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カーディナル殿下side1

次回更新は9月12日朝です。

叔母上に知り合いの女性を紹介するから来なさい。と言われ連れて来られた。どうせ怖れられ、青くなって倒れられるのが落ちだと思っていたが彼女は違った。

彼女に初めて会った時、女性には今までと同じように怖がられるのだと思っていた。真逆私の顔を見て、話してくれるとは思っていなかった。


「シリスティア・プリウラスです。よろしくお願いします。」


信じられない!私を見ても驚かないし、目をそらすこともない。思わず聞いてしまった。


「貴女は何ともないのか?私が怖くないのか?」


質問すると、不思議な顔をして首を傾げて何故?と言う顔をしている。


「それほど怖いと思いませんが、どうかしましたか?」


これは夢では無いのか!私と話をしても、顔を青くして倒れない女性は初めてだ!叔母上が驚いて質問している。


「貴女、カーディナルが怖くないの?何時も怖がられて女の人に振られるのに。」


叔母上、幾ら本当の事でも彼女に言わないでください!酷いですよ!


「普段のカーディナル殿下を知りませんから、どのへんが違うのか分かりませんわ。」


私の顔を見て話してくれる!無理やりではなく自然に!嬉しくて話題を考えた。そうだ!化粧水入れを作ったのが彼女だと思い出し、作って欲しいと頼み込んだが断られた。


「では、月に数個ほどお願いできませんか?」


話を辞めたくなくて化粧水入れを注文した。だが彼女の顔が面倒だと言っている。


「そうですね、叔母様の了承を得た方の分だけ作りますね。」


紹介が終わり、お茶会をしましょう。とライナ夫人言われ、彼女とお茶することができた。彼女の事情は聞いている。元旦那が浮気三昧で彼女は何時も一人だったと、挙句に隣国の王女に見初められ、離婚を迫られ別れたと聞いた。


だが関係ない、私と話しをしてくれるのが嬉しくてたまらない。叔母上が、私を生暖かい目で見ている!そうだろう!今までこんなに女性と、話が続いた事はない。


「シリスティア様、私の甥をよろしくお願いしますわ。お友達になってあげてください。」


叔母上ありがとう!何時も振り回されていましたが、今度だけは感謝します。


「私でよろしければ、お友達になりますわ。」


友達になってくれると言ってくれた!天にも昇る気待ちだ!信じられず聞いてしまった。


「本当ですか!私と話しをしても平気なのですね!」


焦っていた私は、彼女の顔に近付き過ぎてしまった。まじかに感じる吐息に驚いてカップを落としてしまった。残念な事に、彼女に変な男だと思われてしまった!泣きたい!


「シリスティア、カーディナル殿下を庭園散策でも連れて行ってあげなさい。」


不甲斐ない私に、ライナ夫人が助け舟をだしてくれた。ありがとうございます!


「はい、叔母様。カーディナル殿下、よろしかったら散策でもいたしませんか。」


嬉し過ぎて顔がますます強張ってしまった。上手く返事が出ず固まってしまった。


「い、行きます。案内してください!」


何故か身体が上手く動かない!両手両足を同じ方を出してしまった。緊張してるのか?この私が!彼女はこの顔を見ても本当に怖くないのか?


「シリスティア嬢、本当に怖くないですか?」


彼女の顔がしつこい男だと眉をよせている。だが、話しはしてくれる。


「別に怖いとは思いませんわ。」


誰もが凶悪顔だと言い、笑顔が怖いと言われているが、彼女の言葉に嬉しくなるのを止められなかった。自然に凶悪だと言われた笑顔になったが、彼女は驚く事なく私の話を聞いてくれた。


「お話くらいはお友達になったのだから聞きますわ。」


彼女は凄く優しい人だ、今は友達でもいい。側で彼女をずっと守りたい!こんな気持ちは初めてだ。私は弟の事を話していた。自分より弟は明るく皆に好かれる人だと、努力をしたが駄目だった事も自然に彼女に話していた。でも、彼女は言ってくれる。


「人は人、自分は自分ですわ。他の人にはなれませんわ、無理をすれば自分壊して駄目になってしまいますから。」


ああ、こんな風に言ってもらえる。私は私のままでも許されるのだろうか?


「私は私のままでもいいですか?シリスティア嬢は嫌いになりませんか?」


彼女の答えが知りたい!私を嫌いに貴女だけはならないでください。


「ええ、そのままでも嫌いではありませんわ。」


心臓が壊れそうなくらい嬉しい!もう、彼女に嫌われたら死んでしまいそうだ!辛かった思いを正直に彼女に話してしまった。家族の事や苦しかった事など、愚痴まで言ってしまったが真剣に聞いてくれる。優しい彼女に甘えてしまった。傷付いている彼女を今度は私が守ろう!これから先、傷付けないように不快な思いをさせないよう大事にする。彼女を傷付けようとするものは決して許さない!誰にも邪魔などさせはしない!


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