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第八十一話

あけましておめでとうございます。遅くなりましたごめんなさい。

明日の舞踏会に向けて最後の準備に王城の中は忙しく動き回る人達ばかりです。警備の方も不審者が居ないか目を光らせ、明日の舞踏会に不備がないか点検作業に忙しくしています。


「皆忙しくそうね。私だけかしら?ゆっくりしてるのは。」


準備の終わった私には、する事がないので暇になってしまったわ。カーディナル殿下は忙しそうだけれど。


「そうですね。お嬢様の準備は万全にしていますから大丈夫です。」


優秀な侍女と護衛がいるので心配なしだわ。でも、盛大な物になったわね。物凄く規模の大きい舞踏会になりそうなので緊張しそうだわ。


「お嬢様、カーディナル殿下との婚約発表は納得してますか?今ならまだお嬢様を逃す事ができますが。」


まあ!頼もしいわ。リリー達にならここから逃げ出すのは簡単にできそうだけれど、婚約腕輪も付けている今はそんな不義理な事をする気にはならないわ。


「リリー!心配してくれるのね。ありがとう!大丈夫よ。カーディナル殿下は優しい人だわ、元旦那様より数倍ましよ。」


それを聞いたリリー達が痛ましそうな顔をしていたので、前の結婚生活は他人から見れば酷かったのかしら?記憶を思い出してからは結構好きな事をしていたし、舞踏会も夜会も出なくていいので面倒臭くなくて助かったと思ったくらいで魔法の勉強もできて辛いと感じた事は少ないのだけど。


「お嬢様、もし何かあったら遠慮なく私達に行ってください。」


大丈夫よ。皆が居てくれる今の生活は楽しいから。


「ええ、分かったわ。貴方達が居てくれるから何も心配はしていないのよ。独身のままでも魔法具を作ったり色々な物をみて旅行したりできればいいと思っていたわ。でも、今は毎日楽しいのでこの暮らしも悪くないと考えているの。」


それよりも、プリンを提供する時の衣装とセットを一度やって欲しいのだけれどやってくれるかしら?


「そんなことよりもリリー、プリンを出す時の衣装に変身して欲しいわ。」


新しいプリン用指輪を渡すとリリーの顔が引きつっているわ。どうしたのかしら?舞踏会用に新しいリアクションの物を作ったわ。一度変身して調整しないといけないのだから試してもらうしかないわね。


「お嬢様!この間新しいのを貰いましたので前のでかまいません」


あれはあれで可愛いけれど、それとこれは別物ですもわ。プリンも良いけれどそれを提供する時の見せ場も大事だわ。可愛いを見るためでしたら苦労は惜しみません。


「気にしないでいいのよ。私が勝手にしているのだから遠慮なく変身していいのよ。」


優しい上に遠慮深い侍女だわ。リリーもララも私の望みを何時も叶えてくれる素晴らしい侍女だわ。私は幸せ者ね、元旦那様と別れてから色んな出会いがあったけれどいい人に沢山会えたわ。だから心配しないでね。可愛く時に美しい姿に磨くのは、主人である私の努めだから素敵な姿に変身して舞踏会で披露しましょうね。



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