第七十六話
次回更新は12月5日朝です。仕事がお正月に向けて忙しくなってきましたが週二回の更新はする積りです。
今日やっと全部の用意ができました。舞踏会の準備が終わり後は待つだけとなりました。その日にする事を聞きました。
「カーディナル殿下、舞踏会のスケジュールを教えてください。その通りに動きますわ。」
手順を聞いてなくて失敗したくないですから。良くしてもらった殿下に恥はかかせたくはありませんわ。
「大丈夫です。シリスティア嬢には、側にいてもらえたらそれだけで構いません。」
相変わらず優しい人ですわ、顔は相変わらず凶悪ですけど慣れれば平気になるようですね。リリーやララ、ライ達も全然平気になっています。
「他に何もしなくていいのですか?」
普通は色々しなくてはいけないのですけど、やらなくても良いとは大丈夫でしょうか?
「舞踏会でダンスを踊ってください。」
「本当にそれだけで?」
「はい、一緒に過ごしてください。」
それくらいだったらなんとか役目が果たせそうですね。この舞踏会にはお父様達も招待しましたと、先ほどカーディナル殿下に教えてもらいました。
きっとびっくりしてますね、短い間に結婚相手ができたのだから心配しているのだと思います。今度あった時に謝りたいですわ。
「シリスティア嬢にお願いがあるのですが、この間のプリンを作ってもらえませんか?」
プリンは美味しいですから、皆さんに食べて頂いたら喜んでもらえますね。そうですわ!ウエディングケーキのように大きくそびえ立つ物を作ったら、珍しいのでプリンより喜んでもらえるかしら?
女の子の憧れケーキカット!どうせ結婚式ではできないのですから、お遊びでいいからやってみたいわ!
「カーディナル殿下、プリンも作りますがウエディングケーキを作りますわ!」
本当に良いことを思い付いたわ。前世でも、親戚の結婚式に参加した時に私もやりたいと考えていたから。その結婚式の主役のお姉ちゃんが言っていたわね。
「今の内に教えとくわね、ウエディングケーキも用意できない男と結婚してはダメよ。ケーキの高さは愛の高さだから。入刀する時は心臓を狙う積りで勢いよくするのよ。」
そう話していたけど、お婿さんのお兄ちゃんは真っ青に震えていたわね。でも、こだわりのケーキは美味しかったのを覚えていたわ。小さい頃からの夢やってみたいわ。
「ウエディングケーキ?ですか?聞いたことがないですが、どんな物ですか?」
この世界にはありませんから、カーディナル殿下には分からないと思います。一応旦那様になるのだから、ささやかな私のお願いを叶えてくださいね。
「お城の中の天井に届くくらい大きい物ですわ。」
ちょっぴり驚いてますが、ライ達に材料を取ってきてもらいますのでお金もかかりませんわ。
「そんなに大きな物ですか?」
魔法が使えますから夢の高さを実現できそうです。夢が叶って嬉しいです。
「大きくて美味しく綺麗で女の子の憧れですわ、一緒にケーキカットしましょうね。」
「ケーキカット?凄い物なんですか?」
「ええ、魔法具で作りますからケーキカットすると、食べやすいようにミニケーキになりますわ。」
カットした後、小さいケーキに変身します。無駄にならず美味しくいただけますわ。
「よく分かりませんがお願いします。」
少し考えてたようですが作る許可をもらえましたわ。
「ケーキカットのナイフは、カーディナル殿下が持っていてくださいね。」
危ないのでカーディナル殿下に持っていてもらいます。それともう一つだけやりたい事がありますがこの際お願いポーズでおねだりしてみますわ。
「カーディナル殿下、お願い聞いてもらえますか?王城を飾り付けしたいのですがダメでしょうか?」
自分で精一杯可愛くお願いしました。お城をイルミネーションで飾ったら某ネズミランドみたいに綺麗だと思います。ついでにイルミネーションの飾りを庭園に飾っても楽しそうです。
「うっ、わ、分かりました。好きにしてください!仕事があるので失礼します。」
殿下が足早に去って行きました。リリー直伝のお願いポーズは効くようです。何故かはリリーは教えてくれませんが、今度お父様に、内緒で聞いてみたら本当の事教えてくれるかしら?
婚約発表で緊張するかもと思ってましたが、楽しい事があるので我慢できそうです。今からイルミネーション用のの魔法具作りでもして、イベントとしての舞踏会を楽しく過ごせたらいいですわ。
小話
ライ達とリリー達の会話
「またお嬢様、新しい物作るらしいぞ。材料集めをお願いされたが今度はもっと凄いらしい。」
「そう話していましたね。確かウエディングケーキと言ってましたよ。」
「ウエディングケーキ、美味しいのかな?」
「ララ、食い意地が張ってますよ!」
「リリーだって期待してるでしょう!」
「お嬢様凄いぜ!ウエディングケーキを刺してバラバラにすると言ってたぜ!」
「「え?えええーっ嘘!」」
「「……」」
それを聞いて騒ぐ二人と何も言えないライとガイでした。