第五十三話
次回更新は10月2日朝です。遅くなってごめんなさい。明日の更新は用事があるためお休みします。ごめんなさい。
せっかくの温泉を楽しんで欲しいと思ってましたが、カーディナル殿下は病を発症し倒れてしまいました。温泉を楽しめなかったのは残念ですが、気を失ったカーディナル殿下を私の馬車に乗せて砦に戻りました。
「カーディナル殿下早く良くなるといいですわね。」
「はい、ありがとうございますシリスティア様」
騎士団長がカーディナル殿下を部下の騎士達と担いで行きました。
「リリーお茶でも飲みたいわ。」
リリーの入れたお茶は美味しいですからつい飲みすぎてしまいますわ。ん?外が騒がしいようですね、何かあったのかしら?ララがライ達から聞いてきたみたいですね。
「お嬢様!大変です。カーディナル殿下の妹姫様が今部屋の前に待ってられます!」
え!カーディナル殿下の妹?似ているのかしら?ドキドキするわね。
「応接室にお通しして、リリーお茶をお願いね。」
急いで行きますわ、いつもお世話になっている方の妹ですもの。お礼を言わなくては。応接室に入ると美少女が椅子に座っています。カーディナル殿下には似てないわね。
「初めてましてシリスティア様、私はファインシー・ライアンです。いつもお兄様がお世話になっています。」
笑顔が素敵な美少女ね。もしかして、カーディナル殿下を心配して初めて出来た女のお友達をみにきたのかしら?
「こちらこそ、カーディナル殿下にはお世話になっていますわ。シリスティア・プリウラスです。よろしくお願いします。」
自己紹介すると笑顔になってくれましたわ。仲良くできれば嬉しいですけど。
「シリスティア様、私のお姉様になってください。お願いします。」
お姉様?そう言えば前に、カーディナル殿下に妹が人間不信気味だと話していましたわね。部屋の外からカーディナル殿下の大きな声が聞こえます。バァン!と急に扉が開きました。
「ファインシー!ここで何をしている。シリスティア嬢に失礼な事をしていないだろうな。」
カーディナル殿下が怒っているようです。大丈夫ですよ心配しなくてもお話していただけですわ。
「お兄様酷いですわ!妹を疑うのですか?」
兄妹喧嘩はいけませんわ仲良くしてください。
「カーディナル殿下、喧嘩はいけませんわ。ファインシー姫は私にお姉様になって、と言っただけですわ。」
男の兄妹ばかりならお姉様のような人が欲しくなる時がありますわ。
「ファ、ファインシー!何を言ってるんだ!シリスティア嬢に失礼な事を言ってはいけない。」
真っ赤になってカーディナル殿下が慌ててますわね。大丈夫ですよ、お姉様はなれませんがお友達にはなりたいですから。
「お姉様は無理ですけど、お友達にはなりたいですわ。」
ファインシー姫様?そんなに驚いてますがどうかしましたか?
「…お兄様と普通に会話しているわ。お友達でも良いですからなってくださいシリスティア様」
普通?会話くらい誰でもしていると思いますが、お友達が出来ましたわ。横でカーディナル殿下が固まってます。ライ達が駄目だな殿下。処置なしだ、とかリリー達が可哀想ですね殿下、と言ってますがやっぱり可愛い妹には敵わないものなのですね。