表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/136

カーディナル殿下side3

次回更新は10月9日朝です。

私は今、シリスティア嬢とファンディー国庭園を散策しています。遠くに護衛騎士が居るとはいえ二人きりでいることは高鳴った胸が張り裂けそうなぐらいドキドキする。


「カーディナル殿下、庭園が綺麗ですわね。」


庭園よりも貴方の方が綺麗です。


「あの!て、て、庭園より貴女の方が、き、綺麗です。」


また、噛んでしまった。何時も失敗してしまう恥ずかしい。


「ありがとうございます。お世辞でも嬉しいですわ。」


綺麗なのも笑顔が可愛いのも本当です!


「ち、違います!お世辞ではありません!」


信じてください!殺気がしたと思ったら賊が迫っていた!とっさに対応したがこのままではシリスティア嬢が危ない!絶対に守り抜くぞ!


「貴様達は誰だ!!容赦はしないぞ!!」


人数が多いな、しかし彼女には手出しはさせないぞ!


「ライ!リリー、通じてお願い!」


彼女が叫ぶと声が聞こえてきた。護衛達に連絡したみたいだ、私の騎士達は何をしている!早くしないと彼女が危ないだろう!


「「「「「お嬢様!!大丈夫ですか!」」」」」


驚いた!あっと言うまに魔王と女神似ている人達に助けられた。見た目が凄いが彼女の護衛に間違いないと思うが。


「ええ!ありがとう助かったわ。」


彼等の格好が魔王みたいな姿をしているが護衛の声に似ているから聞いてみよう。


「シリスティア嬢!彼等は誰ですか?」


正体を聞くと笑顔で答えてくれた。笑顔が可愛い。


「私の優秀な護衛と侍女ですわ。素敵でしょう。」


やっぱりそうだったか、あれ程の力を持っているから逆に安心できる。


「そうですか。ありがとう助かりました、流石シリスティア嬢の護衛と侍女ですね。」


彼女を守ってくれる大切な護衛だ粗略には扱えないな。彼女の信頼も勝ち取っている、私の方が負けてるようだ。騒動を聞きつけこの国の騎士達がやって来た遅い!


「貴様達は何者だ!怪しい奴め!」


彼等を侮辱するのはやめたまえ!シリスティア嬢の護衛だ!


「この人達は、私の護衛と侍女ですわ。」


もう許せないなシリスティア嬢に乱暴な言葉を聞かせるな言語道断だ!


「私はライアン王国皇太子カーディナルだ!先ほどこの庭園で賊に襲われた!この国の警備はどうなっているのだ!危うく命を落とすところだった!彼等の助けがなければ殺されていたぞ!」


無能な者達に、優秀な彼女の護衛達を侮辱する事は私が許さない。魔王それがどうした、女神当たり前だシリスティア嬢の侍女だ素晴らしいに決まっている。まだ色々言っているが自分達がしなければいけない事を間違えるな!


「この国の騎士は何をしている!早くそこに倒れている賊を捕まえないか!今度の不手際は国に報告させてもらうぞ!」


思わず怒鳴り付けてしまったが本当の事だから仕方がない。諦めてもらおう。私の大事な人に手を出した事を死ぬほど後悔してもらうぞ。許される事などないのだから。


「この度はカーディナル殿下と、シリスティア嬢を危険に晒した事をお詫びいたします。」


この国の宰相がお詫びの言葉を私達にかけたが簡単に許すつもりはない。


「カーディナル殿下に頼みがある。聞いてもらえるか?」


陛下がお願いをするとは穏やかな話しではないな、何を言いだす気だろう?譲歩する気はないが。


「陛下直々にお願いとはなんでしょう。」


聞くだけ聞いてみよう、彼女の叔母上もこの国の人ではあるから無視はできないか。


「この度の不手際を、国に報告しないで欲しいのだ。」


すでに犯人の目星は付いていると言う事か、王家の人間だな。この国の事は調べてある多分王妃が犯人だろう。


「ほう、犯人を知っているのですね。王族の人間ですか。」


一応かまでもかけてみたが的中したみたいだな。あのうろたえ方を見れば分かる。


「ち、違うなぜそう思う!」


我が国の情報網を舐めないでもらおう。調べれば直ぐ答えなど出てくる。


「国として庇うとしたらそのくらいでしょう。この国で言えば王族以外思い浮かびませんが。」


誰を狙ったのかはまだ分からないが、私と彼女が標的にされたのは確かなのだからはっきりさせてもらう。


「カーディナル殿下、賊はこちらで処分しますが内密にお願いします。その代わり殿下の後押しをさせて頂きます。シリスティア嬢も内密にお願いします。」


思わぬところで彼女を手に入れられる方法を打診してきた。彼女は気付かないみたいだが私には都合が良い。だが決して無理強いなどできるはずないが、せめて希望ぐらいもたせてくれ。彼女の幸せが先決であって彼女が笑顔でいられる事が私の幸せだ。


「シリスティア嬢、私と一曲踊ってください。」


舞踏会場に戻った私は彼女に一曲踊ってもらった。思わず彼女に褒めてもらえて練習は無駄ではなかったと思うと嬉しかった。こんな風な穏やかな幸せが続く事をアリリス神に祈ろう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ