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カーディナル殿下side2

カーディナル殿下sideの話しが遅くなってしまいました。追いつけるように入れたいと思います。次回更新は10月5日朝です。

私は、今念願の舞踏会のパートナーをシリスティアにしてもらう事が決まって喜んでいる。ライナ侯爵夫人が決めてくれてシリスティアが了承したと今日届いた小鳩便に書いてあった。


ライナ侯爵夫人に頼んだ時から、彼女を乗せる馬車を彼女に似合うように改造して可愛いクッションを選ぶ為に何軒かの店に行った。しかし可愛いクッションを選ぶのに苦労した。だが楽しい!好きな人の為にする事がこんなに楽しいとは今まで知らなかった。


「彼女にはこのクッション似合うと思うか?いや、こっちがいいかな?」


私付きの護衛騎士に意見を聞いているが答えが返ってこない。言ってくれないか、迷っているのだから。


「殿下、勘弁してください。これ以上ここに居るのは無理です。他の人達の迷惑になりますので移動しましょう。」


店にいる店主が驚いて青ざめた顔でこちらを見ているが、客なのだから構わないだろう。護衛騎士が店からの退去を促してくるが、選ぶのに協力してくれればいいだろう!


「まて、こっちの方が可愛いか?」


どっちが良いか助言くらいくれないか?帰れないだろう。


「殿下!お願いします。」


お付き騎士のミルカードが言ってくる。


「シリスティア様にはそちらの方が似合うと思いますが。」


ハイカールそう思うか?私もそうだと思った。


「おい!早く殿下をここから移動させないと他の人達の迷惑になるぞ。」


バストーン酷いぞ!私はこれでも客だ。好きなだけ選ばせてくれ。


「仕方ないですよ、早く決めるために意見を言って決めてもらいましょう。その方が早いですよ。」


ハイカールは分かっているらしいな、邪魔になるのは分かるが私も選ぶのに一生懸命なのだから許してくれ。気に入ったクッションを数個選び店を後にした。疲れた顔をした護衛騎士と何故か周りの視線が私に向いていたが気にならななかった。それよりも、このクッションシリスティア嬢に気に入ってもらえるだろうか?


「殿下、荷物は私達が運びますからお任せください。」


これは大事な物だから自分で運ぶから気にしないでくれ。


「自分で運ぶから気にしなくていい。」


他の人間に触らせる訳にはいかない。手垢が付くだろう。


「しかし荷物を持ったままでは周りの視線が殿下に向いております。」


別に気にしなくていい。持ちたいのだからもたせてくれないか。両手いっぱいにクッションを持っている私は、珍しいだろうから護衛の騎士達は私が注目されているのが気になるのだろう。見られるのは何時もの事だから気にしなくていい。


「そう言えば馬車は完成したのか?乗りやすく揺れの少ない物に出来たのか?」


特注品で作ってもらったが素晴らしい物になっただろうか?


「出来上がっていると報告がきております。」


見に行かねばならないな、このクッションも置いて来なければならないし。


「今から見に行こう、このクッションも持って行かないといけない。」


見に行ったが素晴らしい馬車ができていた。これなら満足してもらえるだろう。


「私は明日に備え早く寝るから君達も帰って寝たまえ。」


寝坊などしたくはないし時間に遅れるのも嫌だ。しなくてはならない仕事も、終わらせているので休ませてもらう。


「殿下、もうお休みになられるのですか?まだ夕方ですよ。」


何を言っている!明日出発して秘密通路を使って行くと2日後シリスティア嬢に会える。早く寝たら明日が早く来る気がするだろう。私は寝るから気にしないでいい。


「……」


私の護衛騎士達は呆れていたようだが、無事寝坊する事もなく迎えに行く事ができた。早く寝て良かった。馬車の前に立っているシリスティア嬢の綺麗な姿にドキドキが止まらない


「あ、あの、お、お綺麗ですね。」


近くで見るとなんて可愛いんだ!抱きしめてみたい、髪型も綺麗なドレスも凄く似合っている。笑顔は駄目だと言われているが自然に出てしまう。


「ありがとうございます。侍女のリリー達のお陰ですわ。」


褒めると驚いた表情をしていたがやっぱり可愛い。彼女は私の笑った凶悪顔など気にせずに話してくれる。


「馬車にどうぞ乗ってください。気に入ってくださると良いのですが。」


貴女専用の馬車です。気に入ってくれるだろうか?


「ええ、ありがとうございます。お世話になりますわ」


クッション気に入ってくれるだろうか?


「まあ!素敵!可愛いクッション!もしかして、カーディナル殿下が選ばれたのでしょうか。」


喜んでもらえた!嬉しい悩んで選んだかいがあった。


「はい、貴女に気に入ってもらえそうな物を、時間をかけて選びました。」


嬉しそうに笑って話してくれる彼女が好きだ、今日もっと好きになった腕の中に閉じ込めてしまえるのなら私はもっと幸せになれるだろう。


「センスがいいですね。座ってもよろしいですか?」


彼女に褒めてもらえたドキドキが止まらない。初めてこの顔に感謝した、誰も気付かないだろう。


「どうぞお好きな場所にお座りください。」


私の気に入った場所に座ってくれるだろうか?


「このクッションが一番気に入りましたわ。」


彼女に似合うと一番思ったクッションを選んでくれた。


「私もそれが貴女に一番似合っていると思っていました。」


一番似合うと思った、私の選んだクッションに座ってくれる。ああ、幸せだ。


「ありがとうございます。趣味が一緒ですわね。」


一緒なのだと言ってもらえた。ずっと側にいて欲しい、彼女の為ならなんでもできる気がする。だから嫌いにならないで欲しい。

登場人物紹介

カーディナル殿下付き護衛騎士

ミルカード

ハイカール

バストーン

お詫び小話

「大変です!クラウディア様カーディナル殿下のお妃様が見つかったそうです。」

「おーほほほほ、これでミルカード様に婿に来てもらえますわ。婚約して五年もう少しで婚期を逃したと言われるところでしたわ。」

「これで伯爵家も安泰ですね。」

と言うような話が彼方此方の家で話題になっていました。

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