表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/136

第四話

馬車に揺られながら次の町に着きました。初めてのプチ旅行です。

実家に雇われている、護衛三人と侍女二人で、ファンディー国まで送って貰ってます。


初めて宿に泊まります。

この世界での宿にわくわくしてます。


「お嬢様、宿が取れました。こちらにどうぞ」


「ありがとう。今いくわ」



素朴な部屋でした。昔見た挿絵そっくりです。

夕食を食堂で頂きます。

普段食べない物も出て楽しいです。

アリリス神に祈り捧げた後に食事をいただきます。


「「「「「「アリリス神の加護がありますように」」」」」」


前世と違い、ここでは「いただきます」ではなくて、アリリス神にお祈りします。


「ふふ、美味しいわ。沢山の人達の中で食べるのもいいわね」


「お嬢様、お気に召しましたか?」侍女のリリーが訪ねました。


「ええ、これからも皆と一緒に食べたいわ」


寂しい食事とはお別れよ。


「でも、よろしいのですか?」


貴族世界では、あまり良く無いと思いますが、私は今自由ですもの。


「誰も見てないし一人は美味しくないわ」


にっこり笑うと、侍女が私の願いを叶えてくれそうです。


「分かりました、お嬢様の望みのままにいたします」


「ありがとう!嬉しいわ!」


結婚して五年いつも一人の食事は寂しかったわ。

旦那様との食事は緊張して駄目だし、やっぱり大勢で食べると楽しい。

旅の間だけでも楽しくしたいわね。


食事も食べ終わり席を立った時、女の子の叫び声が聞こえた。


「誰か助けてください!お願いします!おかあさんが!」


十歳くらいの女の子が、泣きながら頼んできます。


「どうしたの?教えて」


何があったのか聞いてみました。


「おかあさんが倒れたの!熱があるの!呼んでも目を覚ましてくれない!」真っ赤な目をして頼んできました。


それは大変だわ!私が治してあげるわ。


「私が診てあげるわ、案内して」



私が習得した魔法陣を試せるわ!

チャンス!

今まで動物でしか使った事しか ないから使いたのよ!


「お嬢様いけません!病気をうつされたら困ります!」


いやいや、心配してくれるのは嬉しいですけど試したいのよ!

ごめんなさい!


「大丈夫よ、行ってくるわ」


我儘な私を許してね。いや、諦めてね!


「お嬢様!おやめください!」


主人想いなのね。後で小鳩便でよくして貰ったと、お父様に手紙を送るから大丈夫よ。

心配しないで。


「小さい子の声を、無視出来ないわごめんなさい」


そうそう実験!実験!試したいわ!

多分上手くいくわ!


「こっちにおかあさんいるの」


連れられて行くと、熱がでて汗をびっしょりかいた女の人が倒れていた。


「大丈夫ですよ、今治します。痛いの痛いの、病気なんて飛んでけ!」


私が作った特別製の魔法陣を展開させます。

光を放ちながら魔法陣が女の人の身体を通り抜けました。

何とか上手くいきました。

発動呪文は言いやすい前世の言葉を使いました。

上手くいきやすい。


「おかあさん〜!目覚ました!ありがとう〜お姉さん!」


うん、うん、成功したわ!

こっちこそありがとう!心の中で言わせてね。


「良かったわね。お母さんを大切に」


笑顔になった女の子に満足です。


「助けて貰いありがとうございます。でも、お金があまりないのですが

幾ら払ったらいいでしょうか?」困った顔をした、女の子のお母さんが言いました。


え?気にしなくていいのに実験だったから。


「要りませんわ、気にしないでください」


そうよ!成功して気分爽快なんだから。

気にしないでね!


「でも、治癒してもらうのは高いと聞いてますが…」


ふうん、そうなの?知らないから別にいいのに。


「いえ、勝手に治したのだから気にしなくていいですわ」


そう言って、部屋を後にしました。


「お嬢様!治癒術使えるんですか!!」帰り際に、侍女の大きな声が響きます。


ええーっそんなに驚くこと?簡単に出来たけど。


「少しなら出来るようになったわ」


前世の言葉を使うと、かなり他のものも成功するわね。

言えないけど。


「凄いぜ、お嬢様!大きな治癒術使えるのは神官ぐらいだと俺は聞いたぜ」


「そうだよ、僕達も大きな怪我をするとその土地にある神殿に行って治して貰うよ」


初めて知ったわ。あまり、この力は使わない方がよさそうね。


「そうなの、知らなかったわ」知らない風を装った。


護衛の人達の説明を聞いていたので、侍女の一人の呟きは聞こえていませんでした。



「大変!お嬢様が治癒術を使えるなんて、旦那様に報告しなければ!」


人助けをして気分のいい私は、心地良い眠りに誘われその日はぐっすり眠りました。


登場人物紹介

旅をしている親子

病気になったお母さん

10歳位の女の子

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ