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中二病少女  作者: 木下寅丸
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杞憂と違和感

14


 次の日。妹は体調が悪いといって学校を休んでいた。夜。私は妹の部屋を訪ねてみた。

ノック。トン、トン、トン。

「なんかよう?」

 部屋に入ってみると、妹は普通だった。

「あのねー。年頃の女の子の部屋に気軽に入れると思わないでほしいなー。だからモテないんだよなー」煽ってきたが、元々こんな感じな奴だ。

「年頃の? 女の子? そういやいますね目の前に。いやー私としたことが、気づかなかったよ」

「うわ、うざ」

「んで、なに?」

「昨日元気なさそうだったからさ、心配になってさ」

「なんだー。そんなこと!! 泣く日ぐらいあるよ、女の子だもん」妹はケラケラ笑っていた。

 杞憂だった。そりゃそんな日ぐらいあるさな思春期だもん。私は自分の考えすぎる癖を反省した。

「いやなんだ。その、お兄ちゃん元気ない時にこの本に助けられたことあってさ、良かったらどうかなって思って」そう言って本を差し出した。

「はいはいありがとさん。気を使わせてわるーございました。」そう言って受け取ってくれた。

 朝。今日は燃えるゴミの日だからと、母がゴミ袋を指さしてくる。面倒くさい。サラリーマンの朝は忙しいというのに。五分早く出てゴミ捨て場に向かう。

 ゴミを投げる。「………。あれ?」透明なビニールの中に、妹にあげた本が見えた。


15


 違和感を思い出した。それは、妹の部屋に入ったときのものだった。何かが消えているように感じたんだ、そのとき。なんだ。なんだ。なんだ?

 そうか。ポスターだ! 壁にアイドルのポスターが何枚か貼ってあったんだ昔。そう。確かにあった。イケメン好きだなこいつ。とか前入った時に思ったんだ。一年ないし、半年は経ったぐらいか。そういえば、ここ最近母とアイドルの話をしているのを見なくなった気がする。

 違和感の正体が分かったことで、一つ気がついたことがあった。だから、一体なんなんだ?


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