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第六十三話

次回更新は10月22日朝です。

今日はお昼からライアン王国の王城に向かって出発です。そんなに荷物はありませんから直ぐ準備が終わります。


「リリー、忘れ物はないですよね。」


小さい魔法具を沢山作りましたから、忘れない様にしないといけないわ。


「大丈夫ですよ、お嬢様全部積み終わりました。」


残ってないようですね。時間が余りましたから、プリンでも作ってみますわ。


「そうだわ!まだ時間がありますからプリンでも作りますわ、美味しいですよ。」


ララの顔がキラキラしてきました。楽しみだと言うようにそわそわしています。


「プリンですか!お嬢様手伝います。」


どんな物かも知らないのに期待でいっぱいのララですね。


「お昼に、カーディナル殿下にファインシー姫様と皆さんで食べられるようにプリン作り専用魔法具を前に作りましたから巨大プリンにしますわ。」


私達が動き始めると、護衛の騎士達が聞いてきました。


「シリスティア様、どうかしましたか?」


「時間が余ったので、皆さんにプリンでもご馳走しようと思い準備しています。カーディナル殿下とファインシー姫様達に食べてもらいたいですわ。昼に広間にプリンを置きますので皆さんで食べてください。」


材料の相談をライ達としています。卵を大量に使いますし牛乳も必要です。アマーイと言う草の花の蜜を砂糖に精製します。アマーイにはキラーハニーがいますから危ないので採るのが難しい花です。


前世の物に似た材料を集めてもらいます。卵はタマゴカケと言う魔獣が沢山産んでますし、他にもあるのですが、くせのない牛乳に似た成分のにゅうにゅうの木が最適です。ただ、この辺ではどちらも山奥にしか無い物ですのでライ達に採ってきてもらう事にしました。その他の材料はリリーに買ってきてもらいます。


「プリンとは、どんなものでしょうか?」


騎士達も興味深々で聞いてきます。焼き鳥も美味しかったので、期待しているのかもしれませんね。


「タマゴカケとにゅうにゅうの木の実とアマーイで作ったデザートですね。」


途端に顔が青くなりました。仕方ないですね、普通は簡単には採って来れないものですから。大丈夫ですよ騎士の皆さん、国の騎士を私的には使う事はできませんから。


「シリスティア様!この辺りでは材料が集まりませんから無理ですよ!」


心配してくださってありがとう。飛べるようになったライ達がいますから大丈夫ですよ。


「大丈夫です。ライ達に採ってきてもらいますから。」


それを聞いた騎士達がほっとした顔をしています。


「魔王様達なら大丈夫ですね。」


騎士達の中で、ライ達三人は魔王様扱いが決定しているみたいです。魔王姿のライ達はかっこいいので仕方ないですね。


「ライ、ガイ、フライ材料を集めてきてね。」


三人に任せておけば間違いないですね。


「はい、お嬢様任せてください。」


ライが言ってくれます。


「飛べるようになりましたし、魔法弾も撃てるので早く集められそうですね。」


ガイが喜んで集めてくれるそうです。


「お嬢様!飛べるのは楽しいから任せていいぜ!」


フライは楽しんで行ってくれるそうです。


調べてみるとこの世界でもプリンに似た物がありますが、遠くの国でレシピは秘密でそこでしか作られてないそうです。


プリンの材料を入れると望んだ大きさのプリンができます。魔法陣を展開し形が作られてきますしばらくするといい匂いがしてきました。最後にパカンと音がするとプリンの姿が目の前に現れました。カラメルの匂いが美味しさを誘います。


自分より大きいプリンは見応えがありますね。材料を沢山使いましたが、ライ達に頼んだので短時間で集まりました。魔王バージョンは最強ですね。広間に大きな台を持ってきてその上に置きましたが、前世でもこんなに巨大なプリンを作るのは難しいと思います。プリンを仰ぎ見る事ができるのはやっぱり魔法のお陰ですね。使えて良かったと心から思います。


お昼のベルがなりました。カーディナル殿下達がこちらに来られたようですね。プリンを見て驚いてますね。


「シリスティア嬢!これがプリンですか?」


カーディナル殿下が、珍しいのでプリンの周りをぐるぐる回ってます。私でも巨大なプリンは珍しいと思いますので、見たことのない人には興味深々ですね。


「シリスティア様、これがプリンですか?甘い匂いがしますわ。」


ファインシー姫様もびっくりしながらプリンを見ています。


「美味しいですから食べてくださいね。」


ほっぺが落ちますよ。本当に美味しいですから。


「リリー、ララ、皆さんに配って頂戴。お願いね。」


お皿にお玉ですくい分けていきます。一口食べた人達に笑みが浮かんできました。やっぱりプリンは誰からも愛される食べ物ですね。配り終わったリリー達もプリンを食べて満足そうです。ファインシー姫様もカーディナル殿下もおかわりをして食べています。


私も食べました、イメージどうりの味になったので嬉しくなりました。この世界でも色んな食べ物がありますが、前世には程遠い味ばかりです。前世で食べていた美味しい物を沢山再現したいですね。



小話

カーディナル殿下とファインシー姫様の会話


「お兄様、プリン美味しいですわ。お母様達にも食べさせたいです。」


「あのプリンの材料が凄すぎて簡単には頼めない。」


「え?そんなに材料が入手不可能なんですか?お兄様。」


「ああ、タマゴカケとにゅうにゅうの木の実とアマーイだ。」


「それ全部高級食材ですよねお兄様!巨大プリンにどれだけのお金がかかっているのですか!」


「いいや、お金は使ってないらしい。シリスティア嬢の護衛達が材料を集めたそうだ。」


「……」


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