表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/21

ヤマシロちゃん大活躍!? 盛り上げよう!はじめての集団戦

「何故、山に登るのか。それはそこに山があるからさ」

「ファイアー・ドレイク討伐のためだろがボケ」


 がしゃがしゃと音を鳴らしながら道なき道を進む。そろそろ頂上が見えるころだ。気を引き締めなおさねば、と気合を入れていると軽快な音楽が鳴り響く。


「あ、彩雲から電文だ。はいはーい」

「なんて?」

「えーっとね、ぴーとんぴー、ぴーぴーぴー……平文かぁ。暗号でこられても困るけど。ちょっと待ってね」


 ジャックさんに声をかけて小休止に入ってもらう。


「ワレ、カイテキセリ。えーっとテッキソウスウナナ、センジュツテキテッタイス、ワレニオイツクテッキナシ……ってやばっ!」

 

 慌ててヤマシロちゃんが叫ぶ。


「右翼からおそらくファイアー・ドレイク7匹来る!防御固めてっ!このままじゃT字不利になる!」


 その言葉を聞き、T字不利って何だ?と首を傾げつつもジャックさんが素早く指示を出す。


「魚鱗陣!中央は魔術師、ヒーラー!両翼に弓!先頭は俺とヤマシロが着く!守れぇっ!」


 その声に各々が動き出す。


「先頭に立たせちまって悪いな。んで敵との距離はどれくらいだ?」

「まあ情報持ってるの私だけだし仕方ないけどね。んと700くらいかな?迎撃隊飛ばしといていい?」

「むしろお願いしたいくらいだ」


 ジャックさんが肩をすくめる。はーい、という返事の後さっそく端末を操作する。


『弩弓召喚』

『シュートベント・烈風』


「んでもういっこ!」


『シュートベント・破滅と災厄の紅蓮弓』


 紅蓮弓に烈風の矢を番えて溜める。そして放つ。1本の矢が5本に分裂し、さらに航空機へと変化する。


「とりあえず5機編隊で3部隊……でっ!」


 3本目の矢を放つ。


「まあこれで少しは時間稼げるでしょ。この後は?」

「あ、ああ。こっちはとりあえずこれで大丈夫だ。余裕がありゃあでいいが前の様子が気になる。頼めるか」

「まっかせてー。彩雲にアクセス。んー……あ、こっちに向かってきてるファイアー・ドレイク3匹になってる。距離400くらい。もう視認できるかな?……前はぐちゃぐちゃねー。右崩れてる。そこから抜けてきたのかな?ファイアー・ドレイク以外になんかでっかいトカゲいるわ。たぶんア○ムトルムよあれ」


 アカ○トルムいるの!?


「急いだ方がいいかも知れねえな」


 ジャックさんは苦い顔で眉根を寄せる。

 そうこうしている内にファイアー・ドレイクとの距離が詰まる。


「弓兵!俺の合図で一斉に撃て!相手はまがいなりにも竜種だ!矢を弾く!引き付けてから翼を狙えっ!番えぇえぇぇっ!」


 左右からシャッっという音が聞こえる。

 距離300……200……100……烈風は全て消え、邪魔するものはいない。空を移動いているからか、想像以上に速く感じる。まだ、まだなのか。焦りとも似た雰囲気が場を支配する。

 65……50……35。ファイアー・ドレイクが攻撃の構えに入る。そして30。弓の殺傷距離だ。


「今だっ!放てぇえぇぇえ!!」


 左右から矢が放たれる。1匹、2匹と落ちる。3匹目は……翼を複数本の矢に貫かれながらもこちらに向かってくる。


「だぁあぁ!」


 裂帛の声。ぶぉっという空気を切り裂く、いや殴ったような音がする。同時にずちゅんという濡れた音。


「ふう。これで全部か?ちょっくら向こうのにもトドメ差してくるわ」


 そう言って大刀を担ぐジャックさんとそれを見て、刀を上段に構えたままわなわな震えるヤマシロちゃん。ヤマシロちゃんはこれが初陣だ。恐怖しても仕方がない……。


「オイシイところ取られたぁ!私がここまでお膳立てしたのに!ずるいっ!やーりーなーおーせーっ!」

「……せっかく出したんだから紅蓮弓使えばよかったのに」

「えー?弱点属性も肉質もわかんないのにぃ?それにあれ爆発するのよ?リアルで汚い花火見たいの?肉片のシャワー浴びたい?」

「それはちょっと勘弁願いたいなぁ」

「でっしょー?」


 目の前で真っ二つになったの見てもうっ!てなったのに血の雨浴びるとかたぶん吐く。

 まだ覚悟が足りないのか、単純に慣れていないだけなのか。とにもかくにもがんばろう。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ