第十五話
テラスには、私の侍女を今までしてくれていた二人がいました。お茶の準備を、この屋敷の侍女と用意しているみたいでした。
二人は、お父様の所に戻らなくていいの?私は嬉しいですけど。
「シリスティア、ここで貴女の侍女をするようにお兄様に頼まれたそうよ」
お父様ありがとう。良かった、旅の間に二人の事好きになってたから
「奥様よろしいでしょうか?」
「ええ、何か問題ごとでも起きたのかしら」
「お客様が、おいでになってます。奥様にお会いしたいと言われましたが…どういたしましょうか?」
「ライナ様、もしかしたら甥かもしれません。こちらに、呼んでもらえないでしょうか」
「そうね、そうしてちょうだい」
「はい、奥様かしこまりました」
「ご迷惑をおかけします。ライナ様」
暫らくすると、数人の人達を連れた執事が戻ってきました。彼等を見た時、途中で助けた人達だと分かりましたわ。
キース殿下が、立ち上がったと思ったら、彼等の頭に拳骨を落としてました。いたそうですわ。
「お前達は何を考えているんだ!!陛下に、断りも入れずに他国に行くなど勝手は許されてないぞ!!」
凄い剣幕で怒っています。怒られたほうも項垂れてますが、反省してるのでしょうか?
「しかし叔父上、母上に頼まれたのです」
あ、反省してませんね。言い訳していますわ。
「馬鹿なのかお前は!他国でもライナ様の化粧水は有名だ!誰もが予約を取り順番を待っている。それを守らず屋敷に押しかけるなど、グランド王国を潰す積りか!!」
彼等の、顔色が悪くなっていきましたわ。やっと、自分達が不味い事をしたと自覚したみたいですわ。
「ええええーっそんなつもりはありません!」
今更、そんな事を言ってもキース殿下は聞くつもりはなさそうですね。
「リイン、第二妃は離婚を陛下に言い渡された。実家である侯爵家も議会に出席を許されなくなったよ」
「父上が母上と離婚!嘘です!化粧水を購入しようとしただけで!」
「本当だ!他国にも人気のあるライナ様の屋敷に押しかけた事が、他国に知れたらどんな被害をグランド王国がこうむるか、それが分からないのか!!」
「リイン、お前も侯爵家あずかりだ。母親と一緒にいくがいい」
「う、うっ、そんな……」
キース殿下の、身内の方がこちらを見ましたわ。私を見て驚いてるようですわ。
「ああーっ!あの時の薄情な女!」
「リイン様、そんな事を言っては駄目ですよ!」
「そうです!馬車に乗せてもらったのですから!」
キース殿下がそれを聞いて、また何をしたんだお前達!と呟いてますわ。なぜか?話しが大きくなっています。
巻き込まれたくないですわ。