7話 南地区決戦:前編
南地区の惨状――そして、幻影魔法使いヒコトレとの決戦が始まる。
赤く燃えさかる街の中、逃げ惑う市民たち。
その陰で、俺の前に立ちはだかるのは、幻影を操る貴族――ヒコトレだった。
「5属性の同時発動だと!?ありえない!」
初めての感覚だ。魔法の同時発動なんて。
でも3属性ならまだしも、まだ5属性までは俺には使いこなせない。あれは、俺の意思ではない。
でもなぜか、迷いは全てなくなった。
でも、これでいい。
「これで邪魔はいなくなったな!ヒコトレ!!!
俺とお前、1対1で決着つけようぜ!!!」
「笑わせる...!あれはまだ雑魚どもだ!そんな数人やったところで、調子に乗るなよ!ディナールゥゥゥ!!!」
幻影魔法「幻影連鎖!!」
そう唱えた時、ヒコトレの姿をした影が大量に出てきた。
「問題ない。全て、片付けるまで!」
炎魔法「火炎弾・20連射」!!
全ての幻影に当たった。
しかしその時だった。
「かかったな!!!バカめぇ!!!」
幻影魔法「影縛り」!!!
「くっ…なんだこれ…!?動けない!?」
「お前は今、俺の幻影を攻撃した。だからなんだよ!」
「能力か…!?」
「単純に攻撃しているからですよ!!」
ヒコトレは幻影をまた大量に出し、俺に向かわせた。
「行け幻影よ!ディナールを滅多撃ちにするのだ!」
「ッ……!?クソッ!」
動けても、幻影に攻撃はできない。かと言って、このままいると死ぬ。
その時だった。
風魔法「疾風怒濤」!!!!
その時、とてつもない強風が吹き、全ての幻影が消えていった。
「決着。つけてきてください!ディナール様!」
何かっこつけているんだ。怖くて震えているのバレバレだぞ。
—————————でも、これでいいんだ。
「バカな!?」
「タミィ…お前ナイスだ!!」
あとは決着をつけるのみ。
「卑怯だぞディナール!!1対1じゃなかったのか!?」
「何を言っているんだ?攻撃はしていないぞ?」
「くっ…王子の風上にも置けない!!」
「お前にだけは言われたくないな!」
これでわかった。奴は風属性に弱い!
でもそれだけだと、ディナールに攻撃を与えられない。
ならば思いっきり、2属性の魔法を打つ!
「耐えてみろ!!!ヒコトレェェェ!!!!!」
2属性同時発動「風雷神蒼・乱れ打ち」!!!!!!
ヒコトレは瞬時に大量の幻影を出したが、全て風より消され、雷はヒコトレの本体へ直進する!
「バカな…幻影魔法が破られるなんて…
ああ…俺にあの生意気な餓鬼を…餓鬼を黙らせる魔法があれば…」
願いの力は強烈だ。
次の瞬間、ヒコトレからとてつもない煙と黒いなにかが溢れ出た。
「まずいですディナール様!あちらには市民がいます!」
「最期まで面倒をかけやがるな!」
すぐに防御魔法を市民たちにかけ、ヒコトレの前まで1人で進んだ。
「早く眠れよ。もうお前は勝てない。」
「黙れ!!!私は新たな魔法を手にしたのだ!お前なんぞ、赤子の手をひねるように殺してやる!!!!!」
闇・幻影魔法「幻獄千影陣」!!!!
「バカな!2属性魔法だと!?」
「ハハハハハハ!今からお前を殺してやるよ!」
「面白い!」
次の瞬間、今までの比にならないくらいの幻影が出た。
「おいおい…反省しろよ!」
すぐに風魔法を発動した。
すると逆に幻影が増えたのだ。
「クソッ!!!」
攻撃がくる。避けようとするが動けない。下を見ると幻影が闇から生まれて、俺の足を掴んでいるのだ。
俺は攻撃を全身に食らった。致命傷には至らなかった。
でもこれで分かったことがある。
どうやらさっきの風魔法を発動したとき、一瞬だけ幻影が全て消えた。その時、1つだけ体が残っていた。おそらくそれが本体なのだ。
「さて、どれが本体かわかるかね?」
今回はタミィの援護もない。正真正銘の1対1なのだ。
この敵の数に恐怖が止まらなかった。
魔力が見えた。
あいつは莫大な魔力を持っているが、この魔法は魔力の消費が尋常じゃない。
俺の勝利条件は、①ヒコトレの魔力切れまで待つ。か、②本体を倒すこと。
でもあいつは魔力がありすぎる。なら①は無理だ。つまりあいつを倒すのが勝利条件だ。
恐怖の中、1つの魔法を覚えた。その魔法の能力を知った時、あいつに隙が生まれた瞬間に打つと決めた。
あいつに風魔法を打つ。素早く奴は影を出す。その一瞬でいい。
「眠れ!ヒコトレ!!!!」
神聖魔法「神魔生成一閃・光速[」!!!!!!
復活させる前に光の速さで奴の目の前に飛び、
奴の腹を貫く。
致命傷は与えた。
どうも。maronです。制作時間は2時間。最初は2400文字を一気にやる予定が、流石に多いので、前編後編に分けることにしました。
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Maronでした。




