カーディナル殿下side4
活動報告にも書きましたがぽちぽちゆっくり更新します。次回更新は11月21日朝です。
また、シリスティア嬢が襲われて。フリード殿下の事を勘違いした令嬢達にならず者をけしかけられていたのだ。侍女達の魔法具に危機を知らせる声が聞こえたと急いで走って行った。
「シリスティア嬢!大丈夫ですか!!」
一緒に来た護衛と侍女も心配で声をかけていた。
「「「「「お嬢様!大丈夫ですか!」」」」」
素早くシリスティア嬢を守りに入っている。流石だな。
「君達は何をしている!シリスティア嬢を傷付ける事は許さないぞ。」
私が思いっ切り睨んだら令嬢達全員固まってしまった。
「ひっ!化け物!」
いつもの聞きなれたセリフを言われた。
「違います!カーディナル殿下は優しい人ですわ!」
否定してくれる、誰も言ってくれないのに彼女だけは私を庇ってくれた。優しいのは君の方だよシリスティア嬢!嬉しいこころの中が暖められるようだ。
「シリスティア嬢!ありがとうございます。」
あの後また、貴賓室に戻ると今度はシリスティア嬢の叔母上夫妻が同上している。せっかくパートナーをしてもらいながら、危険な目に合わせるとは情け無いばかりでイライラする。
「この度は、我が国の貴族達がカーディナル殿下にご迷惑をおかけして申し訳ない。」
宰相閣下がお詫びの言葉を延べたが、先ほどの事から時間も立ってないのに信用できない!
「一体何を考えている、私だけなら許しもするが大事な預かった令嬢に乱暴者を差し向けるとは私を馬鹿にしているのか!」
傷付いたらどうするつもりだったんだ!私の命だ!思いっ切り睨み付けて憂さ晴らししてやる。
「い、いいえ、そんな事はありません。殿下にはどう許しを得たらいいのかと悩んでおります。」
顔色を悪くしながら話しているので少しは睨みが効いたようだ。
「私の事はどうでもいい!シリスティア嬢に不快な思いをさせたのが許せないのです!守れなかった自分にも腹が立つ!」
そんな憤った思いを口にしていると横からシリスティア嬢の叔母上が陛下に話し掛けてきた。
「陛下、許可なく話しかけることをお許しください。シリスティアを落とし入れようとした貴族は誰でしょうか?」
シリスティア嬢の叔母上も怒っているようだ大事な姪を害そうとしたのだから当然か。
「そうです、大事な妻の姪を傷付け様とする輩は許せませんな!」
夫婦共々怒りが込み上げているようだ。
「他国の皇太子のパートナーを傷付けようとするとは、例えシリスティアでなくとも問題ですわ。そんな者達は国の為になりません!排除すべきですわ。」
簡単に片付けるようなら許さない!ライアン王国としての権威を示す為にも報復させてもらう。
「分かっております侯爵夫人。彼等の家は取り潰しと決めております。」
宰相閣下はそう言って終わりにしようとしているが本題は他にある。誰がシリスティア嬢とフリード殿下の情報を令嬢達に教えたのか。
「シリスティアが、フリード殿下を誘惑したなど誰が嘘をついたのですか?出処がフリード殿下ではないでしょうね。」
鋭いな流石シリスティア嬢の叔母上だ。噂が流れるのが早かったのでその可能性は否定できない。
「その可能性はあるな。フリード皇太子は、親しくもない癖に呼び捨てにしていた。シリスティア嬢が嫌がっていたにも関わらずにだ。厚かましい男だ!」
私だって呼び捨てにしていないのに、先をこされるとは嫌な気持ちになる。
「カーディナル殿下怒りを鎮めてください。フリード殿下の処罰は厳しい物にする事を陛下が決めております。」
軽くなければいい自分の不注意を嘆くがいい。自分で混乱を招くなど、人の迷惑を考えない勝手な男だ許せないな。
「話は変わるが、シリスティア嬢をこの危険な国に置く事は賛成できない。私の国に招待したいのだが彼女の後ろ盾になってはくれないか。」
シリスティア嬢の叔母上の嫁ぎ先である国に下手な事はできない。しかし、我が国との関係をスムーズにする為にはこれ位の事はして貰わないと割があわない気がする。
「カーディナル殿下が、それで怒りを鎮めてもらえますならこちらは構いませんが、それでよろしいのですか?」
彼女の為なら手段を選ばない。簡単に済ますつもりもない!覚悟してもらおう。
「ああ、構わない彼女の為だ。」
シリスティア嬢が侯爵の屋敷に先に戻ったあと、陛下に、宰相、侯爵夫妻と約束の取り決めを交わした。ひとつ条件を増やす度に真っ青になっていく陛下と宰相を見ながら、侯爵夫人が良くやったと言わんばかりに笑顔を見せてくれたのが一番私が驚いたかもしれない。どうやら姪の相手としての合格点はもらえたようだ。これで彼女を我が国に連れ帰る事ができる、側に居るために必要な事はなんでもしよう。
小話
ライ達とリリー達の会話
「思い出すな、あの時の事」
「そうですねライ、カーディナル殿下のスキップが見れるとは思いませんでした。」
「余程嬉しかったのですね。」
「リリーの言う通り殿下浮かれていたからな、お嬢様を自分の国に連れて行けるからだぜ」
「でも、陛下や宰相閣下の顔が段々真っ青になっていくのは面白かったですね。」
「お嬢様の為だしいいと思うが。」
「まあ、ライの言う通りですが。」
「便利な魔法具だな!お嬢様の作った物は、内緒の話が聞けるとは凄いぜ!隠密モモンガ!」
「お嬢様が一番最強ですね。」
「気付いてない所もよリリー。」
「「「「……」」」」