第一話
H28年3月22日現在1話〜改稿中。
ある時、転んで頭打ったら知らない記憶がどんどん湧いてきましたわ。
一時パニックになりましたが、今は平気になりました。
前の私は、異世界に憧れる少女だったようです。
現実を体験した今は、昔が良かったのですが。
ネットも、コンビニもない。
不便な生活なんて!
嫌だ〜!と思いつつ暮らしは変わらないからですわ。
まあ、この世界には魔法がありますから、自分で改善して行くしかないですね。
でも一番驚いたのは、私が結婚してた事実です。
いやもうびっくり!
イケメンの旦那様が居ました。
頭を打った後ベットで寝込んだ時に、来てくれましたがそっけない物でした。
「寝込んだと聞いたが大丈夫そうだな、仕事に戻る」
「お見舞い、わざわざありがとうございます」
本当に、愛も、情もなさそうです。
政略結婚だったらしく、旦那様は私に無関心です。
両親の手前、見舞いはしないと変に思われると来てくださったみたいですね。
愛人もいらっしゃるようなので、夜の生活もないようです。
私としても、楽でいいかなと思ってます。
それよりも魔法です!
私にも少しは使えるようなので練習します。
前世からの夢の魔法使いです。
錬金術にも興味がありますから、することがいっぱいで嬉しいですわ。
「奥様、この本は何処に持って行きますか」
「それは、部屋の方にお願いね」
「奥様、お茶をどうぞ」
「ふふ、ありがとう。今日はダイカンのお茶ね」
毎日、自分の好きな事が出来るなんて、この生活も悪くわないわね。
奥様と言う名のニート生活ですわ。
さあ、魔法の練習よ、練習!
えい!!
まだ掛け声なしではうまく描けないので魔法陣を描く練習です。
魔法は、面白いし綺麗なんです。
魔法陣に自分の思った文字を、脳内器官で書き込みます。
魔法陣に、魔力を流してイメージを上手く書き込むのです。
ゲームのイメージで書き込むと、上手く綺麗な魔法陣が出来ますから楽しいですわ。
記憶を取り戻して四年、だいぶ魔法陣も上手く描けるようになったわ。ふふ。
「奥様、今日は旦那様がこちらに訪れると、小鳩便を送ってこられました」
何の用なのかしら?
魔法具は、隠した方がいいわね。
「そうなの?夜はこちらに泊まられるのかしら?」
今付き合っている方は、嫉妬深い方だから無理だとは思いますけど。
「いいえ、用事が済んだらお帰りになるそうです。その様に言われています」
やっぱりお帰りに…ほっ、良かった。夕食が美味しく頂けるわね。
「良かったですわ。ゆっくり夕食が食べられるわね」
「奥様、もうすぐ旦那様がお着きになるとおもいます」
「分かりました。ありがとう」
何の用事かしら?
舞踏会も、夜会も、愛人さんと出てらしたのに?
他に、私が出なくてはいけないものなんてないはずだけど。
滅多に、本館の屋敷に顔を出さない旦那様が来ます。
珍しい事もあるのね、と呑気に考えていました。