25話 特異個体
「倒したよ!」
フォリノアが笑顔でこっちを見る。
見ないで!
今はお前を殴りたいくらいイラついてるから。
う〜、旅し始めてから初めての魔物だったんだよ、それをフォリノアにあっさりと、一瞬にして倒されるなんて。
しくしく。
「うん。スゴイ」
スゴイの部分は棒読みのように言った。
これどうする?
シャドウウルフの死骸....
到底持ち運ぶなんて無理異空間収納なんて便利な能力ないし。
う〜ん。
死骸の前で立っていたら。
「必要な部位は切って、それ以外は燃やしますね。」
え?
もしかして魔物冒険者ってクエスト以外は気にしないのかな?
クエスト達成に必要なのは倒した魔物自体か、魔物の指定された部位だ。
私的には全部どうにかして持っていきたかったけど、ま〜いっか。
いつ着くか分からないんだし。
「いいよ。それと燃やすのは私がやろうか?魔法使えるし。」
お願い!
フォリノアそう言ってきた。
シャドウウルフの耳と尻尾を切り取ると、他は全て燃やした。
よし。
私達はまた歩き始める。
その後もシャドウウルフが沢山出てきた。
そしてそれらは全てフォリノアに倒されたのだ。
なんか私、お荷物みたい。
うーー。
と思っていた時だった。
目の前で今までで1番の数のシャドウウルフがいた。
15匹だ。
シャドウウルフは何かを襲っているようだったがまだ少し遠くよく見えない。
私はシャドウウルフの中をもっとようく見ると、1匹だけ異彩を放つ奴がいた。
頭の頂点ら辺には角が生えていた。
これ強いヤツやん。
気になり鑑定を発動してみた。
ハイシャドウウルフ
Lv25
HP1008
称号
統一
<<特異個体です。特異個体は普通の個体よりも優れておりまれに称号などを持っているものもいます>>
解説きた。
ありがとう!!
えっと、特異個体か、称号ね〜。
なんか称号に凄いことでもあるのかと思い統一を鑑定してみる。
統一
チームをまとめるものが得る称号。
統一があるということはチームのみんなから信頼されている証拠。
へぇ〜って、こいつ司令塔なんだ。
はぁ〜こりゃ凄いこと。
特異個体は称号を持ってることがあるんだな、いい情報だ!
てかさっきから気になってはいたんだけどなんか戦ってない?
シャドウウルフ達が走り回ったり、突っ込ん行くのが見える。
何かに攻撃してる?
だが何に攻撃してるかはまだ見えない。
フォリノアと何かあるかもと話してすぐに走っていった。
もし人が襲われているのならば間に合えばいいけど。




