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中二病少女  作者: 木下寅丸
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話す人がいない読書家と今の妹を見て思ったこと

16


ノック。トン、トン、トン。

「空いてるよ」私は声をだした。

「珍しいね。こっちの部屋に入ってくるなんて」

 妹は、「たまにわね」とだけ言って、ベッドに腰かけた。そして、イスに座りながら本を読んでいる私をじーっと見ていた。

「面白い? それ?」

「ああこの本。うーんどうだろ? 面白い方の部類だと思うけど」暫く間が開いた。

「なんでいつもそんなの読んでいるの?」

「なんでって言われると困るな。習慣としか言えないし」

「じゃあさ、読むようになったきっかけとかって何なの?」

「きっかけ、そうね。きっかけね。だいぶ昔のことだからなー。忘れてしまったよ。気がついたら読むようになっていた感じ」

「誰かに勧められたりとかってした?」

「それはなかったかな。本のこと話す友人なんていないし」

「本を読んで良かったって感じたことある?」

 私は即答することができなかった。良いこと? 本を読むことに対しての自分に起きた良いこと?

「ああ、あったよ」と言ってみた。

「嘘つき」そう言うなり部屋を出て行った。

 私は嘘をついたのだろうか? 何かしらの+にはなっているんじゃないかと思ったのだが。


17


 茶の間のソファーに座り、テレビを眺める。「おはよう」と言いながら、階段を下りてきた。相も変わらずお姫様スタイル。どこにそんなもの売っているのだろうか? 眠たそうな顔をして、日当たりの良いところまで来て丸くなった。その姿を見て私は、猫みたいだと思った。


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