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ライアン王国騎士団長とカーディナル殿下付き騎士達side

次回更新は31日朝です。

今日カーディナル殿下が恋をなさった。殿下の叔母上のお友達の姪らしい。今日まで、26年間お妃候補が、誰一人名乗りをあげないまま過ごしてこられた。

騎士団長をしている私は、殿下の優しい性格も真面目なところも厳しいところも知っている。

近くで見ていても、あの殿下が緊張しているのがわかる。化粧瓶は素晴らしい物だが、それを切っ掛けに話しをしようと、あれでも努力しているらしい。

殿下を見ていると微笑ましい気分になるのは、今まで殿下に対して対等に話しをしてくれる女性に、巡り会えなかった所為もあるだろう。


「おい、殿下の顔が凶悪さをましたぞ!」


微笑む度に凶悪さが増す、殿下が不憫でならない。


「あれが笑顔だと気付く人は今までいなかったぞ!シリスティア様は分かってるみたいだ!」


奇跡だ!今まで直ぐに分かってくれた人などいなかったのに、長年殿下付きの騎士は分かるとしても本当に奇跡としか思えない。


「本当だ!哀れみの視線をもらっている!」


気の毒だと思う顔をしていたぞ!そして平気で話せるとは凄い!


「いや、今まで普通に会話が成立したことがないが、シリスティア様は平気みたいだぞ!」


殿下に話しかけられた令嬢で、顔面蒼白にして倒れなかったのは初めてだぞ!


「あの方は女神か!普通に会話が成り立っているぞ!奇跡だ!」


シリスティア様は女神だ!我が国に遣わされた女神に違いない!


「あの、凶悪な顔を見ても平気で会話してるぞ!女神だー!」


女神だ!ライアン王国に春がやって来るぞ!


「国王陛下御夫妻もお喜びになるぞ!万歳!国中の貴族令嬢が涙を流して喜ぶぞ!」


そうだ!幾ら将来王妃になれても、嫌よ!と言う令嬢ばかりだったからな。


「ライアン王国に希望が生まれた!女神降臨だー!」


お妃様誕生だ!国を上げてのお祭りだ!反対する人など一人もいないはずですよ!いたらきっと殺されますね。わー!殿下変な事言わないでくださいよー!


「公爵夫人リリアン様の援護が入った!」


公爵夫人リリアン様ナイスフォロー!絶妙なタイミングです!


「おお!殿下と友達からがはいった!流石公爵夫人リリアン様!殿下の気持ち気付いたー!」


援護ありがとうございます。助かりました!希望が繋がれたー!


「頑張れ殿下!負けるな殿下!彼女の他には、会話をしてくれる女性が現れるか分かりませんよー!」


そうですよ!お嫁さんですよ!殿下近い!近い!気付いてますか?


「殿下、自分の顔が怖がられている事分かってたんだな。シリスティア様に質問してるよ。」


殿下、自分と平気で話してくれるのが信じられないんだな。うんうん。


「勢い余ってシリスティア様に近付き過ぎて、吃驚した殿下がカップを落としたぞ!」


近付き過ぎにやっと気付いたみたいですね。真っ赤になってますよ。珍しい!美女を前にしても動じなかった殿下がー!大人に!いや、初恋ですか?


「何故かシリスティア様に変な人認定されているようだぞ!やばい!」


殿下ー!嫌われないでくださいよ!僕達の希望を消さないでください!


「彼女の叔母上侯爵夫人ライナ様が援護にはいってくれたぞ!感謝だ!」


侯爵夫人ライナ様は殿下を認めてくれてるみたいだぞ!チャンスだ!頑張れ殿下!


「庭園に行くそうだ!遠くから警護するぞ!」


「「「「「はい!団長!分かりました!」」」」」


今度こそヘマはしないでくださいよ!殿下!


「わー殿下が固まってるぞ!殿下ー!頑張ってください!」


わー!殿下!固まってる場合じゃありませんよ!正気に戻ってください!


「やばい!シリスティア様にしつこい男と思われてるぞ!」


殿下!別の話題を振ってくださいよ!嫌われますよ!


「良かったー!何とか友達認定してもらえたぞー!」


お友達なら宣言だー!良かったですね!殿下ー!どうしてですかー!話題が間違ってますよ!


「愚痴を話してどうするんですかー!殿下!間違ってますよ!」


弟殿下の事など話さず別の話題にしてください!今度は家族の愚痴ですか、辞めてくださいよー!


「愚痴を聞いても嫌な素振りもみせず、真剣に聞いてくれるなんて素晴らしい!国に報告だ!お妃さまになれる人が見つかったぞー!」


殿下が結婚しないため、結婚できない騎士達にも希望の光が見えたぞ!


「これで俺たちも嫁が貰える!いやっほー!」



小さい頃から殿下を見ているが、こんな奇跡があるとは嬉しい限りだ!お付きの騎士達も、殿下達を見ながら小声で応援している。

この間の襲撃でこの国の陛下に後押しの確約書を玉璽印入を貰って殿下が喜んでいた。顔は近付けないくらい怖くなっていたが、あれでも喜んでいる顔らしい。

殿下は知らないが、今度の舞踏会の我が国の目的はお妃候補を探すためだったのだが、思わぬ襲撃が役に立った。昔の言い伝え、棚からぼた餅だな!

我が国には、昔から王族に凶悪顔の子供が生まれたら、必ず世継ぎにする事が決められている。

お妃候補が見つかり、これで陛下と王妃様も一安心だろう!後は全力でシリスティア様をお妃に!貴族共も泣いて喜ぶだろう、自分の娘を守る事ができるのだから全面協力するはずだ。

シリスティア様をお妃にするためなら、どんな条件でも我が国は呑む事ができるだろう。



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