第十八話
今日から新しい生活の始まりですわ。お父様の所に戻ると思っていた侍女も護衛もそのまま居てくれるので嬉しいですわ。お父様に頼まれてずっと側に居てくれるそうです。
「お嬢様、お召し替えは、どれになさいますか?」
「リリーにまかせるわお願いね。」
私よりリリーの方がセンスいいから助かるわ。
「はい、かしこまりました。」
先ほどリリーが叔母様から私に、お茶会に出席するので一緒に、と言っていただきました。気分を変えるために行こうと思います。リリーとララが一緒に綺麗にしてくれましたわ。
「お嬢様、出来ましたわ。」
「ありがとう、リリー、ララ、私でも素敵にできてると思えますわ。」
執事のハイルが呼びに来たみたいです。ノックの音が聞こえます。
「シリスティア様、ご準備できましたでしょうか?奥様がお呼びになってます。」
「ええ、今行くわ。」
隣の領地にお茶会に行くそうですわ。庭園のリールアールが満開で綺麗だそうです。叔母様と侍女長キリとリリーとララも一緒に馬車に乗って出発です。楽しみですわ。
「シリスティア、今リールアールがファイン伯爵家の庭園に咲き誇っているそうよ。」
「まあ、楽しみですわ。」
「ファイン伯爵夫人の、自慢の庭園でのお茶会には色んな人が来るから、お友達を作るといいわ」
え?それってお茶会ではなく、ガーデンパーティーですか?
「え!そんな大勢の人がいますの?私、知りませんでしたわ。」
叔母様が人の悪い笑みを浮かべいいます。騙したのですか?
「大丈夫よ、私の姪に悪さをする人などいないわ。」
そうですね叔母様には敵わないと思います。
「緊張してきましたわ。」
伯爵家に到着して馬車からおりて、屋敷の者に案内されています。リリー達は別の場所で待機しています。大勢の人達が庭園に集まりリールアールを眺めながら、話しをしたり簡単なゲームをしていますわ。
「シリスティア、ファイン伯爵夫人のところに挨拶にまいりましょう。」
「はい、叔母様。」
ファイン伯爵夫人の姿を見つけた、叔母様と一緒に挨拶に向かいました。金髪巻き巻きロールに蒼い瞳の美人です。隣に背の高いよく似た感じのイケメンがいましたわ。
「ファイン伯爵夫人、招待状ありがとうございます。今日は私の姪も連れて来ましたの。」
「ヴァンクルーズ侯爵夫人、来てくださって嬉しいですわ。」
「シリスティア、こちらはファイン伯爵夫人ですわ。」
「初めてまして、シリスティア・プリウラスです。よろしくお願いします。」
「まあ、素敵なお嬢様ですこと。今日は楽しんでらしてね。」
「ファイン伯爵夫人、お心遣いありがとうございます。」
叔母様達と私が話しをしていると、ファイン伯爵夫人に似た背の高い男の人が話しかけてきました。
「母上、私に彼女に紹介してください。」
いや、紹介しなくても構わないのですが。
「仕方ありませんわね。この子は私の二番目の息子ですわ。」
二番目?しかし、背が二メートルくらいありそうで、話すと首が痛くなりそうですわ。
「リードルク・ファインです。よろしかったら、二人でお茶でも飲みませんか。」
嫌ですわ!軽い方はきらいです。叔母様助けてください!
「シリスティア・プリウラスですわ。今日は叔母様のお供で来ましたのよ。」
お花見は楽しいけど、男の方は要りませんわ。
「私の事は気にしなくていいのよ、シリスティア行って来るといいわ。」
叔母様!行きたくないのに、分かってくれませんの?
「叔母様!」
「ヴァンクルーズ侯爵夫人、シリスティア嬢をおかりしますね。」
笑顔で叔母様に私を連れて行く了承をとっている。何故かリードルク様と二人で、お茶をすることになりましたわ。突然な出来事に溜息が出ましたわ。