第七十七話
次回更新は12月12日朝です。
王城では、今度の盛大な舞踏会の準備追われています。私達も手分けして仕事をしています。ライ達にはプリンとウエディングケーキの材料を集めてもらっています。それとイルミネーションの準備をしながら、楽しくその日が来るように皆一丸となって頑張っています。
「お嬢様、材料集めてきましたよ。他にする事はありませんか?」
ライ達の仕事が早いので助かっています。イルミネーションを王城の一番上まで飾ってもらおうかしら。
「ありがとう、ガイ。イルミネーションを王城の上の方から飾ってもらえる?できたらお願いね。」
「ええ、良いですよフライも暇そうですから、一緒に喜んでやってくれると思います。」
イベントは始まるまでの準備が楽しいのよね。皆優秀だから私は楽だけれど。
「では、お願いするわ、この図面通りに飾ってね。」
「はい、お嬢様。お任せください。」
ふふ、来る人全員びっくりさせたいわね。面白いわ。王城の飾り付けを終われせ一息付いているとファインシー姫の走る姿が見えます。
「お姉様!助けてください!」
ファインシー姫です。後ろに沢山の男の人に追い掛けられてるようですね。
「ファインシー姫!どうか私のパートナーになってください。」
群がってますね。涙目のファインシー姫は可愛いですが、可哀想なので助けます。
「違う!私のパートナーだ!」
凄い取り合いです。混戦中です。
「「「「「私のだ!」」」」
モテモテですね。あら、この人達ファインシー姫が間違って鞭った人達だわ。
「お姉様!お願いします助けてください。」
縋り付かれてしまいました。血走った目で迫られたら怖いですよね。
「私が推薦する人なら誰でもいいかしら?」
「はい!お姉様のお勧めなら構いません。」
「それでは、ガイ、ファインシー姫のパートナーをしてあげてね。」
「はい、お嬢様。会場の警備もしやすくなりますから喜んで。」
ガイは頭の回転が速いわね。普通の護衛では、会場に入り難いからこの方法だと違和感がないわ。
「魔王様がパートナー!敵わないではないか!」
周りにいた人達の悲鳴が上がる。男の悲鳴を聞いても面白くないわ。
「ファインシー姫!それはあんまりです。勝ち目はないではないですか!」
泣きが入りました。だから可愛くないのよ男が泣いても。寧ろ鬱陶しいですわ。
「どうかやめてください!」
私が頼まれて決めたのに文句を言われたわ。
「お嬢様の言葉に、異議を唱えるとは許せませんね。」
ガイの低い声が周りに響きます。聞こえたのか静かになりました。
「そんな事はありません!失礼します。」
蜘蛛の子を散らすように全員が逃げて行きました。
「では、ガイ暫くファインシー姫を警護してあげてとても疲れているようだから。」
「はい、お任せください。お守りしますファインシー姫様、私では心細いと思いますが精一杯やらせて頂きます。」
「いいえ、こちらこそよろしくお願いします。」
ガイに任せたら安心ね。下手な男より頼りになるわ。そうだわ!パートナーだと衣装も変えなくては!いっそ新しい王子様バージョン変身できるように作り変えようかしら?機能を残しつつ王子様バージョン誰にも負けないくらいかっこいい男に変身よ!ファインシー姫の為ですものガイを一番にするわ。
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小話
ライ達の会話
「ガイが、ファインシー姫様の舞踏会でのパートナーになるそうだ。」
「えー!ガイだけご馳走食べるのか!ずるいぜ!」
「違うらしいぞ、警護も兼ねているから食べられない。」
「じゃいいや!羨ましくない!」
「それよりお嬢様、ガイの為に王子様バージョンの変身魔法具を開発したらしいぞ。」
「ぎゃはははは、ガイが王子様!笑いが止まらないぜ!」
「フライ、何を笑ってたんですか?」
「何でもないぞ。」
「フライ、心配しないでください。私の分だけでは気の毒なので貴方達の分も頼んだのであるそうですよ。」
「「……」」
人の事を笑えなくなったフライとライでした。