第二十一話:午前0時、渋谷スクランブル交差点【第五・五部:完】
大王が倒された。
ゲームの世界が崩壊して、プレーヤーの魂が元に戻る。何もかもハッピーエンドに終わりかと思いきや、終わっていなかった。
大王は傀は朝日に倒されたものの、残留思念と言うものが残っていた。形はすでに亡くなっていたが、わずかな意識は残っていた。
なんて言う執念だろうか。ーー主人への忠誠がなせる技なのか、
「この……ま……ま クチてなるものか あのお方のために知らせなければ」
これを使えばわずかに残っている力も無くなってしまうだろ……けれどそれでも何もできないよりはーーそう強く願った瞬間だった。その願いが奇跡を起こす。
午前0時でも煌々とした明かりと行き交う人々では都内はまだ活気に溢れている。そんなある日、大型ディスプレイやスマホ、テレビ、パソコンに異変が起きる。人々は何事だと立ち止まる。
それは異様な光景だった。一人の青年が刀を構えて、大きな化物に攻撃を放った。そして化け物が叫び声を上げて消えた。その姿に人々は魅入られる。
そしてそこでプツリと映像が途絶えてしまった。それを見た人々は何だったんだと一瞬で大騒ぎになった。
事態を収集するために警察が動いた。混乱極まる中、その光景を渋谷のスクランブルで眺めいていた一人の男性がいた。
彼の名は火原清志。
傀の協力者であり、鬼族の一人である。傀から連絡がなくなり魂が帰ってこないことに失敗したんだろうと思っていた。
けれど魂を献上することを失敗したがそれ以上のものを見させてくれたことには敬意を表したい。
黒い髪に銀色の瞳の男。
「いい知らせができそうだ」
そう思い、火原は人混みの中に消えていった。
ネットの界隈で様々な憶測を飛び交い、翌日、電波障害だったというニュースが流れ一応は収集し、都市伝説となった。しかし一度ついた火種は消えることはなかった。
アイナナのアニメを見ていた方はサードビートの第十三話でイメージが分かりやすいかもしれません( ´∀`)ちなみに推しは全員です。
ひとまず最後の投稿が終わりました!
ストックがないので、またぼちぼちと書いていきます( ・∇・)
読んでいただいてありがとうございました!
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別作品に『魔法世界の少年ティルの物語』という作品があります。ファンタジーものが好きな方におすすめです٩( 'ω' )و