ファインシー姫様side
次回更新は12月8日朝です。
お兄様が、思いがけない切っ掛けでシリスティア様を婚約者にする事ができました。これでこの国も安泰です。嬉しくなりシリスティア様をお姉様と呼ばせてもらうことができました。
でも、お姉様のドレスを着ることになりましたが、あんなに恥ずかしいとは思いませんでした。
「これ全部は無理です。」
こんな短いドレスを着るなんて!あ、脚が見えます!こっちのドレスもです、これはスケスケでです。無理ですわ、私に着る度胸はありません。お姉様、そんなにキラキラした顔で見ても着るのは遠慮したいです。
「しょうがありません、とっておきの何枚かで我慢しますわ。」
お姉様の小さな声が聞こえます。そのドレスも遠慮したいのですがダメなんですね。横で侍女達が気の毒そうにしていましたが、こう言う意味だったのですね。
「ファインシー姫とても似合いますわ。」
これ!裾が短いですわ。脚が丸見えで恥ずかしい。もじもじしていると次の服を持って侍女が立っています。
「お姉様恥ずかしいですわ。そんなに似合ってますか?」
「凄く似合ってますわ。それから次はこれも着てください。」
「大丈夫、誰も見てないから。綺麗な脚によく映えるわ。次はこれを着てね。」
「お、お姉様、これ、スケスケですが…」
「透けてる所がいいのよ、ほら見て良く似合うわ。白い肌にこの色の透け具合がたまらないわね。」
「胸が見えそうで恥ずかしいです!脱いでいいですか?」
「こっちも可愛いから着てね。」
笑顔でお姉様に言われました。逃げられそうにもありません。侍女が服を持って迫って来ます。なんとか着替えましたが、羞恥で顔が赤くなるのは止められません。
「これ以上は無理です。許してください!」
侍女の二人に、次々ドレスを着せられ身も心ボロボロでこれ以上無理と、訴えてなんとか終わりにしてもらいました。
「楽しかったですわファインシー姫、お礼に変身魔法具をプレゼントしますわ。キーワードは私変わるわよ、ですわ。やってみてください。」
変身魔法具をプレゼントしてもらいました。お姉様の期待に満ちた目には逆らえません。
「私が変身ですか?やってみますわ、私変わるわよ。」
周りからみたら妖精に見えるそうです。綺麗だと言われました。武器を持たせてもらいました。でも、鞭です。変な効果のあるもので、打たれると気持ちよくなり動けなくなるそうです。怪しいですお姉様!使いたくありません。
やっぱりあの時聞いた話は、間違いではなかったのですね。
「おい、今ファインシー姫様いるけどお嬢様のドレス着るそうだ。」
「うーん、命知らずですね。ボロボロになるのを知らないからいいですが。」
「良いと思うぜ!お嬢様の遊び相手が増えたぜ!」
「まあ、そうですが気の毒ですね。リリー達は助かりますが。」
「ぎゃはははーっ、リリー達も着るの嫌がったドレスだろ。」
「ああ!あのドレスか、見せてもらったが外では着れない物だな。」
「ライも見たんですか?あのドレスを着せられるファインシー姫様驚くでしょうね。」
「お嬢様が、どんなドレスは流行ってるか聞かれたときに見せてもらった。」
「そうですね、初めて見せてもらった時の衝撃は忘れませんよ。」
「ガイでも驚くんだ!俺も驚いたぜ!でも、凄く良いものだと褒めておいた!」
「男としては、好きな人には内緒で着せたいと思いますが、人には見せたくないですね。」
「しかし、お嬢様喜んでいたな。ファインシー姫様には似合うと思うから余計だろう。」
「そうですねライ、似合いますね。唯、恥ずかしさで死にそうになるかもしれませんが。」
「あははは、ファインシー姫様は義妹になるから諦めた方がいいぜ!」
「フライ!小さい声で話さないとファインシー姫様に聞こえますよ。」
少し待った時間で聞こえてきた話だったのですが、体験して実感しました。お姉様には敵いません。お母様でも無理かもしれないと思いました。
まだ後に、大きな試練が待ち受けているとはその時は思いませんでした。にこにこしていたお母様が言うまでは。
「ファインシー、シリスティア様からドレスをもらったそうね。」
「はい、でも普段着にはできないものですわ。」
「あら、着てくれないの?残念ね、まあいいわ着た姿は見れるから皆で見ましょう。」
「え?それはどう言う事ですか?」
壁一面に映る私のドレス姿を見た瞬間、真っ赤にになってお母様に止めてもらうように言いましたが駄目でした。シリスティアお姉様にドレスの映像をもらったそうです。
「きゃああああーっやめてくださいお母様!止めて!見ないで!」
「まあ!凄く可愛いわね!こんな姿も良いわ!」
「お兄様達もお父様もみないで!」
お父様の小声が聞こえてきたわ、妻にも着せてみたいと。お父様の馬鹿!と近くの物を投げてしまったけど私は悪くないですわ!
小話
ライ達とリリー達の会話
「ファインシー姫様変身されられたな。」
「そうですね、新たな戦力ですね。」
「ファインシー姫様には無理なのでは。」
「リリー、変身魔法具をもらったのだから変身しないとお嬢様が納得しない思う。」
「俺見たぜ!ファインシー姫様の変身した所。鞭使って自分に迫って来た婚約者候補をを昇天させたぜ!」
「それは気の毒ですね。まあ、死にませんから大丈夫でしょう。」
「この間も見たけど、その男に追いかけられていたぜ結婚してくれと。」
「「「「……」」」」