元旦那様side
自分で言うのも何だが、物凄く私はモテ男だ。数多くの美女に熟女年齢問わず愛される。
そんな私に、両親が結婚するように言ってきた。
二人を納得させる為に、両親の薦める令嬢と結婚した。
私の、好きなタイプではないため興味を失った。
その女は、私が何をしていても文句一つも言わない。
本当に、面白味にない女だった。
だから私は結婚してからも、独身の時と同じように女遊びを止める事はなかった。
隣国に行く、使節団にいた時に王女に出会った。
美しく妖艶で一目で虜にされた。
表情に出さない様に、冷静に外交に勤しんでいると王女が話しかけてきた。
「アルバート様、明日帰ってしまうのですね」
いつ見ても美しい。その身体つきも素晴らしい。
「ええ、私達の仕事が終わりましたので明日帰国します」
独身なら手を出せたが、妻持ちでは流石に無理だな。
大変な事になるし。
「私、アルバート様を愛してます。私では駄目ですか?」
ああ、王女のような魅力的な女こそ私に相応しい。この女を私の物に。
「いえ、貴女のように素晴らしい女性に愛されて光栄に思います」
涙を浮かべる王女の美しさに、息が止まりそうだ。
「では、私を貴方のそばに置いてください」
私の胸に、縋り付く王女に男心が刺激される。
甘い匂いに、クラクラしそうだ。
「しかし、私には妻がいますので無理なのです」
そうだ、侯爵の娘で私の両親に愛されてる妻と、簡単に別れるなど出来るのか?
「私、聞きましたのよ……奥様の事を愛してないと」
愛してなどいない。あんな大人しく、地味な女など王女の足下にも及ばない。
「彼女は、両親の勧めで妻にしたのです」
うるさく言われても結婚しなければよかった。
しかし、帝国の力なら妻と別れられるかもしれない。
「私、お父様にお願いしますわ。そうしましょう」
王女が、いい事を思い付いたと微笑んでいる。
「王女が、父親である陛下に頼んでくださるならあるいは……貴女と一緒になる事が出来るかもしれません」
「私に任せてください!きっとアルバート様の妻になりますわ」
王女の自信に満ちた声に、私の希望が叶うのは間違いないだろう。
「楽しみにしていますよ。アリエンヌ王女様」
それからしばらくして同盟が結ばれる事になった。
その象徴として、王女であるアリエンヌ姫の輿入れが打診された。
私の妻になりたいと、言う王女の願いとともに。
陛下はこれを了承した。
妻に、この事を報せると国の為なら仕方ありません。
しかし、家の為に兄に第二王女の輿入れを条件にして。
二度と、自分はこの国に戻らない約束を陛下にお願いして欲しいと。
承諾書をもらうことが条件だと言ってきた。
陛下も反対はしないだろう。意見が通るに違いない。
私は、王女を妻に迎えることが出来る。素晴らしい人生が待っているだろう。