両親side
今日、私達の娘がこの国を出て旅だった。私の妹で伯母のライナの所に
行ったのだ。
こんなはずではなかった。幸せになって欲しかったのだ。
娘は親友であるカインの息子に嫁いだ。
結婚すれば落ち着くと思った
両親が選んだ私の娘を妻にしたのだ。
しかし、女関係も一向に収まらなかった。
今度は、帝国の王女をその気にさせ娘と離縁したのだ。
娘は、優しい子でそれならと
遺恨が残らぬように、兄に第二王女を妻に欲しいと願った。
自分は、この国に二度と帰らない約束を陛下と交わした。
兄が、第二王女を愛してる事を知ってる娘が、陛下にお願いしたようだ。
母親である妻は知らない。娘が 、もう死ぬまでこの国に戻って来ないと。
娘に言われたのだ。
内緒だと、陛下との約束ですと。
どうにも出来ない。
「会えますよね、あの子に。」
涙を流す妻にやるせなくなる。いつか会いに行こう。
「会いにいつか連れて行こう。」
妻を抱き寄せて、娘の馬車が見えなくなるまで見送った。
今、私の娘が旅立って行く。
こんな事になるならもっと普通の娘の好きにさせれば良かったわ。
穏やかな、娘に似合う男の人の所に嫁がせれば離れ離れになる事はなかったのに。
娘はあまり乗り気ではなかったのだから。
ただ、私達が薦める話なので断わらなかった。
あんな男だと!私たちは知っていたのに!
女性関係が派手で、娘と結婚しても変わらなかった。
私の願いは叶わなかった。幸せになって欲しかったのに。
私にはもう祈る事しか出来ない。
あの子が、新しい幸せを見つけてくれることを。
なにもしてあげられない母親でごめんなさい。