第二十四話
19日更新となります。しばらく一日一話になりそうです。
叔母様のために、可愛くて綺麗な化粧水を入れる瓶を作っています。花をモチーフしたものを中心に作りました。まず、前世薔薇によく似たロージィーの花の瓶を作ります。魔力を流しイメージを固め丁度花が開いた形の物にします。最後に真ん中に瓶で作ったせんを作りふたをして出来上がりです。次は水仙に似た花の形の瓶で花の部分をふたにしたものなど色々な形を作りました。お遊びで叔母様の横顔の瓶を作ってみました。
「お嬢様!凄いです!こんなに素敵に作れるなんて!」
ララが興奮しています。いや、そんなに鼻息を荒くして誉めてくれるのは嬉しいですが少し引いてしまいまいましたわ。楽しく瓶を作っていると、侍女長キリが勢い良く飛び込んできました。普段からは考えられない行動です。何があったのかしら?
「お嬢様!大変です!直ぐサロンの方においでください!」
物凄く焦っているみたいでしたわ。急いで行かないと行けませんわね。
「分かりましたわ。今行きます。」
何があったが分かりませんが、平常心を失わないようにしないといけませんわ。
「叔母様、今まいりましたわ。何か御用ですか?」
叔母様の横に綺麗な女性がいます。その隣に、近寄り難いような鋭い表情をした青年がいましたわ。誰なのかしら?
「シリスティア、ライアン王国のガストン公爵夫人のリリアン様よ、私のお友達なの。隣にいるのが甥になるカーディナル・ライアン皇太子殿下なのよ。」
どうりで驚いて侍女長キリがくるはずですわ。ライアン王国の皇太子様が何の用事でおいでになったのかしら?国元で騒動が起きてないといいわね。
「リリアン・ガストンですわ、よろしくお願いしますね。」
綺麗な方ですわね。蒼く長い髪緑の瞳が素敵な方ですわね。
「カーディナル・ライアンです。私の叔母上がヴァンクルーズ夫人仲良くさせて貰っています。」
イケメンな方ですが目付きと醸し出すオーラが尋常ないほど怖いので、損する人かもしれませんね。黒髪と茶色の瞳なので前世日本人の私は見慣れているので平気みたいですわ。でも、簡単に他国に来て良いの?この間のリイン王子のように誰かが連れ戻しに来るのかしら?
「シリスティア・プリウラスです。よろしくお願いしますわ。」
どうしたのかしら?自己紹介しただけなのに何故驚いているのかしら?変ね。
「貴女は何ともないのか?私が怖くないのか?」
何故そんな事聞くのかしら。怖そうな感じはあるけど、それほど怖いとは思はないですけど。
「それほど怖いとは思いませんが、どうかしましたか?」
眉間に皺が寄り考え込んでしまいましたわ。変な人ですね。
「貴女カーディナルが怖くないの?何時も怖がられて女の人に振られるのに。」
リリアン様が驚いて聞いてきます。普段どんなに怖がれているのですか?不思議ですわ。
「普段のカーディナル殿下を知りませんから、どのへんが違うのか分かりませんわ。」
比べようがないですわね。どの方を基準にすればいいのかしら?
「そう言えば、この間叔母上が頂いたガラスの化粧水入れを作っているのが、貴女だと聞きました。我が国に輸出しませんか?」
え?趣味ですから大量生産なんてしませんよ。面倒は嫌ですから。
「ごめんなさい。そんなに作りませんわ。」
作れない事はないですが、趣味の範囲での作れる量だけしか作りませんわ。
「では、月に数個ほどお願いできませんか?」
粘りますわね、自分の趣味以外は辞退したいのですが。
「そうですね、叔母様の了解を得た方の分だけお作りしますわ。」
とある縁から化粧水瓶を作る事になりました。こんな所までお願いに他国の世継ぎの王子が来るなんて、暇なのかしら?この間のリイン王子といい、私があった王族の人達は変な人が多いわ。どうしてなのかしら?化粧水の瓶をあげるのは、叔母様の選んだ人達だけにすれば間違いないですわね。