表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

Enter

どうも こんにちは。

今から話すことは僕の人生です 新美夜あらみや 御礼おれい


僕は島根県のある田舎町に生まれました 当時のことを思えば生まれ堕ちたと言ってもいいでしょう。

僕は両親の顔なんてまったくと言っていいほど覚えていません。母親は亡くなっていて父親は僕が二才の時から

行方不明でどうなったすらわかりません。親が残していったのは新美夜 御礼という珍しい名前だけ


すいません。そろそろ敬語をやめて喋らせてもらいます。


けど小学校に入る頃 さすがにこの名前にクラスの子供達も 何か変だ 普通とは違う と気付き始めた

だからいじめの対象にされた。筆記用具は月一回のペースで新しいものを買うはめになり 給食では

肉、魚類やデザートを食べたのは数えるほどしかなく トイレに行けば汚物を顔面にぶつけられたこともあった。

御礼って名前なんだから御礼を言えよ と言われ 言わなければそれがいじめの原因となる

僕が汚物臭いまま授業に出たことがあり そのことから汚物処理施設だとか呼ばれることもあった

それでも学校は休まず行った それは僕をひとりで育ててくれているおじいちゃんに心配をかけたくなかったから

おじいちゃんはイギリスと日本のハーフでカッコいいロックなおじいちゃんだった。そのことは今でも僕の誇りだ

おじいちゃんはいつもUKロックを大音量で聴いている だから僕も好きになった 洋楽をその頃からたくさん聴くようになった

おじいちゃんと一緒に家でロックを聴く それが救いだった

いじめは続いた。 僕は小学五年 その頃の楽しみは家に帰っておじいちゃんに買ってもらったエレキギターを弾くことだった

偶然かある日オレをいじめる主犯の順平くんが学校で得意そうにギターを弾いていた。思わず言ってしまった

全然弾けてない その言葉に順平くんを代表とするいじめグループは黙ってなかった ボコボコにされて気がついたら便器を枕に眠っていた 少しの間そこでボーッとしていた 無茶苦茶な毎日に気力が減っていっていた だか考える余裕もなく順平くん達

がまたトイレに戻ってきた よほどギターのことが頭にきたのか二回戦が始まるらしい けどそこで順平くんが言ったことに初めて僕は怒った

お前のじいちゃん半分外国産らしいな

僕は順平くんを突き飛ばし教室に走った 逃げる為に走ったんじゃない 順平のギターを思いきり窓から外へ投げてやった

追っかけてきてすぐにボコボコにされた 抵抗したが順平はほうきで僕を殴り続いた 意識が遠のく中 かすかに聴き慣れた

メロディが聴こえてくる 掃除の時間の音楽だ 誰のチョイスかだなんてどうでもよかった それはおじいちゃんといつも

聴いているUKロック 殴られながらも僕は微笑んでいた 頭にギターのコードが浮かぶ 僕はアーティストなんだ

音楽で自分の思う頂点を目指そう こんな状況でも笑っていられるんだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ