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3人でGO! 私たちは魔法少女!

「こいつぁヒデえ……」

「腐ってやがる。早すぎたんだ」


 前線の様子を見たジャックさんが毒づく。ヤマシロちゃん、この娘本当にブレないな。

 

「おいっ!斥侯の報告じゃファイアー・ドレイク以外いねえって話だったじゃねえか!なんでサラマンダーがいやがるっ!四精霊の一角だぞ!?」


 本部に駆け込むや否や怒鳴りつけるように問いただす。


「それが……巣穴の奥に隠れていたようで……」

「くそっ!……起こっちまったもんはしょうがねえ。んで、この後どうする」

「それが当初の予定通り包囲殲滅は不可能ということで……」

「んなもん見りゃあわかんだろうがっ!そうじゃねえ。このまま背中を見せて撤退したらそれこそ全滅だ。つまり誰が殿……捨石になるかって話だ」


 本部に静寂が包む。おそらくここまで撤退が遅れた理由はそれを話し合っていたからだろう。討伐隊といっても軍隊ではない。最大で小隊単位でしか行動したことの無いハンターの集まりなのだ。


「泣こかい、飛ぼかい、泣こよかひっ飛べ」


 そこにフソウちゃんが声を上げる。なんで鹿児島弁?


「私が行く。あとは前線で有志を募る」

「無理だ。一人二人でどうにかなる相手じゃねえ。幻想種なんだぞ?」


 ジャックさんは頭を振る。


「あら、私の相手はサラマンダーじゃないわよ?それはフソウ姉の仕事。私はファイアー・ドレイクをどうにかするだけ。その間に逃げるなりすればいい」


 ねえお姉ちゃん、と声をかける。


「まあそうなるか……。ってーわけでアタシらは前線に行く。後のことは任せたからな」


 言うが早いか本部を後にする。後ろからおい待て!というジャックさんの声がする。



「で、どうにかなるの?」

「なんとかなるでしょ。少なくともファイアー・ドレイクはね」

「ばっか。サラマンダーだって大丈夫に決まってんだろ。タイマンにさえ持ち込めりゃあな」


 にやりというフソウちゃん。言外に頼むぜという言葉がにじむ。頼もしい二人だ。


「まあなんだ……」

「いっちょ」

「「殺って殺れだぜ!」」


 いたずらっ子のような笑みを浮かべて言う。

 前線へと駆ける。

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