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ファンディー国王妃side

次回更新は9月10日朝です。

私は小さい頃から、お父様に将来は王妃になりなさいと言われてきたわ。でも、皇太子であった夫が選んだのは同じ侯爵家の娘であるライディアだったわ。私の方が相応しいのに、あんな女に騙されるなんて許せなかった。


「エルダー嬢、君の方が皇太子妃に相応しいのに、選ばないなんて馬鹿な奴だ。」


グルナー殿下の叔父上になるアクセス公爵が話しかけてきたの。


「アクセス公爵様、私の方が相応しいと思いますでしょう。」


そう、私の方が美しくお父様の力も強いのに愚かにも他の女を選んだわ。


「貴女が王妃になるのが相応しい。私が協力してあげましょう。」


私が王妃に成るのが相応しいのは本当だわ。正しい方向に戻すのも私の役目だと思うわ。


「本当ですか?私が王妃にしてくださいますの?」


王妃になるのが私の夢だった。それが当たり前のことよ。


「ええ、私の言う通りにすれば王妃になれますよ。」


アクセス公爵が叶えてくれるなら従うわ。


アクセス公爵の言う通りにグルナー殿下を誘い出したわ。あの女を出し抜いて王妃に、私に恥をかかせた責任をグルナー殿下にに取らせるわ。


「グルナー殿下、私が間違っていましたわ。王妃に相応しいライディア様に乾杯」


アクセス公爵からもらった薬を、グルナー殿下のグラスに入れましたわ。眠ったところをアクセス公爵の手の者に代々王妃に成る者だけが入る事ができるローズキングダムにグルナー殿下を連れて一夜を明かす事にしました。


「アクセス公爵、成功しましたわ。グルナー殿下は眠ってますわ。」


おーほっほっほー。もう、言い逃れなどさせませんわ。覚悟してください。グルナー殿下。


「エルダー嬢、最後の仕上げが残っています。私に身を任せなさい。証をここに残さなければならないのですよ。」


証?アクセス公爵が笑ながら言ってきます。


「証?それはなんですの?」


証が何か分かりませんが、必要なら用意するべきでしょう。


「私に任せなさい、王妃に成るのでしょう。何も考えず言う通りにすれば、お父様にも褒められますよ。」


それで王妃に成れるなら何でもしますわ。


「分かりましたわ、約束です。王妃に必ずしてくださいね。」


王妃にしてくださるなら文句など言いませんわ。ローズキングダムで、一夜を過ごした私は王妃になったわ。でもグルナー殿下は、直ぐライディアを第二妃にしてしまった。ライディアのお腹に子供ができていたからだったわ。


「悔しいわ!先に子を身ごもるのは王妃である私のはずよ許せない!」


私が先だったはずだわ!身の程知らずな女にまた恥をかかされたわ。部屋にある物に当たり散らし壊したが気が晴れない!


「王妃様お鎮まりください!例え先に生まれようとも第二妃の子供、王妃様が子を成せば皇太子になれるのは王妃様の子供でございます。」


それは分かっているわ。でも、言っておかなければ駄目のようね。


「ライディア様の所に、お祝いの言葉を言いに行くわ。」


分からせなければならないわ。私の方が上だと言う事を。


「ライディア様、おめでとうございます。男の子だそうですわね。いずれ、私の生む子の臣下に成れるようにしっかり育ててくださいね。」


そうよ、貴女は私より下の女なのよ、そうして私に頭を下げたまま居ればいいのよ!


「はい、分かっております。お祝いの言葉ありがとうございました。」


ふふふ、少しは分かったみたいね。貴女など私はどうでもできるのよ。


「貴女は、愚かでは無いようですわね。私を甘く見ないことね、貴女の身内が無事で居られるかは貴女次第だわ。」


怯えた目をしていたわ。これで何もできないわね。子供を生まなければライディアに負けてしまう。それだけは許せないわ、そうだわアクセス公爵に相談した方がいいわね。いい案をくれそうですわ。今度の夜会の時に相談すればいいわ。


「アクセス公爵様、私子供が欲しいですわ。あの女に負けたくはないですの。」


私が王妃であるために必要なのですわ。叶えてくださるわね。


「我儘な王妃様ですね、しかし願いを叶えてあげましょう。」


私は子供を身ごもる事ができ、皇太子になれる男の子を生んだわ。これまで順調に王妃として暮らして来たのに、どうして冷たい牢獄に閉じ込められいるの!私は王妃なのよ!


「出して!私は王妃なのよ!こんな所に入る理由などないわ!」


何もしていない私を、こんな所に入れるなんて酷いですわ!


「あ!陛下!ここから出してください!」


陛下は何故怒っているの?私は何もしていないのに。


「王妃、そなたはやってはいけないことをした。その罪を自身の命で償ってもらう!それがこの国の為だ!」


私に死ねと言うの?王妃の私に!


「陛下!私は何もしていないわ!知らない罪を償えと言うの!」


「ヴァンクルーズ侯爵夫人の姪で、ライアン王国カーディナル殿下のパートナーのシリスティア嬢を誘拐しようとしただろう!父親の子飼を使った事は分かってるぞ!」


フリードが欲しがっていると聞いたからよ!


「それがどうしたと言うの!フリードの為よ!欲しがっていたから与えたかっただけだわ!」


「何もわからぬか!ライアン王国に戦争を仕掛けたと同じ事だ!この国の為に命を捧げよ!それがそなたにできる最後の王妃としての仕事だ!」


分からないわ。唯、フリードの願いを叶えたかっただけなのに、酷い男だわ陛下は。こんな所で朽ちるなんてどうして!出して!陛下!フリード!助けて!



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