第九十四話
次回更新は3月27日朝です。
掃除と改装済みの会場になっていたホールに、陛下や王妃様宰相様などと共に来ています。魔族姉妹には前世お仕置きのひとつと言われている正座をさせています。ある意味ここまで酷いとは思いませんでした。
「…前と余りにも違い過ぎるのだが…」
「陛下これではどうも出来ません」
陛下の困惑の言葉が響きます。宰相様も溜息を吐いています。頭痛がしそうですが掃除を頼んだ私にも少しは責任があるので、直ぐお仕置きの正座をさせましたが反省の気持ちは見つけられません。
「カーディナル殿下、止めなかったのですか?」
一応、カーディナル殿下に聞いてみます。
「魔王様の仕える国だから妥協は出来ないと押し切られました」
カーディナル殿下がうな垂れています三人がかりで押し切られたのですね。仕方ありません、あの魔族姉妹が魔法の使い過ぎで素足になって胸に付けていたレース飾りもなくなりちょっぴり破廉恥気味で強く言えなかった事情も分かりますので、カーディナル殿下が少し気の毒になりました。
「もう少し美しく出来ないのかしら?」
気の毒なカーディナル殿下は置いておいて、この場所をちぐはぐな配色では綺麗に見えませんので統一感がある物に変えないとダメですね。
「ご主人様!魔王様の仕える城です他の場所も改造させて下さい!」
ご主人様?誰のことでしょう?まさか私ではないでしょうね。
「そうです!みすぼらしい城では魔王様に失礼です!」
十分素晴らしい城だと思ってましたが?
「魔王城にある財宝で飾らせて下さい」
センスのない飾りなどやめて下さい。このカオスな会場を見れば一目瞭然です。
「前の方が素晴らしい城でした。今の状態は好まれません」
私は前の方が好きでしたが、今は成金趣味のダメ装飾ですわ。
「そんな!!ご主人様は魔王様がこの美しい配置が気に入って貰えないと!」
ライ達が気にいるとは思いませんが納得出来ない魔族姉妹が五月蝿いです。騎士達に呼びに行って貰いました。
「お嬢様!大変な事になっていると言われましたが!」
ライとフライが直ぐに来てくれた様ですね。
「魔王様!お久し振りです。この飾り付けを見て下さい!」
ライ達が会場を見て驚いています。そうでしょうね、金キラキンの壁に貴重な宝石で出来たシャンデリア値段の割に配色のダメな配置ですね。もしこれを賛辞する様なら私は許せないでしょうね。
「酷いな、どうしたらこうなるのか?」
ライが首を振りながらどう仕様もないと溜息を吐いています。
「ぎゃはははーっ!お嬢様酷いぞこれは!バカだね」
フライが指をさして笑っています。まあ、酷いのは歴然ですからね。笑われても仕方ないですね。
「「「そんな魔王様!!」」」
泣いてます魔族姉妹が床に顔を付けて泣いているようです。そんな格好で泣くのはやめて欲しいですわ。スカートの中が丸見えです。宰相様ガン見するのはやめましょう!意外と年の割にはお元気そうですわね。
「君達は、お嬢様の望む通りにしてくれ」
ライが魔族姉妹に命令してくれました。素直に聞いてくれると嬉しいですが。
「そうだ!お嬢様のお仕置きは凄いぞ!早く元の状態にしろよ!」
私はそんな恐ろしい物ではありませんフライ!覚えてなさい!
「ひえーっ!わわわ分かりました!!」
「ごめんなさい!すぐ元の城に戻します!」
「悪かったです!許してください!」
素早く動こうとして転けていました。足が痺れていたみたいですね。皆、丸見えの魔族姉妹から目を逸らしていましたが、一人宰相様だけはしっかりと見ていた様です。さりげなくなら許せますが、ガン見はいけませんよ宰相様!