表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

5話 決別

街を巡回するディナール。

平民を守るため歩む改革の道。

しかし目の前に横暴な貴族を見つけ、怒りが抑えきれない――

財布の中の金の軽さに気づくほど、理想と現実のギャップに悩む王子の決断とは

ポケットに入れていた財布が、やけに軽い。

気づかないふりをしていたが、もう無視できなかった。

戦闘が終わり、少し経ってから、財布を開けた。

「……金が、ない。」

「え?」

驚いた。

魔生成魔法の代償は魔力だと思っていた。

まさか財布の金を代償に使うとは。

「...まあいい。パトロールを続けるか。」

「よくはなくないですか?」

「ハイ...」

金の世界を改革するために、金を使って魔法を使う。

なんという皮肉なんだろう。

助けた人を病院へ連れて行った後、俺たちはまたパトロールを再開した。

——————とある貴族の噂を聞いた。

そいつは噂では平民をなぶることを趣味としていて、俺はその噂を聞き、腹が立った。

街を歩いている時、その貴族の姿が人混みの中見えた。

話している内容が聞こえた。

「南地区の税金が滞納期間を超えた。そろそろ罰を与えなければならないな。」

(は?)

俺はすぐに拳を強く握り、追いかけようとした。

しかし、俺の体は前に進まなかった。

タミィが、俺の腕を引っ張っていたのだった。

「何をするんだタミィ!あいつは残虐な貴族なんだぞ!」

「それはあくまで噂です!」

「噂でも事実でも関係ないだろ!貴族どもは、平民の人たちを、真面目に働いている人たちを、何もしないくせに上から見下して、なぶっているんだ!」

「今のあなたは改革者というより、残虐な独裁者です!」

何かが切れる感じがした。

タミィへの信頼が、無くなっていく感覚がした。

「お前に何がわかるんだ!」

「お前も見ただろう...さっきの現場を!貴族が平民をなぶる現場を!」

「はい。見ました。でもその上で、私はあなたの行動を止めなければなりません!」

「ふざけるな!」

「見損なったぞ!タミィ!」

俺はタミィの手を振り払った。

すぐに身体神化を使い、貴族を追った。

「お待ち下さい!」

タミィが俺に声をかけた。

俺は振り向かなかった。

聞こえていた。確かに。

————————貴族に追いついた。

「なんだお前。」

「さっき話していた内容。聞こえたぞ。」

「それがどうした。違反ではないだろう。」

「理由も聞かず罰を与えるのは違うだろうが!」

「だからなんだ。税を払わないなら罰を与える。当然の法であろう。」

「どうやら話し合いは無駄なようだな。」

魔法を唱えた。

土魔法「殺地刀」

土の刀が俺の手に現れた。

俺は貴族に刀を振ろうとした。

「おいおい……まさか本気か?」

貴族は、俺の手に現れた土の刀を見て、口角を歪めた。

「何もしていない人間を、王子様が斬り殺すって?

はは……それはそれで面白いな」

「黙れ」

「殺すのは勝手だぞ?

だがな――」

貴族は、わざと一歩前に出た。

「その瞬間、お前は王子ではなくなる。ただの人殺しだ」

「……ッ」

「平民を守るため?

この王国のため?

笑わせるな。結局、力を持った側が気に入らない相手を殺すだけだろ?」

「それを――

俺たち貴族と、何が違う?」

喉の奥が、焼けるように熱くなった。

殺すのは容易い。

だが、この男の言葉は、正確に俺の急所を抉ってきた。

俺が行おうとしていることは、こいつらと同じことなのではないか?

止める仲間はいない。止めてもくれない。

——————俺がその仲間を突き放したのだから。

俺の思考は今すぐ殺せと言っている。でも、俺の意思と体はそれを止めている。

殺せない。

殺地刀を解除した。

タミィの言っていることが、今、わかった気がする。

——そうだ。俺の考えずにすぐに暴力に移る性格は、確かに独裁者と完全に一致している。

ここで殺すと、改革者というものにはもう二度と戻れなくなる。

「チッ...行け。お前の言ってる通りだ。」

「わかってくれたのなら、それでいいのだよ。」

甲高い笑い声をあげ、俺の横を通って貴族はどこかへ行ってしまった。

「そうなんだ…俺は1人じゃダメなんだ。何もできない。」

俺の意思の弱さと、転生前に俺を殴ってきた奴らを今の俺に重ねた。

反吐がでるくらいに酷かった。

俺の行動に後悔した。

火種は、俺が撒いてしまったのだ。


おお!こんなに!

あっどうも!Maronです。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

貴族と自分の愚かさを知ったディナールが選ぶ行動と、

撒いた火種とは何なのか。コメントに是非考えを書いてみてください!

コメントとブックマーク、評価は私のモチベーションに繋がります!

どしどししちゃってください!

Maronでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ