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長編6話 火種と現実

南地区が炎に包まれた――。

怒りと正義の狭間で、ディナールは決断を迫られる。

平民も善意の貴族も、誰一人見捨てられない。

魔法と人命、正義と復讐が交錯する戦いが、今、始まる。

俺は自分の行動を今一度見直した。

——————だが、もうともに話してくれる仲間はいない。

自分は間違っていない。

そう思っていたからこそ、タミィを突き放した。

それでも今ならわかる。

正しかったのは、タミィのほうだった。

——————だが、謝ることはできなかった。

あんな言葉を投げつけておいて、許されるとは思えなかったからだ。

その空気を切り裂くように、

「ドゴォォォォン!」

腹の底に響く爆音が鳴った。

理由はわからない。

だが、嫌な予感だけは確信に変わった。

身体神化を使い、爆発地点へ向かう。

走りながら、気づいてしまった。

「南地区……!?」

嫌な予感は加速し、俺は全速力で駆けた。

辿り着いた先にあったのは、

緑豊かな住宅街ではなかった。

赤い炎と瓦礫だけが残る、無残な跡地だった。

——タミィ視点

私はディナール様を追えなかった。

止めることも、引き留めることもできなかった。

怖かったのだ。

ディナール様が、貴族を深く憎んでいることを知っていたから。

爆発音がした。

胸が、嫌な音を立てた。

あの方角には、

幼い頃に走り回った道も、家も、人もいる。

——私の故郷、「南地区」だった。

逃げ惑う平民たち。

それを嘲笑い、助けようともしない貴族たち。

拳を握る。

だが、今は衝動で動かない。

「何をしている!今は人命が優先だろう!」

声の先には、

自分が狙われると知りながら、平民を守る貴族がいた。

——タミィの言う通りだった。

俺は、勝手に決めつけていた。

だが現実は残酷だった。

善良な貴族は、他の貴族たちから一斉に魔法を浴び、倒れた。

「……この国は、まだ終わっていない……」

それが、彼の最後の言葉だった。

——今度は、俺の番だ。

身体神化を使い、彼を守る。

「大丈夫か」

「俺は……大丈夫、です……」

「よくやった。お前は、この国の誇りだ」

その言葉を残し、彼は意識を失った。

背後から、必死な足音。

「遅かった……」

「タミィ……」

望まない形での再会だった。

「回復魔法はかけた」

「でも……」

「金だろ。今は人命が最優先だ」

その時、声がした。

「おや……王子自ら救助とは」

「初めまして。ヒコトレと申します」

レイケインの名が出た瞬間、理解した。

——あいつだ。あの時、逃した貴族。

「お前らなんだな……このテロの犯人は」

「さて、どうでしょう?」

背後から声がする。

「あいつらを……殺してくれ……」

その一言が、迷いを断ち切った。

だが同時に思う。

——ここで殺せば、俺はあいつらと同じになる。

それでも。

「殺す」

「では、こちらも本気で」

貴族たちが一斉に襲いかかる。

——死ぬ。

その瞬間、風向きが変わった。

詠唱のない五属性魔法が、貴族たちを貫いた。

——俺の魔法じゃない。

財布の重さも、変わっていなかった。

こんにちは。Maronです。

2、3話続く南地区編、開幕しました。

これから続きます。

わからないとこはコメントしてね。

コメント、ブックマーク、評価は私のモチベーションに繋がります。ぜひ、お願いします!

Maronでした。

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