

 飲んでなくてよかった。ビール吹くとこだった。なんだそれ、臆面もなく。

「――なんてわけないでしょ、周りで女の子たち、聞いてるのに」

 そう言うと彼はゲラゲラ笑った。どうやらからかわれたらしいが、普段クールな古葉君が私のリアクションでこれだけ笑ってくれると、悪い気はしない。あれ、騙されてる?

 そこに課長が戻ってきた。古葉君は私越しに、自然にビールの瓶を差し出した。

「小上さん、お帰りなさーい。改めてカンパーイ」

 課長は慌ててグラスを出してビールを受けた。

「カンパーイ」

 教材二課三人で、笑顔で乾杯した。それを見ていた周囲の人たちが、いっせいに、

「教材二課、仲いいね」

 と言った。

「でしょ~」

 小上課長はそう言って、満面の笑みになった。このときの課長の笑顔を、この後、私は複雑な気分で何度も思い出すことになったんだけど……。


 なお、若い男性陣がその飲み会で何をやったかって、名刺交換だそうだ。よく関わる部署とあまり関わらない部署にムラがあるけど、よろしくねと。古葉君が冗談のノリで名刺をさし出して、そうされたら皆も次々に名刺を出してきて、社内名刺交換会となった。その場で名刺を持っていなかった男性社員は、後日わざわざ教材二課まで来て、恭しく古葉君と名刺交換をしていった。

 闖入者が出ていって、また二人に戻った教材二課で、私は言った。

「……古葉君、あざといね。私、騙されないからね」

 古葉君は心底驚いた顔をした。

「俺が、花房さんを騙すの?」

「そう。社内の人、みんな手の内におさめようとしてるでしょう!」

「でも、ウチの課ってひきこもってるから、こういう機会がなければ孤立するよ。花房さんは女子飲みに呼ばれて時々他部署の人とも情報交換してるじゃない。俺は三か月いて、他部署の人とほぼ没交渉だったよ。誰あいつ、って状態で仕事やってるのは不利だし、つまんないし……花房さんの女子会と同じだって」

 庶務の女性に仕切り屋さんがいるので、女子会は一定間隔で行われている。私の歓迎女子会もやってくれた。それで思い出したけど、課でも部でも、古葉君の歓迎会をやっていない。古葉君が定時で帰るから、「飲み会の声をかけてはいけないのではないか」と、私も課長も思ったからなんだけど……。ある程度は彼の自業自得かな。

 そんなことを私が考えていたら、彼は少し小声になって、驚くべきことを言った。

「実は、三か月いてダメそうだったら転職しようかな……とも思ってたの。辞めるなら社内の人と関わらなくてもいいかなって」

「えー!」

 それは早すぎるんじゃない。履歴書が汚れるだけでしょ。

「いざとなったらここのことは消去して、すぐに次を見つければいいと思って」

 身軽というか、なんというか……。でも名刺交換なんてしてるんだから、辞めないことには、したんだ。

「じゃあ、ここは、お眼鏡にかなったってことなのね?」

「まあね、上司に言いたいことは言えたし。花房さんが聞いてくれて、理解してくれなければ、小上さんには言えなかったな。ありがとう」

 ほんとにもう、騙されないから……。でもやっぱり、悪い気はしない。うん、もう騙されてるな。

「……やっぱり私、騙されないからね」

「なんか俺、花房さんの中では株が下がったのね。いいよ、仕事で信頼を勝ち取るよ」

 それで雑談は終わりにして仕事に戻った。

 視界の隅に見える古葉君の横顔に、ほんのちょっとだけアカンベをした。

 私、婚約者いるから、あなたには揺らぎませーん。騙されないからね!


 その後古葉君は、名刺交換効果で男性陣から「挨拶を済ませたのだから一定の顔なじみ扱いをしなければ」とフレンドリーに待遇されつつ、楽しく軽口を叩いたりして、各所に「いい奴」な雰囲気を振りまいた。少し前まで私も「いけすかない奴」と思っていたし、社内全体でも「得体の知れない奴」状態だったのに、えらい変化だ。

 しかし彼は、女性に対しては、紳士的ながら極めて事務的な関わりしか持たない。女性陣としては「男性からの受けは良い、女性にはクールでストイック」みたいなほうが格好良く見えたりするものだ。そんな彼が気になってか、「古葉さんってどういう人なの」と聞かれることも増え、そのたびに私は自分の感じたとおり、「最初に思ったよりずっと明るくていい人でした」と答えた。

 そんな雰囲気と彼自身のクレバーさ(若干「狡猾」の混じったニュアンスで賢明ということ)が相まって、当社での古葉駿二のスタンダードなイメージは「わりといい奴、デキる奴らしい」という方向になっていった。

 飲み会で言われたからか、小上さんは私と古葉君に「当校の講座と講師との関わり合い」みたいな説明をするミーティングを開いた。それはやっぱり「個別の講師について説明する」という細切れ気味の内容で、大局を見据えたものではなかったけれど、講義の後にまた部署で二人っきりになったとき、古葉君はウンウンとうなずいて、満足そうに言った。

「パンフレットとテキスト全部読んで全体像は頭に入ってるし、他の教材もたいがい読んでおいたから、あの講師の説明をしてもらえれば、この部署の仕事はもう大半把握できた」

 私はわざとらしくため息をついてみせた。

「小さい教材も全部読んだんだ」

「最初のうち、全部の教材の原価計算やらされたから、ついでに読んでた。たいした量の仕事振られてなかったし」

 上司が教えてくれないから、やりようがない……みたいに言っててこれだよ。ぼけっとしてたら追い抜かれちゃう。私、基本テキストの他は半分くらい読んでない。

「古葉君って、毎日さっさと帰ってるから、言われたこと以外なんにもやってないかと思ってた。ほーんと、信用ならない。来年には、小上さんを追い出して、課長やってるんじゃない?」

「じゃあ、花房さんは俺の上司で、もう部長かな」

「全然そう思ってないくせに。俺が課長で、オマエはヒラ、って内心思ってるでしょう」

「いやいや、来年もきっと、小上さんが課長で、俺と花房さんが留守を守ってるよ」

 そう言った時彼は、仕事をしている手元を見ていたけれど、その目は満足そうに笑っていた。

 そうだね、来年も、こうやっていられるといいね。変わってるのは私の名字くらいで。この小さな空間がとても居心地良いと、つくづく思った。そして――騙されないけど、古葉君が来てくれて、よかったと思った。


 メリハリって大事だな、とつくづく思う。

 古葉君は普段、仕事のやりとりなんかは本当に淡々としていて、無表情だし声の抑揚はないし、機械かオマエは、とか言いたくなる。でも、普通の会話をする時なんかはパッと表情が変わる。決して騙されてはいけないのだけれど、「今、私に心を開いてくれた」みたいな感じがする。

 そう、メリハリは大事なのだ。そして、騙されてはいけないのだ。

 偶数月の定例女子会の際、私は「あちゃー」と思った。

「花房さんって、古葉君と仲いいの? 飲みに行ったりとか、するの?」

 さあ、来たぞ。そんな話になるのは、私に関するゴシップ興味ではなく、皆さんの古葉君に対する女性としての興味が高まっているからだ。

「いや全然。同僚以上でも以下でもないです。プライベートでの関わりはゼロ」

「お昼とかは……」

「昼は完全に別々です。時間ずらして交替で行ってるんで」

 これまでの女子会で、私は恋愛話を全部やりすごしていた。「婚約者が海外赴任中」とか話してもどうせ盛り上がらないし。でも、古葉君が気になるようになって、やっと私のことも気になってきたらしい。うーん、婚約者の話はしようかな、どうしようかな。

「ねえ、古葉さんって彼女いるの? それは知ってる?」

 なんでほぼ全員が乗り出してるんだろう。あんたと、あんたと、あんたは彼氏いるじゃん。この人と、この人はダンナがいるし。

「知りません」

 即答すると、仕切り屋さんの庶務のベテラン女性(既婚)が代表して宣言した。

「古葉君がフリーかどうか、次回までに調べてきて」

 まじですかー。そういうの聞くの、嫌がるんじゃないかなー。

 だが、私をほったらかして、みんな口々に勝手なことを言いはじめた。

「次回までって、二か月も先ですよー」

「来週彼女がいなくても、再来月にはいるかもしれないじゃないですかー」

「来月緊急集会しましょうよ、いや、今月末でもいいよね」

 いつの間にこんなことになったんだ。古葉君、これはもしや、政治的失敗じゃないの? 女性たちが古葉君をめぐってギスギスしだしたら、いろんな面倒が起こりかねないぞ。まあ、私はその渦からさっさととんずらしちゃうけどね、相手いるから。

「あ、そうだ、それから……聞きづらいんだけど、花房さん」

 まだ聞きづらいことがあるのか。

「あなたは、……古葉君のこと……好き?」

 面倒くさっ! もう、今、この瞬間に渦から離脱しよう。

「あの、えっと、すみません、今まで特に公表してきませんでしたが、……来年のうちには結婚の予定なんで」

 えーっという声は基本、安堵だった。何割かは「独り身仲間だと(勝手に)思ってたのに」という糾弾だったような気もするけど。

「今、相手が海外赴任中なんで、会うことも全然ないし……私に男の気配が感じられないのは、そういうわけです。面白くもない話なので、黙っていてすみませんでした」

 私の話はそこまでだったが、古葉君の話もそこで終わりだった。微妙な綱引きのようなこの感じ、何人かはマジで古葉君を狙っているな……と思って肝が冷えた。まあいいや、私が仕事で困ることはないだろう。


 飲み会は金曜だったから、月曜日、さっそく古葉君に聞いてみた。午前中は課長がいたし、朝っぱらからそんな話もはばかられたので、私がお昼から帰ってきたタイミングで。

「ねえ、私の質問じゃないよ。古葉君って彼女いるの? と、聞いてくれと、頼まれた」

「え! 誰から」

「女性一同」

「先週、庶務の若い子が呼びに来てたの、女子会か」

「そう。モテモテだね、彼女がいるか、絶対聞いてこいって言われた」

「そっか、申し訳ないけど、速攻ガッカリしてもらおう」

 え、今、それ聞いた私はなぜ一瞬ガッカリした? 私には関係ナイ、ナイ。

 彼はしばらく私の反応を探るように見ていた。私はガッカリとかしていませんよ。早く答えなさい。

「言っといて。俺、恋愛はしても、結婚はしないからって。今特に相手はいないけど、結婚しなくていいっていうのが恋愛の条件ね」

 うひゃあ、それは女性にとってはしんどい返答。多分たいがいの女性が「他を当たります」って言うだろうな。……でも彼女はいないんだ。いや私には何の関係もないけど。

 私は思いっきりあきれた顔をして言ってやった。

「上から目線だね、『結婚しなくていいなら、つきあってやってもいいよ』ってことね」

「それでもいいよ、職場の恋愛は面倒の元だから、俺が『ナシ』になるのはまったく構わないし。普通に『彼女はいない』って言ったら面倒だし、うちの会社の女子たちはみんな結婚したいお年頃でしょ。結婚NGなら、正直に言うのが誠意だよ」

「なんで結婚しないの? まだ若いから?」

「メリットがない。束縛が増える、忍耐が増える、負担が増える。別れることになったら失うものが多すぎる。恋愛じたいは嫌いじゃないけど」

 うーん、多分この人、智が勝ちすぎてひねくれてるところがあるんだろうなあ。でも恋愛は嫌いじゃないんだ。枯れてる感じはしないけど、あんまり恋愛に熱心じゃなさそうだよね。女にガツガツしてないのはいいけど。

 そんなことを考えて黙っていると、古葉君はニッコリ笑顔で言いやがった。

「あとは信用して任せるから」

 ……俺の評判を落とすような伝え方をするなということか。やれやれだ。

 その週のうちに女子会仲間の教務課の女性数人が私をランチに誘ってきた。そのメンツでのランチは初めてだったのですぐにピンときた。その中に、古葉君目当ての女子がいるわけだな。

 最初は普通に社内の話などして、食事が終わった頃に「で、古葉君に話は聞けた?」と問われたので、まずこう答えた。

「結婚はしたくないそうです」

「え?」

「恋愛をしたくないとか、女性が嫌いとか、そういうのじゃなくて、結婚する気がないってことを主張してました。結婚する気がないのに、ある程度の年齢の女性とつきあうのは失礼だから、誠意を持ってそこを伝えたいそうです」

 一同沈黙。だよね~、難しいところだよね~。

「彼女はいないそうです。でも、恋愛よりも、結婚はしないっていうのが先だそうで」

 うーん、と微妙な雰囲気の中で会社に戻る時間になり、次の女子会を少し早めにやる約束をして各々部署に戻った。

 その日は一日じゅう課長がいたので、翌日夕方二人になった時に古葉君に報告しておいた。

「古葉君、この前のこと、聞かれたから一部の女子に言っておいたよ。やっぱり『結婚したくない』となると、微妙らしかった」

 彼は無表情に私の方を見ると、いささかあきれたような顔をして、

「面倒な対応させて悪かったね」

 と言った。おお、面倒だわい。でもそれは、女子が面倒を持ってきているのであって、彼に罪はないからな。

「モテる男はつらいね。でも女子も大変なのよ、人類が滅亡しないために看過してやって」

「俺がモテるどうこうじゃなくて、独身で相手のいない二十代・三十代男は、みんなそういう相手するのが大変なのよ、看過してやって」

 古葉君はふうっと面倒そうに息をついた。そりゃあね、結婚だけを目的にして誠意のない恋愛やってる女子もいるから、男性の側がそうやって斜に構えるのもわかるけど……。

 そこは、男女のものすごく不公平なところなんだよね。女は三十五歳から生物学的に卵子が劣化するという統計が実際にあるし、物理的に可能性が終了する(閉経)時期も早い。生殖は生物の本能的な欲求なんだから、結婚に必死な女性をバカにしてほしくない。未婚で子供生んで、男が逃げても女性一人でゆとりを持って育てられる社会じゃないから、「結婚」を焦るしかないんだよ。

 その月末、緊急女子会が開催されて、改めて私は「古葉君は結婚前提の恋愛はしたくないとのこと」と報告した。一応、「結婚する気がないと主張するのはあくまで誠意」と強調しておいた。その頃には、古葉君狙いだった女子もそれなりに割り切りをつけていたようで、古葉君の擁護に回ってくれた。

「そこをハッキリ言ってもらえると、女子も無駄な努力しないで済んで、助かりますよね」

 残念そうではあったが、さいわい恋愛感情に至る以前の好意だったらしく、炎上せずに済んで助かった。「なにそれ」とか「バカにしてる」とか、そんなことになったら大変だ。元々古葉くんがプラス評価だったから、いい方向に取ってもらえてよかった。最初がマイナスなら、一つ一つの出来事に全部悪い解釈をされかねない。

 そんなわけで、古葉君は女子たちの中で、「いい男だし、残念だけど、結婚NGなら『ナイ』かな~」という立ち位置になった。私の努力もあってのプラス評価残留だからね、感謝してよね!

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