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前世の話、俺の従姉妹は変わってる。ネズミランド編その1

一応完結にします。グダグダになりそうだから。続きが浮かんだら書きたいと思います。

俺の従姉妹は言うまでもなく変わっている。俺と同じ歳の男に気に入られて遊んでいる。この間はネズミランドに行ったと喜んでいた。我が家にもお土産が渡された。


「また、ネズミランドに行ったのか?羨ましい!」


従兄妹は頻繁にネズミランドに連れてってもらっているらしい。


「剛お兄ちゃん、行きたいの?」


首を傾げて聞いてくる。


「行きたいが資金がない」


この間ゲームに使ってしまった。


「う〜ん、可哀想。そうだ!今度ただ券もらったら、剛お兄ちゃんも一緒に連れて行ってあげる」


よくただ券をもらった、と言って連れて行ってもらっているが多分嘘だろう。あの2人の事だそう言って連れ出している可能性大だ。


「嬉しいが、友達と行けよ。俺はいい」


「剛お兄ちゃんは従兄妹だもん。他の友達はお兄ちゃん達を見ると逃げちゃうの、なんでかな?剛お兄ちゃんは一緒に来てくれるよね」


誘っても断られたらしい。まあ、そうだろう。あの顔を見て平気なのはお前だけだ。2人の親にも気に入られている。高級な御中元が従兄妹の家に届いた、メロンに蟹に高級和牛だ!ついでに俺の家にも届いた。パニックになったおばさんが家に来たが、気にしなくても平気だからと説得した。迷惑料として家族で美味しく頂いた。ひと言添えられていたメッセージには引いたが。アドバイス宜しくと!それもA4サイズにでっかく書かれていた。敵認識はされてない様だ。


従兄妹には言い切られてしまった。こうなったら意地でも意見を変えない従兄妹だ。俺がネズミランドに行くのは決定らしい。


「ああ、分かったありがとう」


ただ、この判断が恐怖の1日に繋がるとは思っていなかった。一週間後の日曜日に従兄妹が朝からやって来た。爆音を響かせて。2人の取り巻きと一緒に!


「剛お兄ちゃん〜!約束どうり来たよ〜!」


玄関でお供の2人を見て固まったのは言うまでも無い。着替えもそこそこに車に連行された。


「き、今日はお世話になります。従兄妹の剛です」


ビビる!凶面顏を突き付けられてこれで耐えた俺を褒めて欲しい。従兄妹よ平気なお前の心臓が羨ましいと思ったぞ。


「お前が剛か、同じ歳らしいな。今日は任せろ」


何を?任せるのに不安しか感じない。誰か助けてくれ!


「よ、よろしくお願いします」


つっかえる!その顔を近付けないでくれ!心臓に悪い。後から色々言われるだろうな。家から爆音を響かせて山の様なバイクが付いて走っていれば。でっかいリムジンに乗せられて、ネズミランドに行くのはいいが悪い予感満載なのは気のせいだろうか?気のせいだと思いたい。こんな時のお約束のセリフを叫びたくなった。俺は悪く無い!悪く無いぞー!


「剛お兄ちゃん、お菓子食べる?美味しいよ、はい」


ポッキーを、口の中突っ込まれた。2人に睨まれたよ。そうか、食べさせられたのを怒っているのか。従兄妹よ友達にも同じ事してやってくれ。


「俺ばっかりもらったら悪い、友達にもあげないと」


視線が低い従兄妹は分からないが俺は睨まれているよ。ジェットコースターに乗る前から、ドキドキでスリルがあり過ぎる。冷や汗ダラダラだ。


「え?そうだね。はい!美味しい?」


両手を使って、従兄妹が2人の口にポッキーを押し込んでいた。あれが間違いでなければ喜んでいるのか?思いっ切り突っ込んで喉が痛いと思うぞ。素直過ぎる従兄妹に振り回されて喜んでいる2人だ。


「ぐっ!美味しい」


「うっ!美味い」


「良かった、私ポッキー好きなの」


ポッキーを食べる無邪気な従兄妹の笑顔に悶えている2人に、思わず生暖かい視線を送ってしまった。本当に従兄妹が好きなんだと納得した。


「美味しいお菓子いつももらってるだろ。ありがとうって言ってるのか?」


いつも、一流パティシエのお菓子から従兄妹が好きな駄菓子まで揃えてる。この車の中にも色々置いてある。


「うん!ありがとうって言ってるよ、ね!お兄ちゃん!」


2人に笑顔で言えば頷いている。満足そうな顔か?イマイチ顔の表情は俺には分からないが従兄妹には分かるのだろう。


「ネズミランドに行くのは久しぶりだ。ありがとう」


従兄妹にも礼は言っておかないと。子供だと油断してると痛い事になる。あれは親戚一同が集まった席だった。従兄妹が零したお茶を拭いてあげたのだ。せっかく綺麗になったのに汚した本人はありがとうの一言もなかった。その時は気にしてなかったが、布巾を片付けに台所に行っておばさん連中にぽろっとひと言。綺麗なお姉さんにはお礼とおこずかいあげてたのに、私にはありがとうも言ってくれなかったと。横で聞いていたが親戚のおばさんの顔が般若になっていた。


その後は修羅場になった。大げんかが始まったのだ。仲裁するのに親戚が右往左往したのは記憶に新しい。もちろんその親戚の評価が底辺落ちたのは言うまでもない。どうして従兄妹が見たのか?後から聞いたが言わずと知れたこの2人が遅くなったので近道と歓楽街を車で通り過ぎたからだ。信号で止まった時に近くで話しているのが聞こえたらしい。偶々窓を開けていたそうだ。


「うん、良かったね。剛お兄ちゃん」


満足そうな従兄妹の顔にホッとした。良い事をしたと、ご機嫌になった従兄妹を乗せてネズミランドに向って行った。




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