第五十一話
次回更新は9月29日朝です。
今日は、国境の砦の中を案内してくれるそうです。騎士団長がカーディナル殿下の伝言を告げに来ました。こんな立派な砦と言うよりも、城と言った方が正しい様な気がします。やっぱりお金持ちなんですね。
「お嬢様、お支度をなさった方がよろしいと思います。」
「そうね、もうすぐカーディナル殿下がみえる頃だわ。リリー、ララお願いね。」
支度をリリーとララにしてもらい令嬢らしい装いにしてもらいました。二人共仕事が早く綺麗にしてくれます。
「「はい、お嬢様お任せください。」」
彼女達に掛かればあっと言う間に綺麗になりますわ。ふふ、素敵にできているわ。
「お嬢様、できましたわ。」
リリーが満足そうに微笑んでます。顔は普通でも、素敵な装いをするのは楽しいわ。
「綺麗ですよ、お嬢様!」
ララの結ってくれた髪が可愛いわ。ノックの音で、カーディナル殿下達が来たことが分かります。案内先に珍しい物があると嬉しいですけど。少しは期待してもいいかしら?
「おはようございます。綺麗ですね似合ってます。」
カーディナル殿下、この頃良く気が付いて褒めてくれるのは女性に慣れてきたからですか?いい傾向ですね。
「おはようございます、カーディナル殿下褒めてくださってありがとうございます。」
言ってくれるのは嬉しいですけど、恥ずかしいですわ。
「砦を、案内してくださるの楽しみにしていましたわ。練習もしながら行きましようね。ね!」
カーディナル殿下の、もじもじした小動物のような姿は似合いませんわね。言いませんけど。
「え!その…あの…はい。」
仕方ありませんから私から手を繋いでみる事にしました。。
「カーディナル殿下行きましょう。」
私から手を繋いでみました。大丈夫に少しはなったかしら?
「うわ!わ、分かりました。こちらに行きましょう。」
まだ少し驚いてるわ、平気になるまでもう少し時間がかかるかしら?カーディナル殿下に砦の上の見晴らし台に連れて行ってもらいました。
「シリスティア嬢、ここから見る景色は綺麗ですよ。」
本当に見晴らしの良い所だわ。目の前の山から煙が出てるわ!もしかして火山?と言えば温泉!魔法具作って温泉掘りますわ!
「カーディナル殿下!あそこの山に煙がでてますわ。」
「あの山の近くに行くと熱いですよ。」
やっぱり!温泉を掘れますわ!お風呂!大きいお風呂を作りますわ。カーディナル殿下手伝ってくださいね。
「カーディナル殿下!温泉ですわ!温泉を掘りましょう!そしてお風呂を作って入りましょうね。」
温泉気持ちいいですよ。きっと気に入りますわ。
「え?えええええーっ!お、お、お風呂ーに入る!!」
え!どうしたんですか?真っ赤になって倒れてしまいましたわ。
「わー!殿下!殿下!大丈夫ですか!気をしっかり持ってください!」
騎士団長が走って来て、カーディナル殿下を揺さぶってますが気が付きませんわ。
「駄目ですよ団長!そんなに揺さぶっても目を覚ましませんよ!部屋に連れて行きましよう!」
護衛の騎士が言ってます。心配になりますわ、治癒でもかけてあげたいですわ。
「カーディナル殿下!どうかしたのですか?急に倒れてしまって治癒かけましょうか?」
声をかけましたが目が覚めそうにもありませんね。
「大丈夫です、シリスティア様。これは治癒でも治しようがないですから。」
騎士団長が言います。治癒でも治らないもの?そんな病がありますの?男の人ですからライ達に聞いてみましょう。
「リリー、ライ達を呼んで来てお願い。」
ライ達の方が詳しいのかも知れないわ。男の人ですもの。
「はい、お嬢様かしこまりました。」
リリーがライ達を連れて来ました。カーディナル殿下を見たライ達の声が聞こえます。またかよ殿下、不憫だなぁ。とか、何か衝撃の言葉を言われ勘違いでもしたんですか?など。フライは、殿下、骨くらい拾ってやるから頑張れ!と言ってますね。どう言う意味ですか?教えてください。
「お嬢様、呼んでまいりました。」
リリーが仕方ないですね。と溜息を付いています。どうしてですか?
「お嬢様、ご用ですか?」
ライ達なら分かると思いますわ。
「ライ達に聞きたい事があるの。カーディナル殿下に、治癒でも治らない病があると騎士団長が言っていたわ、どんな病か分かりますか?」
知りたいですわ。もしかしたら助けられるかもしれませんから。教えてくださいね。