第九話
謎のイケメン護衛を連れて、国境を、無事越える事が出来ました。
ただ護衛の最中に、話しかけられて、少しうざい、と思ってしまいましたわ。
「シリスティア!町に着いたら案内しますよ」
別に貴方と、行きたくないわ。
顔のいい男と歩きたくないの!面白くもないし。
嫉妬されて睨まれるのが落ちよ。
「いえ、行きませんわ。ごめんなさい」
貴方の誘いに、うんざりしてるの。
もう、止めて!顔のいい男と関わると、碌な事ないわ。
「それでは、食事を一緒に食べませんか?」
視線に、晒されながら食べるなんて、どんな拷問よ!
嫌だわ。食事が不味くなるわよ!
「ご遠慮しますわ。」
イケメンは、元旦那様で嫌になったわ。
他の女性達に、睨まれるのも遠慮したい。
「後でファンディー国の、話などしませんか?」
しつこい!いい加減にしてくれないかしら。
断っているのに。諦めの悪い人ね。
「……」
「お嬢様、もうすぐ町に着きますので、準備をしましょう。フリード様失礼します」
助かった!リリーありがとう。
やっぱり、個人用魔法具作らないとダメね。
「ありがとう、それでは、失礼しますフリード様」
リリーが、馬車の窓を閉めてくれました。疲れたわ。
「お嬢様、髪をすきます。ララ、髪を結ってね」
リリーとララ楽しそうね。羨ましいわ、そんな気分になれない。
「お嬢様、綺麗になりましたわ」
宿に、着いたわ。ゆっくりしたいわ。
「お嬢様、宿に着きました。行きましょう」
部屋に行ってゆっくりしながら、リリーの入れたお茶を飲みながら溜息が出ました。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「私、美人でもないのに、どうして付きまとわれているのかしら?」
フリード様、何を考えているのかしら?
ろくでもない事を、考えてなければ、いいんだけれど…不安だわ。
「お嬢様は、可愛いですよ」
フォローありがとう。美人にはほど遠いわね。
「ありがとう、でも、イケメンでしょう。女の人にモテるのに、私に構わなくてもいいと思うの」
「命の恩人、ですからでしょうか?」
恩人と思ってるなら、遠慮して欲しいわ。
「この次の道で別れるから、もう少しの辛抱ね」
やっと、自由になるのね。早くさよならが、言いたいわ。
「彼らは王都に行くと言ってましたね。」
明日が待ちどおしいわ。馬車の中で、静かにクッションに埋れていたいわ。
「静かに、馬車の旅をしたいわ。」
「夕食は、どうなさいますか?」
彼らが居るとゆっくり出来ないし、女性達の視線も怖いわ!
そう言えばさっきも睨まれたわね。
「彼らには、会いたくないから部屋でいただくわ」
「はい、お嬢様」
折角今まで、楽しく食事していたのに台無しだわ。
やっぱりイケメンに、関わるとろくなことないわね。
最悪!夕食を頂いて、早めに寝る事にするわ。
あの後、夕食を持って来てくれたララが、フリード様に私に会いたい!会わせてくれと、しつこく話しかけられた、と本気で新しい魔法具を、作る事に決めました。