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ロマンス満喫中少女  作者: キラオっち
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プロローグ2

狼型アガインは口を大きく開き火球を吐いてくる。

ペラペラ暴言を吐いていたので回避が間に合わなかった。私はキャノン片手に吹っ飛ぶ。

自称デブの私でも簡単に吹き飛んでしまうのだから相当な威力なのだろう。

でもスーツ(ゲームで言うにモビルスーツ)のおかげで傷み無くただ吹っ飛ぶだけで済んでしまう。

私はゆっくり立ち上がるとキャノンに拡散ネット弾を入れ、思いっきり撃つ。

アガインはネットに絡まったが、鋭い爪でネットを切り裂こうと足掻く。

切り裂かれては困るので通常弾に切り替え、爪を狙って撃つ。

「動くな口臭ヤロウ!」 

アガインがあまりにも動くので舌打ちをしてしまう。通常弾は当たらなかった。私のいらつきに満ちた声を聴いてレイが動き出す。

ボンッ、という爆発音と共にネーディリアは光に包まれる。

私は閃光弾だと確信する。

閃光弾。発射してから五秒後に閃光を放つ特殊な弾だ。

アガインの目が眩み、動きが止まる。その隙に再び通常弾を撃つ。

バキィッ、と爪が砕けた音と共に奇声を上げながら体を大きく反るアガイン。

口臭ヤロウ(空からの侵略者。通称アガイン)の弱点は人間と同じで、脳や心臓。

「これで決める!」

断言し、爆発弾を撃つ。

爆発弾とは着弾後十秒で爆発する高威力な弾だ。

軽い血しぶきと共に心臓に命中した。

あと十、九、八・・・・・・。

ネットが切れてアガインがこちらに駆けてくる。

アガインの右手の爪が鉄のように固くなり、アンを捕えようとする。

このままだと死ぬ。私は確信してしまった。

でもそう確信させない物が私の左手にあった。直ぐ様行動に移る。

三、ニ、一。ドンッ。

爆風での砂埃でレイの視線からアガインとアンが消える。

砂埃が薄れてくると、見えてきたのは見るも無惨なアガインの姿と倒れているアンの姿。

レイは深刻な顔をする。すると顎に手を当て心の中で自問自答し始めた。

『アンは死んでしまったのだろうか』

『否、死んではいないはずだ。アガインの爪が迫って来ていた時、確かに笑っていた』

『でも先程から動かないな。やはり死んでしまったのか・・・・・・』

だが、幸いレイの自問自答で出した答えは外れる。

私はゆっくり立ち上がると、レイに向かってピースと笑顔を送る。

「痛ててて。教官に感謝だなー」

なぜ私が生きているのかと言うと、教官が事前に渡してくれていたニ個目の拡散ネット弾を使ったからだ。すると、迫りくる爪の勢いは大分弱まっていた。その後は前転で躱した。

拡散ネット弾の空を持って私は再び笑う。

レイは建物の屋上から降りてくると、私にこう話かけた。

「大丈夫か? 特にけがは無しか。良かったよ」

相変わらずレイは優しい。話をしていて楽しいのだ。

「うん」

毎回話していると不思議な気持ちになる。甘酸っぱいというか何と言うか。

『この気持ちは何?』、と心に聞いても心は無視。

もしかしたら予想はついているのかもしれない。でも心は恥ずかしいのか沈黙を保つばかり。

ずっと心がモヤモヤしているのだ。

しかも最悪なことに取り払う方法が分からない。

すると急に拍手の音が響く。音源が教官だとすぐ分かった。

「流石ね。素晴らしいわ! アガインをこんなにも簡単に倒すなんて」

「簡単じゃないよー。ねっ、レイ」

「いい加減敬語を使ったらどうだ? 教官、それより。三人の容体はどうですか? 流石に二人だと厳しいです」

レイにしては珍しい弱音だと思う。

以前アガインが出現した時は、僕一人で十分です、とか言って飛び出して行った。かなり強気な人だと思っていた。以外な一面を見たにかもしれない。

「そうよねー。でも三人の容体は回復してきてるの。あと一週間もすれば五人全員で戦闘が出来ると思うわ」

教官はにっこり笑って見せる。

「さっ、戻りましょう」

教官が指差す先にはヘリコプター。

軽くジャンプし、乗り込む。

ヘリに乗ると直ぐに飛び立つ。

ネーディリアを上空から眺めると、悲しくなる。

血塗れの建物。

一年前はこんなんじゃなかったのに。

涙がポロリ。頬を伝った。

「お父さん・・・・・・」

思いっきり泣いた。教官が背中に手を当ててくれる。その手はとても温かかった。

私が泣いているのには誰も驚かない。

私はふと、丁度一年前のあの日を思い出す。

キラッキで御座います。早速ミスしました。プロローグとプロローグ2で一つのプロローグとなります。最後にこの作品おを読んでくださった方に史上最高級の感謝を申し上げます。ありがとうございました。

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