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第八十七話

次回更新は1月30日朝です。

謎の美女登場で、混乱した状況を正常に戻すためリリーの意見に従って質問しようと思います。でも、ぷるぷる震える魔法使いの弟子さんミニサイズに涙目でこちらを睨んでいる謎の美女。何故かこちらが虐めている様な気持ちになるのはどうしてでしょうか?


「どちら様でしょうか?答えてもらえるといいのですが。」


謎に美女がはっとして、こちらを見て決意に満ちた顔で挨拶を始めました。


「失礼いたしました。初めまして、私はこの魔法使いの弟子の姉になります。継承のため弟とこの国に来ました。」


そうですか、大変ですね。先ほど聞いた事が本当なら、迷惑極まりない先祖の所為で苦労して居ると言う事ですね。


「ワルワル鳥に似てる直系王族に会いにですか?」


謎の美女がカーディナル殿下を見ました。気の毒そうな顔をしました。


「そうです、この時だけは直接掛けないとダメだからです。本当は、後継である父親がするはずでしたが亡くなったので、この子が継ぐ事になりました。」


亡くなった、と言った時にもの凄く嫌な顔をしました。何か別の理由がありそうですね。


「カーディナル殿下、加護の掛け直しだそうですやって貰ったらどうですか?」


カーディナル殿下に掛かっている呪術は、殿下を中心に国全体を覆う形のようです。昔の古い魔法書の血の契約加護と似ています。詳しく説明するのは勘弁して欲しいくらいの厄介なものです。

対価なしで掛けてくれると言うのだから、加護はあった方がいいですよね。無理やり呪術を解いても、反動が怖いですから現状のままの方が被害がなさそうですわ。悪くすれば国崩壊の危機になりかねませんから。


「殿下!いけません!!素性のはっきり分からない者達の言う事を、確かめないで実行しないでください。」


護衛騎士の言う事も分かりますが、手紙に押してあった紋章と同じ物が杖にもありますよ。


「身分を証明する物がありますか?加護と言われても少し納得できないですが。」


カーディナル殿下が厳しい顔になってます。皇太子ですから慎重なんですね。それを聞いた二人が絶望的な顔をしています。あ!ミニサイズの魔法使いの弟子さんが泣きそうです。美女のお姉さんが背中をぽんぽんしながらあやしてますが涙が決壊寸前ですわ。


「うっ、わああああああーん!!とーさまが悪いんだ!侍女達が言っていた!意味分からないけど腹上死するから!僕まだ当主なんかやりたくないのに!!」


知らなくてもいいお家の事情が、また明らかになりました。残念なのは初代先祖だけではなさそうです。でも、子供に聞かせる話ではないのにダメ侍女さんがいるのですね。


「ナーシアス泣かないで!ごめんなさいね、無理言ってお姉ちゃんが悪かったわ。」


美女のお姉さんが、嫌な顔をしたのはこんな訳があったからですね。子供に戻った魔法使いの弟子さんを一生懸命慰めてます。


「ひっく、うっ、うっ、僕、当主にならなくてもいい?やりたくないよ。」


本当になりたくないようですね。推察すると、美女のお姉さんは面倒事に巻き込まれない内に何とかしたかった様ですが。


「分かったわ、まだ当主にならなくてもいいわ。貴方以外に、この結界を超える事のできる人は一族全員探してもいないようだから。」



結界を通り抜けましたか、まだまだ強化が足りないようですね。結界の層を増やした方が良さそうですね。


「本当に先祖に呪術を掛けた魔法使いの一族の人ですか?」


カーディナル殿下が聞きました。美女なお姉さんが首を縦に振って肯定します。先ほど話を聞いていたら掛け直しはせずに帰るみたいですね。


「はい、今回は戻ります。今度は、国に話を通してこちらに来させてもらいたいです。大変失礼しました。」


え!もう帰ってしまわれるのですか?どうせなら婚約パーティーに出席してもらいたいですわ。ついでに着飾って楽しみたいですわ。


「美女なお姉さん、婚約パーティーに出席しませんか?ドレスは準備しますわ。魔法使いの弟さんも一緒にどうぞ。」


美女なお姉さんの目が大きく開きました、驚いてるようですね。魔法使いの弟さんも、え!パーティー?と言ってます。美味しいプリンもありますよ。


「シ、シリスティア嬢!勝手には出席させる事はできません!」


カーディナル殿下に反対されました。縁を持ってくれたのですからこれくらいは良いと思います。加護とワルワル鳥に似ていなかったらきっと婚約者には絶対なっていませんわ。


「反対ですか?今のカーディナル殿下があるのは、残念先祖の所為ですが彼らには罪はないですわ。」


親の罪を子供に負わせてはいけませんわ、どちらも選べないのですから、負の連鎖を続けるよりも良い道だけを選んで歩んで行けるようにしたいですわ。


「それは分かりますが……シリスティア嬢は彼らに出席して欲しいですか?」


そうですね、この国が豊かなのはある意味彼らが代々加護を掛けているからです。初代以外は悪戯はしてもこの国を強くお金持ちの国にしましたから悪くは思えませんわ。


「はい、この国を豊かな国にした立役者ですから出て貰ってもおかしくないですわ。現にこの国で農作物が不作になった事も病気が流行った事も加護のお陰でなかったはずだと思います。」


カーディナル殿下がふっと息を吐いたと思ったらこちらを見て困った顔をしました。


「シリスティア嬢には敵わないですね。魔法使いの一族のお二人にお願いします、よろしかったら婚約パーティーに出席してください。」


流石カーディナル殿下ですね。物分かりが良くて助かりますわ。うじうじせずに即決できる素敵な人ですわ。驚いたまま固まった美女のお姉さんですが、後で素敵な衣装を着てもらいます。どれを着てもらえるか楽しみですね。

リリー達が嫌がった衣装でファインシー姫に似合わなかったドレスがまだ残ってますから着せるのが楽しみですね。しかし美女のお姉さんは爆乳ですわ、私も結構ありますがもう少し欲しいと思った事は永遠に秘密です。




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