第四十二話
次回更新は9月17日朝です。仕事を片付ける為一日更新をお休みします。ごめんなさい。
昨日は変な人に会いましたわ。また来ます女神様と言い残し去って行きました。リリーとララは貢ぎ物を捧げられて要らないです!と二人が言ってましたが、遠慮しなくともと言いながら無理やり押し付けて去っていきました。あれほど困っているリリー達を見たことありませんわ。
「お嬢様!これどうしましょう!」
凄いわね。宝飾品にドレスこれなど最近でた新作ですわ。
「リリー、私要らないからあげるわ!」
ララは拒否してますね。まあ、当たり前ですけど侍女がこんな物持っていても使う所がないですから。トラブルの素にしかなりませんから大変です。
「ずるいわ!ララ!私だって要らないのに!」
リリーも同じ考えみたいだわね。値段の張る物ばかりですもの怖くなったのですね。
「二人共要らないなら、アリリス神の神殿にでも寄付したらいいわ。」
アリリス神の御使いだと思われているのだから大丈夫だと思うわ。
「そうします、お嬢様ありがとうございます。お陰でこれを処分できます。」
持っているのも嫌なのね。分かる気もするわ。
「あの人達何を考えているの、怖いわ!」
ララもそう思ってたみたいね。だけど唯の女神大好き人間だと思いますわ。
「でも、リリーとララを女神と思ってるわよ。」
でも、事実は変わらないからリリー、ララ、気を付けてね。
「お嬢様、あれほど否定したから大丈夫だと思いますが違うのですか?」
あれ位では信じていないわよ。優しく謙虚な御使いだと思っているだけですわ。
「大丈夫では無いわよ。女神とずっと思ってるのは変わらないと思うわよ。」
二人が攫われないように、魔法具をプレゼントしないといけないわね。
「え!そうなんですか?お嬢様!どうしたらいいでしょうか?」
最低限のルールを守るように言うしかないわ。
「どうにもできないわ。彼等の考えを変えるのは無理だと思うわ。最低限のルールを守るように言わないと駄目よ。」
止めるのは無理だから被害がこちらに来ないようにしないと駄目よ。
「そんな!私女神ではないのに…」
リリーが落ち込んでいるわ。それよりも気が付いたのだけどもっと厄介な話を聞いたわ。
「気になる事を言っていたわ、大勢の崇拝者がいると。」
リリーとララを女神と思った人がまだ居ると聞いたことね。
「お、お、大勢ですか!や、やめてください!」
リリーが泣いてます。こんな事聞いたら泣きたくもなるわね。
「あの様な人達がまだいるんですか!」
ララがびっくりして叫びました。よほど驚いたのですね。ララ口が空いたままですよ。
「多分、居ると思いますわ。」
二人で抱き合って震えています。まだ居ると断言できますわ。
「いやーっ助けてください!お嬢様!」
もちろん、助けるわ。私の侍女ですもの。
「私も怖いです!お嬢様!」
心配しないで貴女達の方が強いと思うわ。
「今の所女神の使命が、私を守る事だと思っているみたいだからこのままでいいと思いますわ。」
あんまり考え過ぎるとノイローゼになりますわ。
「大丈夫でしょうか?」
大丈夫な様にするわ。気にしないで。
「そうね、いざとなったら別の変装魔法具でもプレゼントするわ。安心してね。」
新しい魔法具でもあげますから心配ないですわ。
「「お嬢様!ありがとうございます!」」
リリーとララは忘れているようだけど、元々の原因は私ですものこれ位はさせてもらうわ。新たにノックの音が聞こえます。嫌な予感がしますが…何でしょう?
「誰か来たみたいだわ、ここには怪しい人は来れないはずなのだけど。」
魔法具で、部屋の奥に正面ドアのノックの音が聞こえるようになっている為、人が来たのは分かるようにしてあります。
「お嬢様、見てまいりますわ。」
リリーが見に行きました。数分も立たないうちに慌てて戻って来ました。
「お嬢様!昨日来訪された侯爵様の婚約者と言う方が来ております!どうしましょう!」
キンシーセン侯爵の婚約者?私に何の用かしら?
「身元が分かっているから通されたのね。私に用事かしら?応接室に通していいわ。」
いい意味での用ではない様な気がするわ。あの変な侯爵の婚約者ですものやっぱり変わった人では?会ってみれば分かるわね。
「初めまして、私はキンシーセン侯爵の婚約者でビビアン・クロームですわ。シリスティア様!今日は貴女に聞きたい事があってまいりましたの!」
燃えるような赤い巻き毛が魅力的な人ですわね。こんな美女が、私に聞きたい事なんてある訳がないと思いますけど。
「率直に聞きますわ!私の婚約者を奪ったのは誰ですの!隠しだてしても許しませんわ!」
顔が般若の様に怖いですわ!カーディナル殿下の凶悪顔の方が可愛く見えますわ。
「し、知りませんわ、キンシーセン侯爵とは一度しか会ったことありませんわ。」
こんな美女を婚約者にしながら何をしてますの?キンシーセン侯爵さま!
「そんなはずありません!彼が、新作のドレスと宝石をプレゼントすると持って行きましたわ!」
そんな話しを、婚約者にするなんてどれだけお馬鹿さんですの!
「それは間違いですわ。私は知りませんわ。」
目を釣り上げて激怒する方とこれ以上付き合いたくないですわ。キンシーセン侯爵を好きなのは分かりましたが、白を切らせてもらいます。厄介そうですから、ライに連絡してカーディナル殿下に来てもらうしかありませんね。カーディナル殿下!丸投げさせてくださいね。