第七十二話
次回更新は11月5日朝です。
あんなに大きかったプリンも少しになりました。皆さんお腹いっぱいになったみたいですね。残りのプリンは来られない人達にあげるそうです。陛下もこれませんでしたから今から王妃様が持って行くそうです。
「シリスティア様、美味しかったですわ。陛下もプリンを喜んで食べてくれると思います。」
喜んでもらえてよかったですわ。甘い物は癒されますから陛下の疲れが取れるといいですわね。
「王妃様に喜んでもらえて良かったですわ。」
なにもなければ義理の母になるのですね。ん?王妃様が手の方を凝視してますわどうかしましたか?
「まあ!カーディナルが腕輪を渡したのですね。この国の皇太子妃になる事が決まり婚約者になった女性は夫婦の腕輪を付けるのがしきたりなのです。結婚したらもう一つ豪華な物をもらえますわ。」
「……」
やっぱりこの国だけの決まり事らしいですね。ある意味半端ない執着心の腕輪を二つですか?改めて考えると怖いですね。誰か婚約者に逃げられた皇太子様がいたのでしょうか?妃になりたい人には良いでしょうが、いくら軽いとはいえ二つも付けないといけないとは、私には迷惑な物にしか思えませんわ。
「無理を言っているのは分かってますわ。シリスティア様、カーディナルを見捨てないでくださいお願いしますわ。」
王妃様、そんなに悲しい顔をなさらないでください。見捨てませんわ。
「大丈夫です、そんな事はしませんわ。」
もう、腕輪もはめてますし外すのも面倒な手続きが山ほど必要ですからしませんわ。
「お母様は、お父様の所にプリンを早く持って行ってください。私がお姉様とお話したいですわ。」
そうですね、プリンは冷たい方が美味しいですから。
「分かったわ、ファインシー後は任せるわ。」
王妃様はプリンを持って執務室に行くそうです。
「シリスティアお姉様、今度は私と庭園でも見に行きませんか?」
ファインシー姫に誘われました。暇なんですか?庭より着せ替え遊びが楽しそうですわね。
「庭園もいいですが、私の持っている新作のドレスをファインシー姫に着て欲しいですわ。」
似合うと思いますよ、たくさん試したいですわ協力してください。
「お姉様のドレスですか?分かりました私で良ければ着ますわ。」
了解してもらえました。ふふ、あれこれ着せて楽しみたいです。側に控えていたリリーがファインシー姫を気の毒そうに見ています。何故?可愛い服を着せるだけですよ。
「お部屋に戻りましょう。ファインシー姫にドレスを早く着て欲しいですわ。」
にっこり笑いながら言うとファインシー姫も笑い返してくれました、美少女の可愛い笑みに癒されながら部屋に行きます。
「姫様泣かないといいがな。」
ライ!小声で聞こえないと思ってるようですが私には聞こえましたよ。泣くとは酷いですよ可愛い服を着せるだけなんですから。泣かないと思います!
「ファインシー姫はどんな色のドレスが好きですか?」
どんな色も似合うとは思いますが本人の希望も聞いておかないといけませんわね。
「お姉様の選んだ物ならなんでも着ますわ。」
「ファインシー姫様可哀想に。」
ララ、小声でも聞こえますよ!どう言う意味ですか?ライに続いてララまで、ファインシー姫が首を傾げてます。
「差し出がましいようですが、ファインシー姫様お好きな色を希望なさった方が良いですよ。」
リリーがファインシー姫に忠告していますが、美少女にはどんな色でも似合いますよ!某妖精みたいに光らせてみたら面白いぐらいしか思ってないですから、小動物みたいに可愛い美少女を好きに着飾らせる事ができるなんて運が良いですわ。私は似合わないので着ませんが、人に着せて可愛さを堪能するのは楽しいですわ。
小話
ライ達とリリー達の会話
「おい、見たかお嬢様の腕輪夫婦の腕輪らしいぞ。」
「ええ、見ましたよライ。聞いた話によると昔愛していた婚約者に逃げられた皇太子殿下がいて、二度目に選んだ妃に逃げられないように誓約付きの腕輪を婚約中だった時にはめたのが始まりだと言ってましたね。」
「ぎゃはははーっ、ガイ!きっと殿下逃げられねーように渡したぜ。」
「フライ!静かにして、いくら本当の事でも声が大きいわ。」
「そうよ、リリーの言う通りよ。こんな機会逃したら、お嬢様にお嫁さんになってもらうのは無理なんだから。」
「でも、お嬢様絶対騙されてると思うのだが。」
「ライ、お嬢様の幸せを考えたらこのままで良いと思いますわ。」
「そうよ!お嬢様の平穏を邪魔する人が現れたら私達が守ればいいわ。」
「ララの言う通りだぜ!お嬢様と楽しく暮らそうぜ!」
「そうですね、お嬢様の側は退屈しませんね。」
「まあ、ガイの言うように退屈だけはしないだろうな。」
護衛と侍女に色々言われているシリスティアなのでした。