月夜の最後
掲載日:2023/12/01
月夜の晩に微風が通り過ぎる
紅の空から蒼色の空の様変わりは
天下の政権交代のよう
雲の合間に三日月が覗いている
月光の薄明るさが空気を伝わって
草木まで届くかと思われる時
思わず息を呑んだ
夜の光合成とは息の絶え間に微かなるが故
繊細なる微妙の感覚を鋭敏にしていなければ
呼吸の息遣いは感じ取れない
夜空の真下に佇む私は
世界の終わりを感じ取るのに必死で
自らの存在が立ちどころに消えていた
没我没入の妙境は
自然の法則の理にかない
天地と一体である存在になることで
月夜の世界に招かれるのを許される
あと幾日ほどに世界は存在するのだろう
たとえ今日が世界の終幕になろうとも
世界の先端に佇む事を許されたのは
地球創生以来
何人の人が経験できたのだろうか。




