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ジュリア-改-  作者: リノキ ユキガヒ
羽田は遊園地
18/28

見たい!見たい!

 羽田空港のバスターミナルに降り立った2人。

 新宿のビルと違って派手なネオンなどの装飾はこのビルには施されてない。

 電光掲示の案内板と辺りを照らす照明しかないがその輝きは東京の玄関と呼ぶにふさわしい華やかさを十分に持っていた。

 ビルといえばオルタのように縦長で人の出入りしか無いものしか見た事がないマキ。ましてや彼女のように実家が東京にある人間はまず空港など訪れない。

 巨大なターミナルビルは横長で様々な乗り物が出入りしている。それを子供が初めて来た遊園地ような眼差しでマキは見ていた。

「おぉ~!でっけー!!なにココ!?バスがいっぱい止まってるし!」

 リムジンバスを興味津々に見つめてるとジュリアが

「あれはリムジンバスつって都内の主要な駅まで行ってくれるヤツ。」

 そう説明したがお構い無しにはしゃぎ回るマキ。彼女の目に入るもの全てが興味の対象であり本人も収集が付かなくなっていた。

 ターミナルビルの外見を粗方みたマキの興味の対象はビル内に及び

 案の定

「ジュリアさん!中にはいれるの!?」

 と聞いてきた。

「モチロン!」

 ジュリアはマキの手を引くと羽田空港のターミナルビルの中へと入って行った。

 バスターミナルから入るとそこはアライバルフロアで夜とはいえ搭乗客で賑わっていた。

 荷物を吐き出すベルトコンベヤー。プラカードを掲げて待ち人を迎える人。忙しそうに動き回るビジネスマン。同じ位忙しそうにしている空港職員。

「おぉ~。映画でしか見た事ないよ~」

 マキが感嘆の声をあげる。

「丁度、羽田着の飛行機が着いたんだろうな」

 このような光景がアライバルフロアではあちこち行われている。

 それらを呆然とした眼差しで見ているマキの横にジュリアは立つと

「なぁ。飛行機見たいと思わないか?」

 と、耳元で囁いた。

「見たい!見たい!」

 マキは駄々っ子のようにお願いをするとジュリアはニヤリと笑いながらマキに目で合図をした。



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