第五十話
次回更新は9月27日朝です。
唐揚げもワルワル鳥の肉も、カーディナル殿下に処分を頼み一段落ですね。頼りになる男の友達がいて助かります。静かに、今はお茶をリリーに入れてもらい飲んでいます。
「リリーに聞きたい事がありますの、あのポーズに意味があったのですか?」
あのポーズにどんな意味があるのかしら?威力があるとは思えないですわ。
「お嬢様、昔から男の人が好きなポーズが幾つか決まってます。あれは定番です。」
定番?そんな決まり事が!何を考えているのでしょう。男の人は分かりませんわね。
「え!定番?美女がするなら分かりますけど、私でも効果がありますの?」
美女なら分かりますが、普通の私でもする意味があるのかしら?
「そうですね、少なくともカーディナル殿下には有効です。」
「リリー、カーディナル殿下限定なの?」
リリーとララが、うんうんと顔を縦に振っています。本当みたいです。ララが小声で他の人が割り込むの無理よね。とリリーに話しかけてます。無理とは?
「お嬢様、今の所限定です。他の人にはしないでください、大変な事になりますので。」
リリーが答えてくれました。まあ、お願いを聞いてもらいましたから効くのね。どうして?と思いましたが……大変とは?
「……訳が分からないわ。」
意味が分からないのは一緒です。世の中知らない方が幸せな事がありますが、その一つでしょうか?
「お嬢様が、気にすることはないですよ。男の人の判断ですから。」
リリーが言ってくれるので気にしない様にします。
「そうね、美女ではないからあまり関係ないですね。」
限定なら気にしても仕方ないわ。他には効かないのなら問題ないわ。カーディナル殿下は優しい人ですもの。
「それよりお嬢様、今度カーディナル殿下に話しかけた時首を傾げてみてください。人差し指を顎に当ててですよ。」
それをすると得なことでもあるのかしら?リリーは偶に変な注文するのですわ。
「リリー何故?そんなことを?」
リリー?何か隠してますの?ララ笑ってないで答えてね。
「見てて楽しいからです。カーディナル殿下も喜んでます。」
そんな事で喜んでくれるなんて庶民より安上がりに出来てますの?
「そんな事を喜べるなんて不思議ですわ。」
男の人の不思議がまた増えましたわ。ライ達にも聞いてみないといけないわね。
「ララ、ライ達を呼んできて聞きたいことがありますわ。」
知っていて損はないわね。カーディナル殿下に迷惑をかけてはいけないから。
「はい、お嬢様かしこまりました。」
ララがライ達を呼んできてくれましたわ。普通の時は通信魔法具は使いませんから呼びに行ってもらってます。
「お嬢様、お呼びですか?」
ライ達が来てくれましたわ。私が知りたい答えを教えてくれると良いですけど。
「ええ、リリーがこんなポーズをするとカーディナル殿下が喜ぶと言うのだけど本当かしら?」
ポーズをしてから聞きますと、ライが呆れたと言う顔でリリーを見てますわ。
「はあ!リリー!お嬢様に何を教えてるんだ!カーディナル殿下が気の毒だぞ!」
何処が気の毒ですの?教えてライ!
「カーディナル殿下は、とても良い方なので少しは協力してもいいかとおもいますから。」
協力?何を手伝うのですかリリー?ララが、そうそうと頷いてますね。
「ライ、俺はリリーと同じで喜ぶと思うぞ。但しポーズより笑顔で話しかけた方がもっと良いと思うが。」
ガイはリリー達と同じ意見のようです。でも、ポーズより笑顔の方が喜ばれるとは?普通の笑う顔にそんな威力がありますかしら?
「俺もそう思うぜ。カーディナル殿下は、良い方過ぎて俺から見ても涙ぐましい努力をしていると感じるからな。」
涙ぐましい努力とは!やっぱり凶悪顔で苦労しているのですね。分かりましたわ!笑顔はただですもの、前世0円スマイルですね。私だけでも笑顔で接しますわ。カーディナル殿下大丈夫ですよ、私と沢山お話くらいしましょうね。