26話 シャドウウルフ達との戦い①
走る。
私の後ろでは私が地面を蹴った時にファッと飛ばされた土がそこら中に舞っている。
だんだんとハイシャドウウルフに近くなっているので、空気が重く感じる。
強い魔物だからこそ気配が強いし圧も凄い、汗も出てくるくらいに。
そしてだんだんと全体が見え始めた。
そこではシャドウウルフ達が馬車を攻撃していた。
馬車に一緒に乗っていたのだろう冒険者数名はシャドウウルフと戦っているみたいだが、シャドウウルフが強いのか、それともまだ冒険者になりたてなのか分からないが劣勢だった。
一方的に攻撃されている。
早くつかないと。
さっきよりも走る速さを上げる。
フォリノアもそれについてくる。
そして数秒で馬車まで着いた。
冒険者たちに私は
「大丈夫ですか?加勢します。」
そう言って加勢した。
フォリノアも
「私も一緒に戦います!」
そう言ってシャドウウルフを倒し始めた。
ここで一気に逆転するかと私は思っていた。
でも読みが甘かった。
私は冒険者と共にシャドウウルフを倒し始める。
ハイシャドウウルフは何故か見守っているだけだった。
好都合だ、シャドウウルフが多いいからもっと厄介なハイシャドウウルフとも一緒に戦う事になるとやばい未来が見えてしまう。
でも何故見ているだけなのだろうか、仲間が攻撃されているのに何故だろう?
でも今の私にはそんなこと気にしている暇はなかった。
シャドウウルフが突っ込んで来る。
シャドウウルフの突進を避けて剣を振る。
剣はシャドウウルフの首を目掛けて振り下ろされた。
シャドウウルフは近距離によく来る、魔物なので剣を使うことにした。
以外にもシャドウウルフは硬く、一撃では倒すまでは行かなかった。
この時フォリノアが強いのだとわかった。
普通の冒険者だとシャドウウルフは一撃では無理、ならばと思いシャドウウルフの攻撃を避け剣を振りをダメージを与えるこれを何度も繰り返す、毎回正確に首を狙って。
だが毎回上手くは行かなかった。
シャドウウルフも分かってきたのか、私が避けるとすぐさままた突進してくる、避けた後は少し行動が遅くなる、そこを隙をつかれた私はシャドウウルフにお腹を攻撃された。
私は後ろにドンと飛ばされた。
ドン、ズゥゥー。
でも、すぐさま立て直したでもシャドウウルフの攻撃は止まない。
剣を持ち上げた瞬間シャドウウルフが口を空け噛み付こうとしてきた。
とっさに剣を自分の顔の前に出した。
ギリギリだった。
シャドウウルフは私の剣をガリガリ噛んでいる。
どうしよう。
1匹もまともに倒せない。
考えろ、考えろ。
どうやったらこの状況を変えられる。
考えた、とにかく考えた。
今この状況は最悪、打破する方法なんて、いや!
あるじゃん!
あった、あった、打破する方法がでも意外と厳しいことかもしれない、失敗するかもしれないそんなことを考えた、でもやるしかない、今はそれしか方法がない。
私はシャドウウルフのお腹を思いっきり足で蹴り飛ばした。
シャドウウルフはそこまでだったが後ろに飛ばされた。
よしこれで立て直せた。
ほんとに蹴り飛ばせるとはあまり思ってなかったのに、半分賭けだったのに。
成功してよかった。
でもまだだ戦いは終わってない。
フォリノアや他の冒険者たちも気になるが私は今目の前にいるシャドウウルフに集中した。
あの硬い皮膚をどう攻略するか、やっぱり何度も繰り返し攻撃しないとダメなのか?
う〜ん。
炎魔法のついた剣なら行けるのか?
皮膚が燃えて切りやすくなったり。
ものは試し用だ、「エンチャント炎」そう叫ぶ、本当は言わなくてもなるのに。
何となく言いたかったから言っちゃた。
剣が赤く燃える。
バチバチと、音もする、火の匂いもする。
風が吹くそれでも私の剣の炎は消えない。
剣をシャドウウルフ向け構える。
飛ばされていたシャドウウルフもすぐに攻撃体制に入った。
冷や汗が流れた。
ドクンドクンと緊張する。




