表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/136

第二十五話

次回更新は20日です。

今、叔母様のお友達のガストン公爵夫人と甥でありライアン王国のカーディナル皇太子殿下と、何故かお茶会をしています。どうしてこうなったのか分かりません。始終微笑を浮かべ何故か殿下を生暖かい目で見ているリリアン公爵夫人、叔母様は私を笑って見てるし、殿下には何故かこちらを向いたまま睨みつけられているのだから訳が分かりませんわ。


「シリスティア様、私の甥をよろしくお願いしますわ。お友達になってあげてください。」


友達ですか?目つきが鋭いし威圧感があるからお友達がいないのかしら?


「私でよろしければ、お友達ならなりますわ。」


友達くらいなら大丈夫ですわ、お付き合いは遠慮したいですけど。


「本当ですか!私と話しをしても平気なのですね!」


テーブルから身を乗り出して、顔を近付けて言わなくても聞こえますわ。老人ではないので耳は遠くありませんわ。


「そんなに近付かなくても声は聞こえますわ。」


え?何をそんなに慌ててますの?あ!カップを落としたわ、益々変な人ですわ。


「シリスティア、カーディナル殿下を庭園散策でも連れて行ってあげなさい。」


「はい、叔母様。カーディナル殿下、よろしかったら散策でもいたしませんか?」


あれ、眉間に皺ができましたわ、取れなくなりますわよ考え込んでるみたいですから。あ、動きましたわ。


「い、行きます!案内してください。」


ん?ロボットみたいな動き方ですわ。あ!元に戻りました。なんだったのかしら?よく分からない人ですね。


「シリスティア嬢、本当に私が怖くないですか?」


別に怖くないですが私だからいいですけど、しつこい男は嫌われますわ。


「別に怖いとは思いませんわ。」


言った途端笑顔になりましたわ。幾ら威圧感があろうと皇太子殿下なのだから地位も高く将来有望なのに、どれだけ嫌われていたのかしら?


「私は仕事以外で、こんなに長く女性と話しなどした事がないのです。」


え?本当に?どれだけ嫌われてたのカーディナル殿下!睨んだだけで逃げて行くなんて、不憫なのもここまでくれば天晴れとしか言いようがないですわね。


「お話しくらいなら、お友達になったのですから聞きますわ。」


可哀相ですから、話くらいは聞いてあげても構いませんわ。


「では、聞いてください!私には弟がいるのですが、私と正反対で明るく皆に好かれています。私も努力はしたのですが、上手くできずに悩んでいるのです。」


それはプレッシャーがかかりますわね。弟は気楽に過ごせる分楽でしょうから。


「人は人、自分は自分ですわ。他の人にはなれませんわ、無理をすれば自分を壊して駄目になってしまいますから。」


そう、他の誰かになんてなれません。心を壊すだけですわ、自分以外にはなれませんから。


「私は私のままでいいですか?シリスティア嬢は嫌いになりませんか?」


お友達になったのだから嫌いではないですね。


「ええ、そのままでも嫌いではありませんわ。」


睨み付けたまま泣きそうな顔をされると凶悪な顔になりますわ。元はいいはずなのにそこまで酷くなるなんて気の毒ですわ。それからしばらく愚痴と、何故か家族に言えない内緒話しされました。沢山話し楽になったのか満足して帰ってくれたみたいですわ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ