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ファンディー国陛下と宰相閣下side

次回更新は9月3日朝です。

我が国の王妃が馬鹿な事をしでかした。前から空気を読まない女だとは思っていたが、これ程とは知らなかった。下手をすれば戦争になりうる事案だ。


「陛下、王妃様はどうなさいますか?」


陛下はどうなさるおつもりだろう?真逆、王妃をかばいますか?


「あのろくでもない王妃など処分するしかないぞ!私は一度も手を出していないし、愛してもいない!病死で処理するしかないだろう。下手に生かして置くと大変な事になりかねないぞ!」


とんでもない事をしでかす女だ!油断などできないだろう。


「しかしフリード皇太子が気が付くのではと思いますが。」


どうすることもできないでしょうな。本人は知らないだろうが、フリード殿下は陛下の子でなく、先王の弟で陛下の叔父上ですからな。しかも陛下の叔父上は不義をした妃の子で、本当は先王の従兄弟にあたる血筋だが、スキャンダルな話の為王家の秘密とされている。


「仕方が無い!この国を守るためだ!」


そう、諦めてもらおう。私の祖父の時と同じ事をした自分の母親を恨むがいい!


「侯爵はどうなさいますか?王妃様が使われた暗部は侯爵の飼っていた者たちですが、捕まえたもの達は全て処分しました。侯爵も殺すしかないですな。」


陛下これが一番いい案でしょう。


「一枚噛んでいる可能性があるのだ!侯爵を殺して首をすげ変えろ!表向きは病死だ!」


これ以上国を疲弊させる訳にはいかない。王妃の浪費癖にもうんざりだ。


「では、あの一族のなかで野心のないクロウ様に継いでもらいましょう。」


表向き潰してしまうとうるさいが、比較的温厚な人に継がせれば問題ないはずですな。


「全く、頭の痛い話だ!フリードが見初めた娘が、ライアン王国カーディナル殿下のパートナとして、舞踏会に出席したと知った王妃が、誘拐を企むとは前代未聞の話だ!」


昔から厄介ごとを連れてくる女だったが、こんな酷い痛手を受ける羽目になるとは最悪だ!


「私も聞いた事がありませんね。もう少し考える事ができる人なら良かったのですが。」


変な事だけに頭が回りましたな、あの娘。


「フリードも皇太子から下りてもらう!こんな事を仕出かす人間の血を、王族直系にしたくはない!」


もう少し使える男なら良かったが、どうも父親に似た出来の悪い子だったな。こんな事がなければ皇太子のままいられたんだがな。


「陛下ではどなたを後継に選ばれますか?」


私の予想ではジロンアース殿下ですかな。


「第二妃の生んだジロンアースを皇太子にする。」


私の血を引いた由緒正しき直系男子だ。性格も頭もいいできた息子だ。


「そうですね。元々横槍がなければ彼が皇太子でしたから収まる所におさまっただけですな。」


陛下の仕事を一手に引き受けそれを短時間で処理できる才能を、今度こそ生かす事ができますな。


「第二妃を王妃にするぞ!初めから私は彼女を王妃にしたかったのだが、侯爵の策略にやられてしたくもない婚姻をさせられた。」


叔父上もグルではめられた。油断していた、あの祖父を陥れたあの妃の子だったのに、薬を盛られたのだ。


「あの時は腹が立ちましたな。しかも、皇太子は陛下のお子ではありませんから。」


陛下の血を継いでない者などが、王にならずほっとしました。


「ああ、後で分かった事だが叔父上の子だとな。だが、時が立ちすぎていた。私の子でなくともこの国のために良い政策をしてくれればと思っていたが、才能がないのはどうにもできない。」


あれには荷が重すぎたようだな。母親が甘やかしたのも良くなかった。


「しかし、陛下といい先王陛下もあの侯爵家には何度も酷い目に合わされますな。」


先先代の王陛下の時は真実が暴かれたため王位は陛下の父上が継ぐ事が出来たが、フリード殿下の時は証拠を直ぐ見つけられずにいた。


「ああ、私が同じ目にあうとは悔しいものだったな。だが、これで終わりだと思うとほっとするぞ。」


そう、やっと正常に戻せるな。痛手も受けたが仕方が無い。後はこの国を良くしていくだけだ。


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