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暗殺者side

次回更新は9月7日朝です。

俺は、前の主人が亡くなり枷が無くなったので、自由に何処でも行けるようになった。前から言われてた、サイラス王弟殿下に雇われる事にした。


「よ!サイラス来たぞ!丁寧な言葉の喋りは無しだぞ。」


ある事件で仲良くなった相手だが、俺の勘が言うのだ信じられる相手だと。


「相変わらずだな。そんなとこから来るなんて、この間小鳩便受け取ったばかりだぞ。」


お前に雇ってもらうために来たんだ。


「はは、まともに玄関から来る気はないさ。それより昔の約束覚えているか?」


そう、いつかこの枷が外れたらお前に雇われるのも悪くない。って話をしたな。


「ああ、覚えているよ。」


優しく微笑みながら覚えていると言ってくれた。


「早速自由になったんで、先に俺だけ来たんだ。」


お前が、いつか俺にも自分より大切な人ができると言ったが実現した。嘘みたいだろ。


「俺だけ?お前に血縁者はいなかっただろ?」


驚いてるな、こんな俺にも大切な人ができた。


「サイラス、お前が昔言った言葉は本当だった。俺にも大切な者ができた。」


お前は亡くしているのに俺の事を喜んでくれるのだな。


「そうか、良かったな。幸せを見つけたんだな。」


優しく微笑んでいるが瞳の奥が寂しそうだ。亡くした恋人を思ってのか?


「そうだ、こんな暗殺者をしている俺を好きになってくれた人だ。」


暗殺者だと知りながら愛してくれる。


「知っているのか?仕事の事を!」


俺が殺そうとした相手だ。だが一目みた途端殺せなくなってしまった。だが逆らうと酷い痛みが体全体広がる。サイラスのお陰で助かった。


「俺が殺そうとした相手だよ。だが、お前にもらった身代わり人形が役にたった。」


本当だ!それがなければ彼女を殺していた。生きる事に絶望していたが、俺と生きてくれると約束してくれた。


「喜んでもらえて良かったよ。」


あんなに凄いものをくれる気前のいいお前に驚いたがな。空いた口が閉まらないほど。


「助かった。しかしお前も気前のいい奴だな、あれ金貨百枚もすると知り合いに聞いたぞ」


聞いた時は思わず、お茶を飲んでたカップを落として怒られたよ。


「不思議なものだが、あの時君にはそれが必要な気がしたんだ。」


絶対いるからもらってくれと押し付けられた物だが役に立った。


「ありがとう、約束を覚えているなら雇ってくれ。暗殺者しかできないが、お前なら正しく俺を使ってくれると信じてるからな。」


意味の無い殺しをさせないお前だから信じてる。


「そうか、来たそうそう仕事を頼んでもいいか?ある人物を事故死に見せかけ殺して欲しい。」


国の為だな、迷いのない瞳が語っている。お前が決めたなら従うよ。


「いいが、その前に身分証明書を作ってくれないか?それがないと、俺の家族がこの国に入ることができない」


娘と妻に渡して直ぐ仕事にかかるよ。


「分かった直ぐ作ろう。やり方は君に任せるから、好きに動いてくれ。表向きは君を新しい庭師として雇うよ。」


はは、庭師か面白そうだな。頑張るよ。


「証明書を渡したら仕事に入るよ。」


俺は急ぎ妻と娘の元に向かった。合流場所で、妻が病気で倒れた所を貴族らしい女性に助けられたと聞いた。名前を聞くとシリスティアと名乗っていた事、治癒術が使え治してもらったがお金を要らないと言われたらしい。

どうも、今度やる相手の元妻だ。依頼書に書いてある事情を読むと旦那の方はどうしようもない奴だよ。


「先に仕事に行くから後から来てくれ。待っている。」


仕事が終われば、しばらくは普通の暮らしができる。


「ええ、分かりました。体調を見ながらゆっくり行きます。」


理解が早い流石俺の妻だな。


「お父さん仕事が終わったら遊んでね。」


笑顔で娘が聞いてくる。これからは幸せに暮らせるだろう。さっさと片付けてしまうぞ。急いで戻り夜会の行われていた屋敷に潜りこんだ。ターゲットを見つけ薬を飲ませる事に成功した。


「もうお前は喋れないよ。昔の顔も無くしたお前の事を分かる者もいない、本当は殺しても良かったが間接的な命の恩人だから殺さないでいてやる。」


まあ、死んだ方がましだと思うがな。


「ほら、騒いでるだろ、屋敷の中にそっくりな遺体をベランダから落として置いてきたから、喜べ誰も分からないぞ。」


世の中には便利な魔法具があるもんだ。闇市の物だから副作用がある失敗作だが逆に丁度いい。


「本物を模写したものはそのままの姿だが、された方は人でも物でも醜くなる。ほら、見ろ、醜い顔が見えるぞ。」


自分の顔を見て泣いているのか?仕方ない諦めろ二度とこの場所には戻れない。鉱山行きだ。


「恨むなら自分の行ないを恨むといい。これから死ぬまで鉱山で働いてもらう犯罪奴隷として。」


助ける者はいないぞ。死んで、居なくなった者を探す人はいない。国を危険に晒した罪を死ぬまで払うといい。これでサイラスもほっとするだろう。





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