カーディナル殿下side5(本編三十八話までの内容です。)
カーディナル殿下sideの話が遅れていてこの前更新した時何処までの話か分からないとの事だったので話数表示をしました。後何話か書いて本編に戻ります。ごめんなさい。次回更新は11月24日朝です。
シリスティア嬢を我が国に連れて行くことに成功した。良い条件を引き出せたことだしおおむね満足な成果が出せた。ファンデー国国境を簡単に通らせてもらったがそれくらいの配慮は当然だろう、シリスティア嬢の馬車を守る事ができて嬉しいばかりだがまだまだ、彼女の護衛達に比べたら私の方が劣っている。気遣う心は一緒だと思いたいが後一歩と言う所で届いていないようだ。見習わなければならない。
我が国の国境砦に着いた。小鳩便で私達が来ることを知らせていた為、出迎えの人達で正面玄関には多く集まっていた。すごい歓迎ぶりだが仕方ない私の妃になるかも知れない令嬢が来たのだから。だが興味深々で見るのは止めてくれ!不信に思われるのは勘弁だ!
彼女の手を取って、馬車から降ろすと恥ずかしそうにしたシリスティア嬢が可愛い。やわらかい手の感触に心の中はドキドキが止まらない、思わず生きてて良かったと思った事は内緒だ。こうゆう時はこの顔だと分からないので助かった、
領土の中に入った事だし彼女を守る為の体制も整えないと駄目だな、自由に息苦しくない生活でないと逃げられる恐れがある。私は彼女が側で笑いかけてくれる日常を送る為の努力は惜しまない積りだ。
「彼女を守る体制を作る、私の護衛騎士五人を付ける。団長、副団長はこの砦にいる間は彼女の側を常に気を付け守ってくれ。但し、彼女の護衛達の邪魔はするな、お願いされたら指示に従って動くように。」
彼女の護衛に逆らって酷い目に合う馬鹿な者達を止める人間を置いておかないと迷惑をかけてしまう恐れがある。彼等を煩わせないための配置だ。
「分かりました殿下、不信な行動をする者を近ずけない為ですね。」
「シリスティア嬢の部屋に向かう付いてきてくれ。」
彼女の部屋はこの砦で一番いい部屋にしてある。気に入ってもらえれば良いのだが不自由なところはないだろうか心配だ。部屋の前で彼女の護衛達に取り次いでもらった、あってくれるそうだ応接室に通してもらった。
「疲れているところ押し掛けて申し訳ありません。貴女にもこちらから護衛を付けたいと思います了承してもらえますか?」
「ええ、ありがとうございます。カーディナル殿下はやっぱり優しい方ですわね。」
うっ、優しいと言ってもらえたそれも笑顔付きだ。顔に熱が集まる嬉しくて恥ずかしく動けない。
「殿下、紹介お願いします。」
団長の助けが入った。あのままだったら固まったままかもしれない!動こうとした瞬間
「カーディナル殿下、熱でもあるのですか。私が治しますわ。」
うわっ!ひ、額に手が!!近付いてる彼女の髪の匂いがする。息や声を感じて熱が身体の中で沸騰しそうだ!もうダメだ!!
「シ、シリスティア嬢、あ、ありがとう…」
倒れてしまった。目が覚めた後の話を団長に聞いたのだが微妙だ。彼女の侍女が大丈夫か聞いてきたらしい、彼女以外の人達は私が何故倒れたか薄々分かっているが、皆生暖かい目で見守ってくれている。自分が健康な男だと今更自覚する日が来るとは思わなかった。
小話
ライ達とリリー達の会話
「ぎゃはははーっ見たか?殿下ぶっ倒れたぜ!」
「フライ、笑ったら可哀想ですよ。」
「そうだぞ、好きな子に触れてもらえたんだ女性経験のない殿下がああなっても仕方ないぞ。」
「本当に純情ですね。」
「下手に穢れてなくてお嬢様には殿下はぴったりです。」
「でも、リリー初めて同士この先大丈夫かな?」
「「「「……」」」」
「まあ、殿下の努力を期待しよう。」
「そ、そうね。殿下に頑張ってもらうしかないわね。」
なんとも言えない気持ちになったライ達とリリー達でした。