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閑話シリスティアが魔法に憧れた切欠は前世の父親でした。

  私の名前はシリスティア・プリウラス侯爵令嬢です。

  少し前まで、公爵夫人やってました。

  今世の両親の勧めで、社交界デヴュー前に旦那様に嫁ぎ五年後別れました。


  結婚して一年目に、旦那様を好きな女性達の意地悪が切欠になり、前世を思い出したのでした。


「ここは、私の部屋?え!違う!でも……ああ!私一度死んだのね」


  足音が響いたと思ったら、勢いよく侍女が扉を開けて入って来ました。


「奥様!大丈夫ですか?」


  私が、嫁いだ時からいた侍女のマリンが心配そうな顔で聞いてくれました。


「ええ、大丈夫よ、少し頭が痛いだけよ」痛い、と言った私を心配してマリンが言います。


  混乱してるだけだから、治癒までしなくていいわ。


「それは、いけません!治癒術師を神殿からお呼びしましょう」


 記憶が戻っただけだから、大事になると面倒になりそうだわ。マリンには悪いけれど、気持ちだけいただくわね。


「そんなに、酷くないから呼ばなくていいわ」


「でも、それでは…」


「大丈夫、直ぐ良くなるわ。心配してくれてありがとう。少し眠るわね」


「本当に、酷くなったら言ってください」ドアを閉める前に声をかけてくれましました。ごめんなさいね。今は、記憶を整理する時間が欲しいの。


「ええ、その時はお願いね」



  ベッドの中で、色んな事を思い出していました。

  死ぬ前が高校生だったこと。

  こことは、全く違う世界にいたことなど、記憶が溢れ出しました。

  今の私と、記憶のすり合わせをし、自分の中で昇華しながら、前世の私の意識の方が強く出た自分を認めました。この世界で、自分の好きなように生きて行くことを決めたのです。


  でも、一番びっくりしたのは自分が結婚していたことです。

  高校生からいきなり嫁。

  しかも、顔だけ極上の男に自分が穢されてないだけましかと、考えた私は悪くないと思います。

  初夜から、酷い言葉を貰い呆れた私は、旦那様の事を嫌いになりました。

  結婚してから浮気三昧。屋敷にも滅多に戻りません。旦那様に、無関心になったことに後悔はありません。


  ですけど、この世界に生まれて嬉しい事がありました。

  魔法です!夢の魔法使いです。

  テンション上がりました〜!

  キャー素敵!やりたい事やるわ!

  私が、魔法に憧れたのは、偶然父親の隠していたDVDボックスを見つけたからでした。

  小学生の私は、魔法で大人になり、歌を歌う魔法使いに憧れました。

  もちろん!見つかると取り上げられると思い、内緒で見ていました。


  でも、痛い事実に中学生になった頃気付きました。

  写真の、整理をしていた時に見つけたのです。母親の、小学生の時の写真が魔法少女そっくりなのでした。

  父親と母親は十歳違いです。

  母親は、小さい頃出会った父親に、昔から優しいお兄さんだったのよ。

  私が好きになったのと、昔話をしてくれたのを覚えています。


  お父さん!いつからお母さんに目を付けてたの!

  ロリコン!

  試しに、お父さんに言ってみました。

  欲しい物があったので、「お母さんの小学生の写真、魔法少女そっくりね。」って言いました。


  固まった父親に、確信した私は「これ買ってくれる?」って言うと、無言で首を縦に勢い良く振る、何処かの民芸品のおもちゃみたいな父親がいました。

  父親は、母親が言った言葉の続きを知りません。

  母は「お父さんが、好きな女の子の格好したの。いつも喜んでくれたみたいよ。」

  何故かばれてたみたいよお父さん!一枚上手だね。

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