第三話
今日、ファンディー国に出発します。両親達が見送りに来てくれました。
「お義父様、お義母様、お世話になりました。ラウネス公爵のお世継の誕生を祈っております。」
旦那様の事を除けば、この2人には良くしてもらいました。
義理でも素晴らしい人達だったと思います。
「すまない、私達の力ではどうする事も出来なかった。」
苦しそうな、すまなそうな顔をされてます。
この二人には悪いことしたわ。私と旦那様は、偽物夫婦だったんですもの。
「いいえ、お義父様は子供の出来ない私に、優しくして頂きました」
「アルバートには呆れている」
旦那様の素行がばれていたのかしら?
それでも、どうする事も出来なかった?
そうですね、もう成人した男の人に矯正など効かないわね。
「貴女一人を、辛い目に合わせてごめんなさい。アルバートは見送りに来れないの」
気にしないでくださいお義母様。
来てもらってもしらけるから、来なくて良かったくらいですわ。
「お父様、お母様、お元気で、お兄様には幸せになってください、と伝えてお願い」
お兄様に、第二王女様を嫁がせる事が出来て良かった。
2人なら、幸せな家庭を作れるわね。
「伝えておくわ。いつでも帰って来ていいのよ」
ごめんなさい。お母様、帰る積りは微塵もないわ。
「ライナが待っていると、小鳩便が届いたよ。安心して行ってきなさい」
お父様、お母様をお願いします。
陛下との約束で二度と帰りません。
「行ってきます」
ファンディー国に出発です。
これから、好きなように生きる事を許されました。
私は幸せになります。
お父様が付けてくれた侍女二人と、護衛兵三人でファンディー国に送ってくれるそうです。
登場人物紹介
アルバートの両親
カイン・ラウネス公爵
ラナ・ラウネス公爵夫人
主人公の両親
ダルトン・プリウラス侯爵
ミーア・プリウラス侯爵夫人