第六十六話
次回更新は10月27日朝です。
パレードの、出発場所まで来ましたが私達を見た人々が無言になりました。まあ、分かりますが仕方ありません。カーディナル殿下のもとに宰相閣下が来られました。
「でででで、殿下!魔王がいます!ひっ!」
顔面蒼白な宰相閣下凄く怯えてます。仕方ないですね初めて見るものですから。
「馬車の護衛だ気にしないでいい。」
カーディナル殿下が説明しています。本物ではないので大丈夫ですよ宰相閣下。
「しかし!……!!騎士団長その格好!」
騎士団長の金色の服に気付いたようですね、驚いてます。宰相閣下の頭よりピカピカに輝いていますね。
「お久しぶりです宰相閣下、ただいま戻り殿下の馬車の護衛を命ぜられています。」
口を開けたまま騎士団長の言葉を聞いています。口が閉まらないくらい驚いたのですね。そのまま首をロボットみたいにギギギと動かすと、他の騎士達のカラフルな服まで目に入りました。一体何があったんだ?という顔をしています。
「宰相、これは魔法具だ。この姿だと空を飛べ魔法弾が幾つも撃てる。シリスティア嬢にプレゼントされた物だ。」
カーディナル殿下が説明を始めました。大したものでは無いのですが。
「シリスティア様に!そんな魔法具があるのですか?聞いたことがありませんぞ!」
飛んで見せたほうがいいですわ。ライ達と騎士団長達に飛んでもらいましょう。
「カーディナル殿下、飛んで見せたほうがいいですわ。」
そうしたら信じてもらえますわ。空を飛ぶのロマンですわ。
「そうですね。シリスティア嬢の言う通りです。」
賛成してもらってうれしいですわ、カーディナル殿下。
「ライ、ガイ、フライ飛んで見せてね。」
ライ達が飛びます。いつ見てもかっこいいですね。宰相閣下が驚きすぎて口が開いたままです。気をつけないとゴミが入りますよ。
「騎士団長、飛んでくれ。」
カーディナル殿下命令で、騎士団長が部下たちに飛ぶように指示を出します。
「皆行くぞ!空中を1周したらしたら戻れ!」
きれいに並んで飛んでますね素敵ですわ。上手に飛べて良かったですね。
「殿下!騎士達が飛んでいます!魔法具の力は凄いですぞ!流石殿下の選ばれた令嬢です。」
宰相閣下が興奮しています。飛べるのは珍しいと思いますが、お体大丈夫ですか?倒れないでくださいね。
「凄いだろ宰相、シリスティア嬢が対価なしでくださったものだ。」
魔法具を褒めて下さってありがとうございます。
「こんな価値の高いもの下さってありがとうございます、シリスティア様。」
宰相閣下にお礼を言われてしまいましたわ。喜んでもらえてよかったです。今からパレードに出発します。横に魔王姿ライ達と騎士団長達がいてくれます。安心して馬車に乗っていられますね。
遠くから沿道に並んだ人たちが見えます。だんだん近づくと沿道にいる人たちの声が聞こえます。歓声が叫び声に変わりました。
「ぎゃああああーっ助けてくれ魔王だ!」
「違う!ギンギラギンの化けものだ!」
「殿下は魔王を従えてるぞ!」
「魔王に勝ったのか!」
いろんな声が聞こえてきます、このままだと怪我人が出そうです。行く前にライ達に預けた魔法具キャンディーシャワーを発動させようと思います。
「ライ!キャンディーシャワーを発動させて虹色バージョンでお願いね。」
何かあった時のために魔法具を用意していました。空からふわりふわりと、キャンディーが落ちてきます虹色の光に包まれてきれいです。人々の手の中にキャンディーが落ちてきました、みんな驚いています。
「甘い匂いがするよ食べられるのかな?」
子供たちが、興味津々でキャンディーを見ています。1人の子が口の中に入れてみました。
「あま〜いおいしい!」
「え!本当か?俺も食べてみる。…すごく甘いおいしい!」
大人の子供もこんなものは初めて食べた!おいしいおいしいぞと口々に喋っています。笑顔がこぼれています、気に入ってもらえたみたいですね喜んでもらえてよかったです。やっぱり魔法は素敵ですね。
「シリスティア嬢、これは魔法具で出したのですか?」
パニックになったら困りますもの秘密で用意していました。
「ライ達が魔王姿なので、びっくりした人達が怪我をしたらいけないので用意していましたわ。」
もしもの為に、準備していてよかったですわ。
「そうですか、ありがとうございます助かりました。」
カーディナル殿下、元はと言えば私が悪いので気にしなくてもいいですわ。
「皆が、キャンディーに夢中のうちに王城までいきましょう。」
またパニックになったら危ないですから急ぎましょう。
「そうですね。シリスティア嬢急ぎましょう。」
あの後なんとか王城に届きました。魔王姿は刺激が強すぎたようです、かっこいいと思うのですが、あんな騒ぎになるとは気の毒なことをしましたわ。
騎士団長が落ち込んでいます、ギンギラギンの化け物と言われたので凹んでいます。似合うと思っていましたが他の人達には不評でしたわ。
小話
王都の親子の会話
「甘いのキャンディーっていうんだって」
「おいしかったね。」
「たくさん降ってきたよ。」
「おかあさんパレードどうしてあったの?」
「殿下が帰って来たからじゃないかい。」
シリスティアの存在に気づく人はいませんでした。