フリードside3
前に知りたいと言われていたフリード殿下のその後を更新してみました。今日は一日用事でいないため感想返信ができません。ごめんなさい、後でさせて頂きます。
次回更新は9月28日朝です。
私の名前はフリード・ファンディール元皇太子だ。母上の起こした事件が素で皇太子の地位を剥奪された。今更母上を責められない!原因は私にあったのだから。私の事を思った行動だった。
しかし、相手が悪かったのだ、あの凶悪と呼ばれるライアン王国カーディナル殿下のパートナーをつとめていた、シリスティアを狙ったのだから彼が許すはずがない!下手をすれば戦争だ!父上が、こんな事をした母上をどうするかは目に見えるようだ!
「殿下、聞いております通りお母上の事は諦めてください。下手に庇いだてすると殿下も危うくなります。」
お祖父様は責任をとって内密で死罪に、母上の実家は分家筋に当たるクロウ伯爵が継ぐらしい。今度の事で母上も死を望まれるだろう。今までの事を顧みれば分かる事だ!王妃の仕事は第二妃であるライディア様に全て押し付けていたのだから。自分がしたい事だけをしていた母上に父上は冷たい目を何時も向けていた。
「分かっている。母上のしたことは、この国に危機に陥れた!」
助ける事は許されない、幾ら私が望んでも叶えられない。
「誰も知らない地下牢に、今幽閉されておりますがライアン王国には首謀者は処分すると、陛下が約束なさいました。」
母上出来の悪い息子ですいません!私には貴方を助ける事ができない!
「母上はいつ…裁きをうける?」
私も一緒でも構わない今からでも遅くないだろう。
「明朝にと聞いております。フリード殿下、辛いとは思いますが国を守るためです。耐えてください、貴方はこの国の王子の一人です。この国を守る事を定められた人ですから。」
元々母上は王妃になるはずではなかった。父上を騙し無理やり王妃の座に付いた、本当はライディア様が王妃だったと聞いている。誰もが言うだろう、これでこの国も正常な状態になると。
「フリード殿下、どうしました?」
お前は私を見限りらないのか?もう、皇太子ではない私には権力も派閥もない唯の王子になった。お付きの者たちも外された。側にいてくれると言ってくれたが、父上が許してはくれなかった。
「私の元にいても、何もしてやれないぞ。」
派閥のほとんどが、この間の私の不用意な発言でシリスティアに危害を与えようとし捕まった。カーディナル殿下の怒りが凄かったと聞いている。それの責任を取らされて沢山の人が処罰されたのだ。
「フリード殿下、そんな事など望んでおりません。唯、殿下をお救いしたいだけです。」
どうしてだろう?誰もが私を見捨てたのに。幾ら元母上の婚約者だったとしてもクレール伯爵の様な好人物なら何処でも歓迎してくれるはずだ。
「どうしてだ!誰もが見捨てる王子だぞ!本当は兄上の方が出来が良くて、何でもできて王に相応しいと昔から言われていた!」
そうだ!私も一緒に母上と死を願おう!
「私が貴方の母上をお救いできなかった。だからせめて貴方だけでも助けたいのです。だからそんな顔で死を願わないでください。」
クレール伯爵?何故貴方が悲しい顔をする!
「ありがとう、だが私も母上と罰を受けるべきだと思う。この国のために。」
楽になりたい。皇太子と呼ばれても実力がたらず居た堪れない気持ちが何時も心の隅で燻っていた。厄災を呼んだ王子などこの国には要らないだろう。元々父上にも愛されていなかった。
だから治癒の使えるシリスティアが自分の側にいてくれたら、皆も父上も皇太子である事を認めてくれるだろうと思っていた。その考えが破滅に繋がるとは思ってなかったな。だからもういい、楽にさせてくれ。
「殿下!死を選んではいけません!今まで頑張っていたことは私だけでなく皆も知っています。選んでしまえばそこで終わりです。何の為に努力したのですか?この国の為になればと、何時も貴方なりに考えて今まで来たはずです。」
私なりに努力はしたが出来ていない。それだけだ!
「だが間違えてしまった!取り返しがつかない母上もお祖父様も居なくなってしまう!」
そう、全て失くしてしまう。
「人は、間違える生き物です。失敗しない人などいない!完璧にみえても何処かに闇を抱えているのです!誰もが悩みを抱えて生きています。」
「もう遅い!…駄目なんだ…。」
「私も間違えました。あの時殿下の母上を止めていれば不幸にはならなかった。私は諦めてしまった。殿下の不幸の原因は私かもしれません。」
本当に母上を好きだったのか?伯爵はだから結婚もしなかったのか。
「伯爵の所為ではない、母上が選んだ結果だ。」
母上が伯爵を選んでいればこの人を父と呼べ私は幸せになれただろうな。
「それでもです。殿下の母上の事は秘密にしてあります。教えてくれたのは殿下の兄上ですよ。」
そうか!伯爵が知っているのはおかしいと思っていたが兄上が!
「兄上がどうして!信じられない!」
兄上私を嫌いではないのですか?皇太子の地位を今まで奪って来た私を。
「本当です。自分ではどうにもしてやれない頼む助けてやってくれないかと。」
今の兄上に近付く事は父上に許されてない。
「兄上が何故?そんな事を?」
そうだ!私がいなければ初めから皇太子だったはずだ!
「自分は今まで好きに生きる事ができ、好きな人とも一緒になれた。皇太子になっていたら得られなかった。殿下のお陰だと、色々言われているが社交の苦手なライディア様も、殿下の母上のお陰で楽に生きる事ができました。と伝えてください、と頼まれました。」
ライディア様は昔から優しい人だ。母上より優しい言葉をいつもくれた人だ。
「ライディア様までもそんな事を!」
「殿下!やってきた全てが駄目なのではありません!殿下の兄上もライディア様も分かってくれてます。生きるのを諦めないでください。!」
「私は生きていても構わないだろうか?」
まだ兄上や他の人達が少しでも信じてくれるなら生きていける。
「はい殿下、私は殿下のお側にいますよ。」
自分のしてきた事が無駄でなかった。これからも自分にできるこの国の為になる事をしていこう。兄上を助けながら。シリスティア、君をきっかけに多くのものを失った。しかし今の私は楽に息ができる気がする、君の事を本当に好きだったんだなと今なら言える。さようなら、責めて遠くから君の幸せを祈っているよ。
登場人物紹介
兄上、フリードの母親違いの兄弟
クレール伯爵、フリードの母親の元婚約者出来る人でお金持ち。